@「大量生産、大量消費、大量廃棄」の20 世紀は、大気汚染、水質汚染など「産業公害」の問題が
 顕在化した時代でしたが、21 世紀は、地球温暖化、酸性雨、オゾン層の破壊、熱帯雨林の減少、
 野生動物の減少、砂漠化など「地球規模の環境問題」がますます深刻化する時代といわれています。
A地球の気温はこの100 年間で約0.6℃上昇し、2100 年には1.4℃〜 5.8℃上昇すると予測されています。
 この温暖化のため、20 世紀の100 年間で海面が10 〜 25cm上昇し、2100 年には9 〜 88cm海面
 が上昇するなど、地球全体に深刻な環境問題をもたらしています。
Bこのような状況のもと、我が国は地球温暖化の防止のため、京都議定書を平成14 年に批准し、
 2008 年から2012 年の間に1990 年比で6%の温室効果ガス削減目標を掲げ、世界をリードしてきました。
 今後更に、農的循環社会の実現によるバイオマスエネルギー、風力や小水力発電などのクリーンな
 エネルギーの活用や諸外国で導入が進みつつある排出量取引や税制度等市場メカニズムを通じた
 経済的手法等の各種施策を提案していきます。
Cしかしながら地球温暖化の影響は容易に回避できるものではなく、今からその対応を行っていくことが、
 重要になっています。このため、海水面の上昇や気候変動に対応した社会資本の整備を積極的に
 推進して参ります。


2060年頃には、気温と海面の大幅な上昇が予測されています


資料:気象研


我が国周辺海域でも海面気温が上昇しています





@農業生産への影響では酸性雨が懸念されるほか、現在、砂漠化、熱帯雨林の減少等により、農地・
 水などの農業資源が急速に劣化しています。砂漠化の影響を受けている農地面積は36 億ha(我が
 国の農地面積の720 倍)にのぼっています。また、世界の各大陸の農地の2 〜 3 割において過放牧、
 過耕作、塩類集積等による土壌劣化が進んでおり、地球規模で、食料生産を支える水と土が危機
 に瀕しています。
A世界的な水と土の危機に対応するため、海外技術協力を今後も一層推進していきます。また、こうした
 視点から国内の農業の諸問題を解決し、農業・農村の持つ多面的機能を十分に発揮する国づくり
 を通して、世界的な水と土の危機の解消に貢献します。


地球上の多くの土地や人が、砂漠化の影響を受けています

 

進む農地の砂漠化



@我が国には、モンスーンアジア地域と共通の水田稲作を中心として持続的に農業を発展させてきた
 豊かな経験がありますが、水田農業を支えた水と土と人のネットワークづくりの経験や、ICID(国際
 かんがい排水委員会)の50 年に及ぶ国際活動を通じた経験を、地球環境問題や世界の水と土の
 問題の解決に役立てます。
A平成15 年3 月に第3 回世界水フォーラムで開催された「『水と食と農』大臣会議」では、食料安全
 保障、貧困軽減、持続可能な水利用に加えて、農家の参加による水管理の重要性が強調されま
 した。水と土の保全を行ってきた我が国の水土里ネット(土地改良区)の活動は、「参加型」水管理
 の模範として世界の注目を集めていると言っても過言ではありません。
Bこれまでの豊富な海外業務経験を活かして、わが国の貴重な経験を世界に伝え、アフガン復興支援
 や世界の水・食料問題等困難な課題の解決に向けて努力します。