[005/005] 168 - 参 - 予算委員会 - 1号
平成十九年十月十五日(月曜日)

○委員長(鴻池祥肇君) 関連質疑を許します。佐藤昭郎君。

○佐藤昭郎君 私は自由民主党の、参議院、佐藤昭郎でございます。
 今日は、この場におきまして三点、最初はこの本国会の最重要法案と位置付けられておりますテロ特措法関係、次に福田総理も内政において非常に大事な問題だと所信表明で触れていただきました農林業政策、地域振興政策、最後に地球環境問題という、この三点について審査を進めてまいりますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 まず、テロ特措法案で総理の見解を伺いたいと思います。
 政府は、この十七日にテロ特措法の、これは延長ではなくて新法の閣議決定を控えておられる。総理は、所信表明でも、また衆議院の予算委員会でも、そして今、林委員の質問に答えまして、できるだけこの法律の性格を考えて野党の諸君とも十分に話し合って成立に期したいと、こう述べておられましたね。しかし、今の国会の審議の状況を見ますと、先週は衆議院の予算委員会が開かれて三日間における審議がありましたけれども、私から見ると、テロ特措法の本質から見ると枝葉末節な問題と思います燃料油の補給先、そういった問題だけが、(発言する者あり)後でまた御説明いたします、に対して質疑が行われただけで、肝心かなめのこの活動が憲法違反なのかどうかといった問題については野党側からの提示もないんです。
 先週、先週ですね、民主党の前原議員も述べておられましたね、予算委員会で。ほかの政策ならいざ知らず、外交・安全保障政策に関しては、日本の国益を守る観点から、与野党が十分に協議して、政府もすり合わせて、特にこの二大政党制を取っていて政権交代があるかもしれない諸外国の例では、十分な議論を尽くして政府も法案を提出し、国会を審議していく、こういうのがあるべき姿だと思いますけれども、そうはなっていないんですね。
 今、総理は、先ほどの林委員の質問に答えて、日夜眠れないほど悩んでいると、こうおっしゃいました。
 私は、九年前にちょうど私、初当選したんですけれども、小渕内閣の秋の臨時国会を思い出しております。このときも自由民主党は半数を切ったんですね。そして、この秋の国会で金融再生法案については、これ民主党のを丸のみして、そして今日財務大臣として御出席の額賀防衛庁長官は問責決議を突き付けられてお辞めになったんですよ。その後です、その後、小渕内閣は、当時、我々の大先輩であります野中官房長官中心になりまして、悪魔にひれ伏してでも通すべき法案は通すと。これは小沢代表を悪魔と言われたんですね、報道では。しかし、これぐらいのことをしながら、特にそのとき周辺事態でございましたから、外交・安全保障法案については成立を期したんですね。自民党と自由党が連携して、その後、公明党も入っていただいて、次の通常国会では国旗・国歌法も通しましたし、周辺事態法も通した、こういうことがあったんですね。
 こういうことを思い出しますと、今、総理が本当に野党とも、そして与党にも丁寧に説明してテロ特措法の成立を期したいとおっしゃっていただいた。十七日に閣議決定を控えて、総理の今の御決意、これ海上自衛隊の行動は何としても継続しなきゃいけない、この決意、思いを国民の皆様にひとつ御披瀝願いたいと思います。

○内閣総理大臣(福田康夫君) このテロ特措法は、二〇〇一年に成立しました。九・一一事件、テロ事件がニューヨークで起こったというのを受けて、これを国会に提案しまして、わずか一か月足らずで可決いたしました。そのように素早く可決できたのは、これは与党はもちろんでありますけれども、野党の方々も相当な応援をしてくださったと、こういうことがあります。もちろん、内容についても当然理解をいただいたわけであります。ただ、一点御意見が合わなかったということでもって反対になりましたけれども、非常に素早い対応を野党の皆様方にもしていただいて、私はあのときのことを思い出して今でも感謝していますよ、野党に、野党の方に。本当に有り難かったと。
 そのことによって我が国は国際社会に対して顔が立ったということがありました。日本は国際社会が協力してやる行動にほかの国々と同じように参加できる。しかし、もちろん参加して行う業務は違います。非常に我が国の場合には限定的な仕事をいたしました。今でもいたしておりますけれども、それはやはり日本国の憲法があるという、そういう事情によるものでありまして、その憲法の範囲の中で、許される範囲の中で最大限できることは何かということを考えて野党の皆様方にも相当な御理解をいただいたということを今でもよく覚えておるところでございます。
 そういう活動は、不幸にして今でも継続されているわけであります。早くアフガニスタンが鎮静化してほしいなということを思いつつも、現実にそういうふうになっていないという状況があるということ、そして、いまだにテロリストがいるということも事実でございまして、そういうような活動が行われて、そしてそれが、そのテログループが拡散する、テロリストたちが拡散するということだけでなくて、そのルートでもって武器とかそれから麻薬などが海洋を伝わって、そして他国に行くというような形の拡散がないようにするという活動に我々が協力しているんだと、このことをひとときも我々は忘れてはいけないんだというように思います。
 ましてや、ほかの国々も皆協力をしているということでありますから、そういうことに協力をし、そして日本は経済大国、二番目の大国だと言いながらも、何もできない、何もしないというような、そういうことでよろしいかどうかと、常に私どもは反すうしながらこの活動を続けているわけでございます。そういう観点から、是非野党の皆様方にも我々の考え方、気持ちを理解いただいて、そしてまた国民の、多くの国民の方にも御理解をいただき、そしてこの活動を続けさせたい、そのように思っておるところでございます。

○佐藤昭郎君 私は、この問題を考えたときにやはり常に忘れてはいけないのは、これは今、今もですよ、四百名を超す海上自衛隊の諸君がインド洋で頑張っています。そして、これまで延べ七百七十七回、防衛省に聞きますと約一万九百人の海上自衛官が六年間活動したんですね。まあ甲板で生卵ができるというような、そういう状況。(発言する者あり)ゆで卵、ごめんなさい。いや、分かりませんよ、できるかもしれませんよ。極めて厳しい状況の中で頑張ってこられた。
 しかし、私は、一番この頑張ってこられた、今、海上自衛官の諸君や御家族ですね、私、御家族から手紙もらいましたよ。我々が命令に応じて命懸けで遂行した任務が、先週の衆議院の予算委員会を中心に国会審議聞いていると、これは補給油の転用疑惑とか、疑惑ではないかと、何か法令に違反したかのような報道。我々何か悪いことしたんじゃないかと、極めてこれ士気に影響いたします。
 それから、私は国会審議やこの報道を通じて、この問題について国民の理解、ほとんどの国民の方々は詳しい情報にはまだ接していなかったと思うんですね、海上自衛官の、自衛隊の活動について。こう広がってきたおかげで、最近の世論調査によりますとじわっとこの支持が広がってきた、継続について。これを見て、自衛官の諸君や御家族もやや安心ということがありますけれども。
 これは通告していないんですけど、総理にこの自衛隊の最高指揮官として、現に頑張っておられる自衛隊の諸君、そして御家族に向けてひとつ激励の言葉を掛けていただきたい、テレビを通じて。よろしくお願いします。

○内閣総理大臣(福田康夫君) 非常に居住環境も、そしてまた気温の高いところでございますので、苦労されております。六年近くにわたりまして一万近く、延べ一万人近くの自衛官、海上自衛官がこのテロとの戦いというその作業に従事しているわけでございまして、そういう海上自衛官の御苦労にはもう私からも心から感謝を申し述べたいというふうに思っております。何しろ日本の日の丸の旗の下でもって旗をなびかせながら、高い士気とそれから規律を保ちながら、高度な技術を要する洋上補給を長期間にわたって実施できる部隊を派遣できるような国というのは世界じゅうを見回して日本ぐらいしかないんですよ、実はね。そういうことも考えて我々は感謝の念を強く持っておるわけでございます。
 実際に甲板上の温度は八十度にも達するというように聞いておりますし、また高温多湿であります。海上補給時には甲板作業員のみならず、機関科員、警戒監視要員、ヘリコプターのクルー、そういう方々、部隊一丸となって数時間張り詰めた状況の中で任務に集中しなければならないと、こういうことでございます。これは正に高い士気と技量がなければ成し得ないことなんですね。そういう海上自衛隊だから我々も安心して仕事をお願いしているということであります。
 海上自衛隊の活動は各国からも高い評価を得ております。私は、このように我が国の評価を世界に知らしめてくれる海上自衛官らを自衛隊の最高指揮官として大変誇りにも思っております。厳しい環境の下で任務に当たっております。常に自らの任務の重要性に思いを致して、任務を立派に完遂することを心から願っておる次第でございます。

○佐藤昭郎君 次に、町村官房長官と石破防衛大臣に伺いたいと思うんですが、ちょっと石破防衛大臣の方が先になりますかね。
 今ほど私触れましたし、総理も言っていただきましたけれども、このテロ特措法というのは、本当に与野党が話し合いながら、そして政府も国会と話し合いながら法案を決めていかなきゃいけない。十七日に新法が閣議決定される、そういうタイミングですね。
 それで、政府はこのテロ特措法の、これ新法になさるというんですけれども、骨子案を十月上旬に与党の方に示されました。我々も今、自由民主党のテロ特措法PTを中心に審議を進めております。それで、与党はこれ十月五日に野党との話合いを求めて、いい法案にしていかなきゃいけないということで、大島国会委員長が野党各党に、国対委員長会談でこの我々の政府・与党のテロ特措法の骨子をお示しになったんですね。しかし、そのときに、国民の見える場で協議をしたい、国会の審議を通じて我々の意見を分かっていただきたいと、こういうことで実は今日に至ったわけであります。
 先週、衆議院の予算委員会で、菅委員、岡田委員、原口委員が立ちましたけれども、このテロ特措法、海上自衛隊の行動の本質的な部分についての質疑はほとんどなかったですね。この補給したオイルをどこに持っていくか、こういった、私はあえて言いますが、枝葉末節な論議に終始しておりまして、この活動は憲法違反なのかどうか、そしてこれに代わる、これに代わる活動があるとしたら国際治安安全部隊、ISAFに出したいと、こうおっしゃったわけですね。
 私は、民主党の意見について、極めて今重要な段階ですから、私なりに解釈をして、政府の御見解をただしていただく。そして、このより良い、さっき総理おっしゃいましたけれども、より良い法案の成立、これは十七日に出されますよね、その参考にもなっていくという意味で伺いたいと思います。
 小沢民主党は、小沢代表が月刊誌の「世界」十一月号、十月九日発売に、自衛隊洋上給油活動をどう考えるかという論文を発表されました。私は、これは月刊誌に発表されるぐらいなら、国会の場に、代表質問に出てこれをなさっていただきたいと思うんですけれども、出てこられなくて、月刊誌に発表されました。
 その誌上の中で、この考え方というのは小沢氏個人の考えで、民主党を代表してじゃないんではないかという御指摘を相手から受けまして、小沢氏はこう述べられているんですね。いや、そうではありませんと。民主党の政策論議の結論を御存じないかもしれませんが、昨年末までの二か月の党内論議の結果この方針を決定いたしますと言って、私もこれは拝見したんですが、確かに参議院選挙を控えて発表されましたこの民主党の政権政策の基本方針、これ政策マグナカルタと言っているんですが、ここに明示されているんですね。その小沢氏の考えなんです。
 まず、海自の活動というのは憲法違反なんだというんですね。これ三段論法なんですね。一として、海自の活動というのは自衛権の発動、つまり武力の行使に当たると。二番目として、憲法によれば自衛権の行使、つまり武力の行使は我が国が直接攻撃を受けた場合あるいは我が国周辺事態で放置すれば日本が攻撃される場合に限定されるんだと。三として、一に述べた海自の活動というのは二のケースに該当しない、ですから今インド洋で展開している海自の活動というのは憲法違反だというんですね。
 この点について政府の御見解を伺いたいんですが、ちょっと官房長官出ているんですが、石破防衛相、お願いします。

○国務大臣(石破茂君) 官房長官からお答え申し上げるのが適当かと存じますが、御指名を賜りました。所見を申し述べたいと存じます。
 洋上補給が憲法違反であると、そういうことだとするならば、どういう論理になるかということでございます。
 私ども政府といたしましては、まず非戦闘地域という地域を設けて、それは弾が飛んでこないとか、危険だとか、そういう概念ではございません。(発言する者あり)あり得ないとかなんとか、そういうことを言う方がありますが、それは何度も同じことを申し上げていますが、事実の評価と見るか法的な評価と見るか。我々は、まず法的な枠組みをきちんとつくらなければいけない。法治国家ですから、そういうことは当たり前のことなのです。憲法九条を担保するために、現に国際紛争、すなわち国若しくは国に準ずる組織の間において領土等々をめぐる争いが、武力を用いた争いが行われていない地域、そういう地域を設定をいたします。こういう地域の設定はできるわけですね。そしてその上で、補給であるとか輸送であるとか、武力の行使と一体化しない。この二つの歯止めを掛けているわけです。法治国家としてそれは当然のことであって、これが憲法九条に抵触するということは考えられない。
 憲法九条に抵触するとおっしゃる方は、憲法九条の第一項、ここの条文のどこに抵触するのかということをはっきり示していただかないと、これは論理として全く成り立たない。つまり、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」、これが憲法九条第一項です。この第一項のどこに違反をするから憲法違反なのだという論証をしていただかなければ、その議論は全く成り立たないということになるわけでございます。
 それでは、国際紛争解決手段なのだと。(発言する者あり)よろしいですか。今どれだけの国がこれだけの活動に参加をしているか、洋上阻止活動に参加をしているかということです。アメリカとの戦争に加担をする、アメリカとの戦争に加担する集団的自衛権というふうに言いますが、今私どもが補給をしておりますのは、量的にも、量的に七割、そしてまた回数でいえば八割、それが米国以外のものに対するものでございます。
 そして、このテロとの戦いにどれだけの国が参加をしているかというのは、この一覧表で、お手元にもお配りをしておりますからよくごらんください。アフガニスタンの陸上においてOEF、ISAF、そしてPRT、これはそれぞれ大変な危険を伴い、多くの国が犠牲を出しながらも、アメリカ、イギリス、イタリア、ドイツ、カナダ、フランス、イラク戦争に反対したドイツもフランスもアフガニスタンにおいてISAFやPRT、こういうものに参加をして、多くの若者の命を犠牲にしながらもテロとの戦いをやっている。これが何でアメリカとの戦争になるのか、その評価をきちんといただかねばならないでしょう。
 そして、我が国は、洋上において補給活動をしているわけですが、あの洋上において、あの広いインド洋において、日本全体が入るような広さですからね、あの広さにおいてテロリストが、武器が、そして麻薬が、資金が出たり入ったりしないということをパトロールするという能力は、これは並大抵の能力ではありません。船が浮かんでいればいいというものではありませんから、きちんと洋上において哨戒ができる能力、それを備えた国々が船を浮かべている。これで見れば、イギリス、アメリカ、そしてドイツ、そしてカナダがやがて参加します、フランス、こういう国々の海軍が高い能力を持って洋上監視活動をやっている。
 じゃ、日本はどうなんだということになりますと、これ時々、ただのガソリンスタンドじゃないかなぞという軍事常識を全くわきまえないことをおっしゃる方がありますが、この広い洋上において燃料がある一定の量に達した、一々港に帰っていったとするならば、どの国も船があり余っているわけではありませんから、これ大変に活動というものが阻害をされる。燃料が少なくなった、帰ります、また来ます、そういうことになると、そこの間隙をついてテロリストが、資金が、武器が、麻薬が出たり入ったりする、そうすると一体どうなるんだということを考えていかねばなりません。どの国も遊びや冗談で船を浮かべているわけではない。テロとの戦いは、これは世界じゅうやっていることであって、アメリカとの戦争に加担する集団的自衛権だとおっしゃる方は、それがそうだったら証明をしていただかなければ、これは議論として成り立たないことだと私は思います。
 そして、補給ということがどれだけ大変なことか、今委員から御指摘をいただきました。私は、今年の夏も行きました。去年の夏も行きました。それは本当に甲板に卵を落とせば卵が焼けちゃう、そういうような暑さです。百葉箱の中に入れて四十数度ですから、甲板に出れば照り返しもありますから、体感温度は五十数度になります。そして、湿度が物すごい高いですから不快指数は一〇〇、楽に超えます。
 その中にあって、テロというのは、いつ、どこで、だれが、だれから、なぜ、どのようにして攻撃を受けるか全く分からないのがテロですから、それが分かっていりゃテロにならないわけで、いつ、どこで、だれが、だれから、なぜ、どのようにして攻撃受けるか分からない、そういう緊張状態が船によっては、車にガソリン積むのと訳が違いますから、三時間も、四時間も、五時間も、場合によってはそういう緊張状態の中で、大変に苦しい状況の中でずっと何時間も続ける、それができる能力を持った海軍、我が国でいえば海上自衛隊ですが、そんな国は日本、アメリカ、イギリスぐらいしかない。その補給があって初めてインド洋全体のオペレーションが成り立っているということでございます。これがただのガソリンスタンドとかそういう補給を軽んじたような議論をしてはいけない、そして、それがどれだけこの全体のオペレーションを可能にしているかということを私どもは申し上げたいと思っております。
 委員の御指摘にもう一度戻れば、憲法違反の集団的自衛権の行使ということであれば、是非民主党におかれましては集団的自衛権の定義、日本国における定義、国際的な定義、それを述べていただき、そしてその上で憲法九条との関係、それをどのように整理されるのか、今までと違う考え方を出されるということであれば、一体化するから駄目だと、補給は駄目だということであれば、論理的に言えば周辺事態法というものも憲法違反ということになるはずです。そうすると、それも廃止しなければ、これは論理として全く通らない。それでは、日米安全保障条約はどうなるんだ、これと憲法との関係はどうなるんだ、そこまで論理的にきちんと詰めなければ、国会における議論としてはそれは適正を欠くものと私は考えます。
 以上であります。

○佐藤昭郎君 今、石破大臣にも触れていただきましたけれども、私どもの国会の審議の経過をずっと今までたどっておりますと、これ、実は平成十三年の十一月に今度問題になりますテロ特措法に基づく国会承認の案件が出されたんですね。これは、行動して二十日以内に出さなきゃいけないという国会承認がありますから出されました。そのときには、民主党と与党が賛成していただいた、民主党賛成していただいたんですね。これは、国会の法律そのものには事前承認が必要だということで、先ほど総理おっしゃったように反対したんですけれども、この国会承認という事項に至って、民主党さんは海上自衛隊の対応措置について承認されたんです。そのときの理由として、民主党の国会レポート二〇〇二というのがあるんですね。このときにこう述べているんですね。海自の活動は憲法の枠内であり、武力行使と一体化しないと判断し承認したと、当時はこういう御判断だったんです。今、これがどう変わってきたかと。
 それから、このテロ特措法の基本計画の延長に伴う法改正が三回あったんですね。十五年の十一月、十七年の十月、十八年の十月、ごく最近ですよ、十八年の十月、三回やったんですが、民主党は反対されたんですけれども、この理由は、決してこれ活動自体が憲法違反だというような理由じゃないんですね。この活動についての具体的成果について詳細な説明がないと、こういうことで御判断、反対されたという経緯がありますので、今ここに至って憲法違反だということを正面からもしなさるとなれば、これ、与野党の合意というのは非常に難しくなっていく、その中での政府の法案決定であり今後の国会審議になると、こんなふうに思います。
 次に、小沢代表、そして民主党の主張のもう一つが、国連の平和活動は、たとえそれが武力の行使を含むものであっても、日本国憲法に抵触しない、ですから、私が政権を取って外交・安保政策を決定する立場になれば、ISAF、国際治安支援部隊への参加を実現したい、また、スーダンについてはPKO部隊にも当然参加すべきであるという、こう主張されておるんです。
 ちょっと官房長官外されたんで石破防衛大臣に伺いたいんですけど、このISAFへの参加、あるいはスーダンのPKO部隊へ積極的に参加していくというこの民主党の今の見解についてどのような御判断ですか。

○国務大臣(石破茂君)
 お答え申し上げます。
 これは、私も小沢代表から直接御教示をいただいたことがございませんのでよく分かりません。物の本で読むだけのことでございますが。
 ただ、今までの例から申し上げますと、このテロ特措法が出ましたときに小沢代表は民主党ではなかった。自由党であり、自由党の党首として反対をされた。そのときに一つの法案が出ています。国の防衛及び自衛隊による国際協力に関する基本法案、このような法律が出て、委員会において審議もなされています。この法案が出るということになれば、今までの憲法に関する考え方を変えるのだという質疑がなされている。つまり、法案の提出者である方からその旨答弁がなされている。集団的自衛権はこれを認めるという答弁がなされており、集団的自衛権を認めるからして、そのような活動に参加することも可能になるのだという答弁がなされております。これは、どうぞ民主党におかれましても、そのときの他党のことだとおっしゃらずに議事録をよく御確認をいただきたいと存じます。
 そうしますと、今までの憲法解釈を変えるのだ、集団的自衛権は当然合憲なんだ、そしてまた、国連が決議をすれば武力の行使というものは容認をされるのだ、そういう理屈の構成になるのだろうと思います。かくあれかしということではなくて、この国は何度も申し上げますように法治国家でございますから、総理大臣あるいは私が総理になったらという方が、自分が総理になったらこうするんだというだけでは、それは法的安定性が全く欠くことになりますので、こういう法律を出すということになるんでしょう。恐らく、きっとこれがそういう法律なのではないかというふうに私は推論をいたします。だとするならば、民主党さんの中でこの法律が議論をされ、それが明日の内閣の閣議という場で決まり、このようにして論理を組み立ててやるのだということであれば、それはそれでよろしいのだと思います。
 ただ、私は申し上げたいのですが、このISAFというのは多くの犠牲を伴っております。アメリカでも数百人の死者が出ています。ドイツでも二十人死者が出ています。アメリカであれドイツであれ、武器の使用基準は国際スタンダードでやっているはずです。国際スタンダードで武器の使用をするという基準が認められながらも、百人あるいは数十人単位の兵士の命がそこで落とされている。
 私どもの自衛隊を仮にISAFに派遣をするということになるならば、武器の使用基準はどうするのかという議論をきちんとしなければならないでしょう。そして同時に、どういう装備を持っていくかということもきちんとしなければならないでしょう。自衛官というのは、事に臨んでは危険を顧みず、身を挺して職務の完遂に努め、もって国民の負託にこたえる、そのような誓いをした人々でありますが、そうであるだけに、出すとするならば、仮にそういうものに出すとするならば、我々はどういう武器使用権限を与えるのか、どういう装備を与えるのか、そのことを政治としてきちんと議論しないままISAFに行けとか、そのような話は私は政治としてあるべきだとは全く思わない。
 以上です。

○佐藤昭郎君 もう一つ、これは石破大臣か、通告ないんですけど、外務大臣に答えられるかもしれませんが、もう一つ、国連決議に基づけばこういった活動には参加できるという、国連中心主義といいますか、国連が行うものに関しては思い切って今の憲法解釈も変えていくというこの国連中心主義に対して私はちょっと危惧を持っているんですね。
 これは、さきの我が国の常任理事国入りに対するいろんな問題、北朝鮮の拉致問題、いろんなことで、必ずしも我が国の求める立場と国連、これは、国連というのはもう御案内のように第二次世界大戦の戦勝国、英、米、フランス、ロシア、中国が決定権を持っている安保理、これで決まっていくわけでございますけれども、この国連中心主義というのは、例えば、周辺事態法が予測している北東アジアへの危機的な状況が生じたときに、国連の言うこの集団安全保障というのが、これは常任理事国五か国で決まりますから、機能するのかどうかという一つの危惧があるんですね。極端に言えば、やっぱり国連に我が国の平和と安全をゆだねてしまうのは危険じゃないかと。やはり、我が国は国連をしっかり活用と言ったら語弊があるかもしれませんが、しながら日米同盟に基づいて我が国の平和と安全を確保していくべきだと、こういうふうに思いますけれども、この国連中心主義という考え方に対してどのようにお考えですか。外務大臣、ひとつ、通告はありませんが。

○国務大臣(高村正彦君) 国連中心主義というのはいろいろ幅がありますから、国連中心主義が悪いということは申し上げませんが、国連の決議があれば武力行使もいいんだよというのは、我が国政府が一貫して取ってきた考え方と相入れないということだけは確かであります。国連がもっとちゃんとした体を成して、もっとですよ、そして正規の意味の国連軍ができて、自衛隊が出たとしても、完全にその主権国家としての行動ではなくて、完全に国連の指揮の下に入った典型的な国連軍ができた場合にはいろいろな考え方があり得ると思います。
 ただ、今、国連決議があって、そこに主権国家たる日本が自衛隊を出して、そしてその中で活動をするのに、これは国連の活動だから武力行使しても憲法違反にならないと、こういう考え方は私は取り得ない考え方だと。政府はそういうことは一貫して否定してきております。
 そして、今、この北東アジアで日本が大変な事態になった、武力攻撃を受けた、そういうようなときに当面役に立つのは国連かアメリカかといったら、明らかにアメリカだと思います。

○佐藤昭郎君 外務大臣、ありがとうございました。
 石破大臣にもう一つ、これはまあ官房長官が答えられるのが適当かもしれません、もう一つお願いしたいんですけれども。
 先ほど、今回の新しい新法において、海自の活動の元々の性格付けですよね、これは小沢代表は単なる米国の戦争の支援、そうじゃないということを先ほど様々な活動を通じて言っていただきましたね。そして、政府の骨子によると、国連の要請にこたえた加盟国の協力によるテロとの戦いという、これがありまして、カルザイ政権ができて、その後一種の警察活動ですか、それに対する支援ということになったんですが、この米国に対する支援じゃないんだということを、私は、補給、油の補給ですよね、これずっと幅広くなさっておりますよね、各国に対して。こういうものもひとつ、もしフリップ等あればどういう国々にどうやって補給をされておったのかというのをお示しになって、決して米国の、先ほど活動はずっとありましたけれども、海上補給活動の給油活動自体も米国だけじゃないんだと、何行っているんだということをひとつ、もし国民に説明していただければ有り難いと思いますが。

○国務大臣(石破茂君)
 お答えを申し上げます。
 もう一度この、お手元にお配りをしておりますので、グラフをごらんをいただきたいわけでございますが、量と回数に分けて御説明を申し上げますと、この紫色というんでしょうか、この色がアメリカに対してしました補給量の推移でございます。アメリカに対しての補給量はずっと減る傾向にあるわけでございます。
 では、他方、アメリカ以外、例えて言いますとドイツあるいはフランスあるいはパキスタン、そういうような国々でございますが、アメリカ以外の国に対する補給というのは当初はもう二%ぐらいしかなかった。これはパーセンテージで見ますが九八対二、圧倒的に違うわけですが、これずっと推移しまして、平成十九年度でいえば約七割、六六%でございますが、六六%の補給量がアメリカ以外になりましたということが量ベースで申し上げるとこうなります。
 では、回数ベースでやるとどうなるんだ。これ、何で量ベースと回数ベースを分けるかと申しますと、アメリカの船は大型の船が多うございますが、そのほかの国の船は比較的小さなものもございます。フリゲートとかそういうものもございますので、じゃ回数でやるとどうなるんだということになります。
 回数でやりますとこれもっと顕著になりまして、これ最初は九八と二というふうにアメリカが圧倒的に多かったわけでございますが、これ近年になりますと、回数ベースでいえばアメリカ以外が八割、アメリカはもう一五%ということでございまして、回数からしますと、アメリカ以外がほとんどであるということでございます。
 特に、パキスタンの船というのは日本の補給がなければなかなか活動をフルにやることができない、そしてこのパキスタンは唯一のイスラム国であるということを我々はよく認識をすべきなのだと思っております。
 もちろん、指摘がなされておりますように、パキスタンが補給艦を持っていないわけではございません。パキスタンも二隻かなり大型の補給艦を持っております。しかしながら、その補給の能力あるいは補給される油の、別にハイオクとレギュラーがあるわけではございませんが、船の中でそれを浄化するというシステムが異なっておりますので、やはりきれいな油でなければ古いガスタービン艦は動かないということがございまして、満足には、そしてまた、日本の高度な補給技術、そしてこれは国民の皆様方の税金によって賄っていただいておるわけでございますが、財政の苦しい国にとってみればそれが無償で補給されるというのはこれは大変なことなのだと思っております。唯一のイスラム国でありますパキスタンが参加する上において、日本の補給というのが大きな意味を成しているということもどうか国民の皆様方に御理解を賜りたいと思っております。
 以上であります。

○佐藤昭郎君 政府は、十月五日にこの新法の骨子をお示しになりましたね。今度閣議決定をあさってに控えております。それで、町村官房長官に、今度はこれ新法で出されるというふうに、新法ですね、ですから、我々に御説明いただいたこの骨子について、報道でも報道されておりますから、国民の皆様にもどういう法案を今作ろうとしているのか、特になぜ新法なんだろうと、活動はどういうふうに限定していくのか、それから我々参議院にとって非常に重大な問題でありますこの国会承認、これどう考えているか、この点について御説明していただきたい、このように思います。

○国務大臣(町村信孝君) 今、委員から新しいテロ対策特別措置法のお話をいただきました。
 先々週の金曜日に、我が党の国対、国会対策委員長の方から野党の国会対策の責任者の方々にその骨子をお示しをしたところでございます。そして、衆議院、また参議院の予算委員会が行われ、今週水曜日まで参議院の予算委員会が行われるわけでございますので、でき得べくんば、そうした審議の中から更に政府として取り入れるところがあるのではないだろうか、そういう思いから、新しい法案の閣議決定はこの参議院の予算委員会の審議が終わった後に政府として法案の閣議決定をしたいと、こう考えているところでございます。
 今更言うまでもございませんが、テロとの戦いはまだまだ続くわけでございまして、したがってその戦列から日本が離れるわけにはいかないという大前提があるわけでございます。そういう中で、いよいよ十一月一日に現在のテロ対策特別措置法の有効期限が切れるという条件を考えたとき、どういう法的枠組みでこれをやったらいいのかなと、いろいろ議論をしました。その結果として、私どもとしては、この際、活動内容を限定をする、そういう新しい法律の方がいいのではないだろうかというふうに判断をしたものですから、去る十月五日に各党にその骨子をお示ししました。
 じゃ、その新法案の中身はどういうことかということでございますが、現在、協力支援活動でありますとか、あるいは捜索救助活動でありますとか、あるいは被災民の救援活動、この大きく分けると三つの活動ができることになっております。そして、自衛隊の派遣先の外国の範囲というものもあるわけでございますが、今はそれらをいずれも国会承認で、事後承認でございますが、その具体の中身は国会承認という形で言わばシビリアンコントロールというものを確保しようということにしております。
 今回、新しいテロ対策特別措置法では、その活動の中身を協力支援活動の中でも補給、特に油と水に限定をすると。これ、現在承認をいただいている中身そのものを今回は法律に書こうということであります。それから、派遣先も、どの外国の範囲であるかということについても、これも今は承認事項でございましたが、これを法律で書こうということにしてございます。
 そういうことで、現在のテロ対策特別措置法の国会承認事項はすべて、すべてこの法律の中にはっきり書き込みます。限定をいたします。したがいまして、私どもは、シビリアンコントロールという観点から、改めて国会の承認を得るまでもなく、この法案審議そのものが現在の国会承認と全く同等であるということを御判断をいただければ、改めてこの新法に基づく国会承認というものは不要ではないかと、このように考えたわけでございます。

○佐藤昭郎君 この今御説明のあった骨子に基づく法案、これ、これから参議院の審議を通じて政府は酌み取られて決定されていくわけでありますけれども、私の参議院としての率直な思いから申しますと、この国会承認というのは、確かに今大臣がおっしゃったように全部書き込むで私はいいと思いますが、ただ、この野党が多数を占める参議院、このある意味では無能力化と言ったら語弊がありますが、これは国会承認事項というのは法案と違いまして、否決された途端に、例えば自衛隊の対応措置、自衛隊帰ってこなきゃいけない、強大な権限を参議院に与えるんですね。
 そのときに、政府として、先ほど総理がおっしゃったようにこれは何としてでも国益を考えて給油活動を続けなきゃいけない。そのときに、このシビリアンコントロールという点もありますけれども、国会承認を残したとすると、大変な議論をして国会で議論をした後、自衛隊が活動出て二十日後に帰ってこなきゃいけない、また国会の議論を経て給油作業が中断される。これは、政府・与党としてこの活動を継続するという意味から無責任ではないかと分かってながらと。もしですよ、野党諸君の意見が先ほど申したように原理的なところで与党と食い違うならば、これは非常に与党として悩ましいところだと。
 私は、ぎりぎりまで御判断され、この新法の提出、そして国会審議、修正、いろんなものがあると思いますが、ぎりぎりまでひとつ、この国会承認事項というのは問題になると思いますが、私の今の率直な気持ちといたしましては、もし今の対応が硬直したものであれば与党としてやむを得ないんじゃないかと、こんなふうに思います。これは御回答要りません。ひとつ十分考えて最終的な決断をしていただきたい、このように思います。
 さて、提供燃料についての論点、先ほど私、これ大した問題ではないと申し上げました。なぜか。今、衆議院の予算委員会で議論になっておりますけれども、この自衛隊の「ときわ」から補給された燃料がアメリカの補給艦に補給され、そしてそれがキティーホークやハミルトンなどの艦船に補給された。このアメリカの艦船というのはOEF―MIO、つまりテロ特措法の活動以外に、OIF、イラク作戦にも使われたんじゃないかということで厳しい追及を受けているんですけれども、私は、そしてこの観点で、民主党の方は、様々な資料、これは各七百七十七回の補給の全部の状況、航泊日誌まで要求されて、そして相手側艦船の行動、これも出していただきたい。まあ、防衛省に伺いますと、これ多分一万ページ、一メーターぐらいの厚さになる資料を要求されておるんですね。
 私は、この問題は議論をしていっても水掛け論に終わるんじゃないかと。その場合、我々が大事にすべきは何かといいますと、この艦船の補給というのは交換公文でまず決めておるんですね、相手国と、二十か国との交換公文で、この補給された燃料はテロ特措法の趣旨に従ってきちんと使ってくださいよと、はい分かりましたということで決まり、そしてそれぞれの自衛官が大変な御苦労をされて確認して補給されておる。
 そして、この際、テロ特措法、そしてこの基本計画の概念では、補給されたアメリカ側の艦船が、あるいは二十か国の艦船がOEF―MIOに活動していた場合は自衛隊が補給された燃料を使ってくださいと。しかし、キティーホークのような大艦船は大変な作戦を持っておりますから、まあデュアル作戦といいますか、OEF―MIOにもやりますし、イラク作戦にも従事したかもしれない、いや、したでしょう。しかし、そのときに自衛隊の補給された燃料が絶対に使われてないという確証もこれは難しいんです、油に色付いていませんから。しかし、イラク作戦に使ってないという証明もまた難しいし、極めて、しかしこの問題は実は、根本的なことからいうと些事なんですね。
 つまり、今の自衛隊の活動自身が憲法違反だとしたら、膨大な作業をして、諸外国の様々なことを利用して証明して、この米軍の活動の燃料が、米軍じゃない、自衛隊の補給した燃料がどこに使われたということを証明したとしても、根っこのところから、自衛隊が活動すること自身が憲法違反だということで言われましたら、これ様々な、まあ石破長官も非常に御努力なされて、クリアな説明をしようとして努力していますけど、まあ無駄なものになってしまうと、私はこう思うんです。
 特に何か御意見がございましたら。

○国務大臣(石破茂君) 私どもが、例えば「ときわ」からアメリカの補給艦に補給をします。あるいはアメリカのいろんな艦船に補給をします。今委員御指摘のとおり、交換公文をまず結んでいるということがある。つまり、日本とアメリカであり、あるいはほかの国でもそうですが、これは日本の法律で決まっているオペレーションですと、だからこの油はそれ以外に使わないでくださいねという、お互いがそういう了解をした交換公文という歯止めが一つある。
 じゃ、交換公文さえありゃそれでいいのかといえばそういう話ではなくて、船がやってきて、レギュラー満タンとかそんな話じゃ全然なくて、一体何に使うんですかと、どれだけ使うんですか、そのことについて、連絡調整官というのがおりますが、それが、じゃ、どれが相手方の船であり、それがどういう作戦に従事をするのであり、そのためには一体どれぐらい必要なのということをきちんと聞いた上で補給すると。こういう二重の歯止めが掛かっておるわけでございます。
 で、ここから先になると、もう信用するしないの世界になりまして、そこまでやってもとても日本政府は信用ならないのであるとか、そこまでやってもとても合衆国政府は信用ならないのであるということも、まあ議論としてはございますんでしょう。
 そうするとどうなるかということになりますと、今委員が七百七十七回という御指摘をなさいました。これはその後少し回数が増えておりますけれども。いずれにいたしましても、私どもが補給をいたしましたものにつきましてどのように使われたのか、私どもが補給をいたしました油がアメリカの補給艦に行きまして、それがまた航空母艦に補給したとします。これ、量は出てきます、どれぐらいというのは出てきます。じゃ、その油をOEFに従事している間に使い切ったのだろうかという計算は、それは計算としてできることなのでございます。例えば、イラク戦争というものが始まりました時期、それまでに使い切っておれば、それはイラク戦争という概念がそもそも出てくるはずがないということになりますわけで。
 ただ、これ、車の燃費でもそうなのですが、何キロで走るかによって燃費は全然違うわけですね。一番経済的な走り方をする場合と最大戦速で使う場合と、あるいは発進準備中とか、いろんな作戦によって燃費は全く違います。そのときの気象条件によっても全く違います。そういうようなことを全部子細に調べて本当にOEFに使われたかということは、それは私ども政府として、それはもう資料は一メートル以上になります、ページ数にすれば何万ページ、それは全部英語で書いてあるわけですから。
 難しいのは、日本の中のものであれば防衛大臣あるいは海上幕僚長、それの権能においていろんなものを見ることはできます。ですけれども、相手の国のあることだということです。アメリカ合衆国の資料だということです。そして、それが軍事オペレーションにかかわるものだということです。よその国のものであり、そしてそれが軍事オペレーションにかかわるものであり、そしてまた、それをすべて開示をすればいいではないかと言う方がありますが、軍事情報をすべて開示している国なんて世界じゅうどこにもありません。自分の国の議会に対しても出さない、そういう情報は必ずあるんです。世界は日本を中心にして回っているわけじゃございません。
 相手の国がこれは出せる、出せないというのがある。しかしながら、我が国において、国会においてとにかくこのことをきちんと示せというふうに御指摘を受けておって、我が日本政府としてきちんとした御説明をせねばならぬ、合衆国もそこは御理解をいただいて、これは正直言ってさんざんなやり取りがございました。その上において、合衆国としては今、誠心誠意可能な限りの情報を出していただいている。その下に私ども、分析をし、先般、キティーにつきます議論はさせていただきました。あるいは、そのほかの御指摘につきましても私ども政府として誠心誠意御説明をいたしたい。
 それは、委員がおっしゃいますように、そもそも憲法違反だと、そもそも駄目なんだというお話になれば、どんなに努力して資料を出したって一緒じゃないかと言われれば、それはそうかもしれません、そうであるかもしれません。ですけれども、それを出さない限り議論にならない、それを出さない限り憲法上どうであるとか、これがどれだけ国益にかなうものであるとか、これが日本の国際的に果たすべき責任であるとか、そういう議論は資料を出さない限り一切しないということであるとするならば、それは資料を出すということは私どもの責任だと思っております。そのことは政府としてこれはきちんとやっていかねばならないが、その上において、本当にこれが憲法との関係でどうなのか、日本の国益にどれだけかなうものなのか、もしやめたとしてどのように国損を生じ、どのような利益が得られるのか、そういう議論はきちんとしていただきたい。
 そのためにも私ども、情報公開のために、これは当然のことでございますが、だから情報公開をすると言っているつもりはございませんが、その議論をしていただくためにもきちんとした情報公開をさせていただきたい。そのために全力を挙げておるところでございます。
 以上であります。

○佐藤昭郎君 ありがとうございました。
 テロ特措法について審査を続けてまいりましたけれども、持ち時間の方が少なくなってまいりましたので、私の得意分野といいますか、農林業政策、そして地域振興政策の方に移らせていただきます。ありがとうございました。
 総理、総理が所信表明でもこの農林業重視、地域振興をしっかりやっていくんだということを触れていただいて、代表質問等でもお答えいただいた。私は、これは非常に地域の方、農林業の方、これは余り過去の内閣のことは言いたくありませんけれども、これだけ触れていただいたということでやっぱりすごく勇気付けられるというか、総理がそこまで考えていただいたんだなということで勇気付けられるんですね。
 今日はテレビが入っておりますので、農林業政策と地域振興政策について総理の懸ける決意と思いをひとつ十分お話ししていただきたい。

○内閣総理大臣(福田康夫君) 我が国の農林業、農山村というのは、これは国民に食料を供給するというだけの機能ではないんです。地域の文化の継承とか、そしてまた農村景観を保存するといったような多面的な機能も持っておるところでございます。こういうような農林業とか農山村が持つ潜在力を引き出していくということは、地域を再生し、そしてまた安全で豊かな国民生活を実現するというための基本であるというように考えております。
 将来にわたりまして国民に食料を安定的に供給していくというためには、意欲ある担い手に支援を集中、重点化するということによりまして力強い経営を育成をしたいということがございますが、都市と農山村の交流の推進、地域の環境保全に向けた先進的な営農活動に対する支援などによりまして農山村の活性化を図るということをし、また、総合的に政策を展開して農山村の本来持つ機能を有効に活用してもらいたいと、こう思っております。
 また、地方再生の課題という観点からも、地方の切実な声にこれまで以上に耳を傾けて、自立と共生という改革理念の下に、地方と都市とがともに支え合う考え方に立つことが重要であるというふうに考えております。
 政府としては、地方の再生に向けた戦略を一元的に立案し実行する、そういう体制を先週つくりました。地域活性化統合本部でございますけれども、そこを中心といたしまして、関係閣僚によりまして、緊密な連携の下に、十一月の中旬を目途に農林業振興を含めまして総合的な戦略を取りまとめて、地方再生への構造改革に政府を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。

○佐藤昭郎君 ちょっと質問の時間的な配分がありますので、一問先に飛ばしまして、この農村地域における社会資本整備の重要性という点について政府の見解をただしたいと思います。
 ちょっとフリップを、お手元にこの日本水土図鑑というものもお配りいたしました。それから、先生方の手元には、それのデータイメージとして拡大したそれぞれの地域の拡大図、これを付けていただきました。そして、日本疏水百選というパンフレットも付けていただきました。これ、テレビにはっきり映るかどうかちょっと心配なんですけど、これは日本全体の水路、水と農地、土、森林、こういったものをGISでデータ化して入れたんですね。
 ですから、グーグルアースのように一か所焦点を当てるとぐっと大きくなっていく、好きなところを十分に見ていける、こういうもので、これは農水省が数年前に作ったんですけど、これを見てまいりますと、いかに日本は森林が多いか、そしてまた平地が少ないけれども、この平地において、赤がこれ水路、そして空色が排水路なんですけど、これが毛細血管のように入っているんですね。そして、それぞれの地域、このお手元の利根川の下流域を拡大した図面を見ますと、それぞれの地域の用排水路というのがあり、またそれを管理していただいている。
 地球温暖化、気候変動、いろんな問題の中で、この水路、これ四十万キロあるんですね。堰やダム、ため池、ため池は二十二万か所、それから堰や揚排水機場というのは六千八百か所あるんです。この管理もまた非常に社会資本整備の重要な目標であって国土保全なんですが、これが非常になかなか難しくなっている。農林水産公共というものは大いに削って所得補償に持っていけというような議論もありますけれども、農林大臣、こういった農村地域の社会資本整備、そしてまた交通ネットワークも通信ネットワークもあります、こういった点についてのひとつ充実、重要性とこれからの方針についてお答えいただきたいと思います。

○国務大臣(若林正俊君) 農政の大転換、新しい農政改革の方向性につきましては、先ほど総理からお話をさせていただきました。つまり、産業としての農業と地域を支えている農村地域と、そういう地域は両面、二面を車の両輪として総合的に進めなきゃならぬと、こういう認識に立っているわけでございます。
 委員が御指摘になりました、農地や農業用水などのいわゆる農業上の社会資本というのは、正に産業としての農業が成立するためにも、また地域が活性化するためにも欠くことのできない社会資本だと、このように認識をいたしているわけでございまして、農地や農業用水というのは、そういう農業を発展させるために先人が血のにじむような努力を通じて大変長期にわたって投資をし、今日の姿をつくり上げてきた社会資本だと、このように考えております。
 委員がお話しのように、もう毛細血管としてのその整備を見ますと、四十万キロメートルに達する農業用水ということをおっしゃっておられますけれども、これは地球にすれば十周に相当するようなもう大変長い距離でございます。これらは地域だけではなくて、国民全体の食料の安定供給あるいは国土環境保全など多面的機能の発揮のためにも不可欠な社会的基盤でありますとともに、これらを支える農村の活性化についても非常に重要な役割を担っていると考えるわけでございます。
 長年にわたり整備保全されてきた農地、農業用水などのストックを良好な状態で次の世代に引き継いでいくということが必要でありまして、農業水利施設の更新整備といったこと、また農地の整備保全を推進していくには、これは我々の大きな責務だと考えているわけでありまして、今後とも事業の重点化、効率化等を図りながら、事業の着実な推進に努めていかなければならないと、このように考えております。

○佐藤昭郎君 大臣も述べていただきましたけれども、お手元にこの疏水百選という資料も配らしていただきました。総理の地元にもこれに含まれた歴史的な用水、ずっとありますね。名水百選というのはなじみがあるんです。疏水百選というのもまあやりました。正に地域の歴史、文化、これを担っているわけですので、ひとつこれとかも考慮しながらよろしくお願いしたいと思います。
 それで、増田大臣にちょっと伺いますが、やはり今の社会資本整備の中の大きな問題点というのは地方負担なんですね。総理も公共投資の地方負担については見直していきたいというお話ありました。県、市町村、この財政が厳しいために様々な手当てが必要なのが放置されつつある、大変な問題なんですね。
 公共投資の地方負担について、充実していくというお考え、ひとつ述べていただきたいと思います。

○国務大臣(増田寛也君) お答え申し上げます。
 地域が様々な事業をする場合、まあ公共事業におきましても必ずこの地方負担というものが必要になってくるわけでありまして、この地方税財源、ここが不足をしておりますと本当に必要な事業を打つことができないと、こういう状況にあるわけでございます。
 そこで、私ども、やはりこうした地方財政をもっと充実をしないと疲弊した地域が生きていかないと、こういう思いでございまして、その際には、やはり一般財源としての地方交付税、それから地方税収、この安定確保を目指していくと。そしてまた、各地域の偏在等の問題もございますので、これも併せて偏在是正の措置をとっていく、こういうことでいかなければならないと、このように考えております。
 様々御指摘をいただいておりますので、今、中で検討中でございますが、今後も鋭意地方財源の拡充に努めていきたいと考えております。

○佐藤昭郎君 ありがとうございました。
 午前中の時間も迫ったようでございます。ひとつ午後には、民主党と自民党のこの農業政策の比較、見解等についても質疑を進めてまいりたいと思いますので、よろしくひとつお願いしたいと思います。
 ありがとうございました。

○委員長(鴻池祥肇君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。

 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会

○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。佐藤昭郎君。

○佐藤昭郎君 午前中に引き続きまして農林水産政策について農林大臣の所見を伺いたいと思うんですけれども、ちょっと午前中言い足りなかったところがあるんですけれども、この四十万キロの水路ですね、毛細血管の、二十二万か所のため池、六千八百機の機場、機場というのはポンプ場ですよね。それでかんがい排水を行っているわけですけれども、これは決して自然にやっているんじゃないですね、人手を掛けてやっているんです、日本の場合はね。具体的には、これ六千という土地改良区がここ管理をなさっているわけですけれども、非常に今経営が苦しい。これは農家の自主的な組合ですから、公的助成は運営費に関して一切受け取っていない、賦課金で賄っているわけなんですね。
 そういうその、まあ何といいますか、公の活動に対する、非常に難しくなってきている。少子高齢化もあります。過疎化もあります。したがって、この公的な活動に対している部分に対して、やはりある程度公的な支援をしていく必要があるんじゃないか。財政厳しいですから、事務費なんてこと言いませんけれども、活動に対して何らかの我々の活動が勇気付けられるようなものをないかということを改良区の方がよく言われるんですけれども、大臣、いかがですか。

○国務大臣(若林正俊君) 午前中にも概略お話しいたしましたけれども、日本の農業というのは中世から近代、そして現代に至るまで水田農業を基本にしているわけであります。やはり、農業には水がどうしても必要でありまして、その水をどのように確保し、そして利用していくかというのが日本農業の根本だと思います。そういうこの水の利用をめぐって水争いその他いろいろなトラブルも過去において発生してきたわけでありますが、そこは地域の農業者の知恵によりまして、その土地改良区を中心に水の利用調整というのをずっと行ってきている、そういうシステムであります。
 しかしながら、御承知のように、兼業化がどんどん進んでいく、離脱農をする人たちが増えてくると。農村地域におきましても農業で生活をしているという人たちの数がうんと少なくなってきておりますが、その土地改良区を維持し、そしてまた有効に水を活用するというのは、今委員がおっしゃられましたように、その土地改良区の組合員がこれを支えているわけでございますけれども、その水利用というのは非農業者であっても地域で非常にその恩恵に浴しているわけでございますし、さらに、水路のみならず農道などについても言えると思います。その意味で、やはり農村地域におきましては農地、水、そして地域の環境というものを保持していくというのは地域活動によっているわけでございまして、これをただ単に土地改良区の皆さん方に負担をお願いをしてやってもらっているというだけではこれからのそういう機能が十分発揮できないということがあると思います。
 そこで、農地、水、環境の良好な保全とその質の向上を図るために地域ぐるみで行う効果の高い共同活動、そしてまた先進的な環境を考慮した営農活動に対しまして、これを助成していこうという制度を立ち上げております。農地・水・環境保全向上対策ということで、今これで三百四億二千三百万円の予算を計上をいたしまして、公的な助成をしてその活動を活発にしてもらおうということを考えているわけでございます。

○佐藤昭郎君 次に、民主党の農業政策についての政府の見解を伺いたいと思います。
 今回の参議院選挙で与野党の争点が農業政策について大きく分かれました。選挙結果から見まして、特に地方一人区では民主党の政策が有権者に支持を受けたんではないかと。しかし、この民主党の政策が実現不可能な政策だったとしたらどうなんだろうと。有権者をミスリードしたことにならないかということです。そして、この民主党の政策は、今政府がなさっておるWTO農業交渉、この政策と実は真っ向から反するんですね。ですから、政府としても、このテレビを映る場で、どういう問題点があってどうとらえているか、私は是非見解を伺いたいと思います。
 まず最初に、政権政策の基本方針、民主党の政権政策の基本方針、政策マグナカルタでは、外交・安保政策ではWTOにおいて自由化に関する協議を、これFTAも至急に結ぶ。しかしその一方で、農業政策では食料完全自給政策なんですね。この農産物の、民主党が述べられている、マグナカルタで述べられている農産物完全自由化というのは、今のWTO農業交渉で政府が推進されている政策と全然違う。どういうふうに、これは政府として受け取られるか。(発言する者あり)いや、マグナカルタにちゃんと載っております。どうぞ。

○国務大臣(若林正俊君) 委員から、農産物の自由化についての考え方を批判をされたわけでございますが、私どもの方は、今、民主党が戸別所得補償制度につきまして、先日法案の条文が明らかにされたというところでございます。その限りにおいて、まだその詳細が分かっておりませんけれども、昨年の通常国会に提出された法案に比べまして、まず第一は、米の生産調整、これは昨年の通常国会に出されました戸別所得補償制度ではこれを廃止するというふうに法律上明記されていたわけでございますが、今回は、この米の生産調整を廃止するという規定がなくなっております。
 それから次に、中山間地域等の直接支払の規定が追加されております。それらの変更が見られる一方、対象品目の範囲や補償の水準など重要な要綱が政令に下ろされておりまして、詳細は依然として判然としない部分が多いわけでございます。
 また、この法案では、国、都道府県、市町村が主要農産物ごとに生産数量の目標を設定するということになっておりますけれども、これは以前ずっと続けてきました米の生産調整のような言わば行政が生産目標、調整数量を割り当てていくというような手法ではないかというふうに考えられるわけでございます。
 今後、民主党が法案を国会に提出した際には、そのような直接支払の仕組みが可能なのかどうか、それによって日本の農業が直面している課題にこたえられるのかどうか、また、それを設計して実施したときにどんな問題が出てくるか、こういうことにつきまして制度の詳細を明らかにしていただいた上で、今後しっかりと議論を行っていきたいと考えているわけでございます。
 なお、小沢代表が国産農産物は品質が良いので自由貿易をしても心配がないといったようなことを主張をしておられるということは承知いたしておりますが、仮に農産物の自由化といったようなことになりますれば、外国の非常に競争力の強い農産物の輸入が増加をしまして、国産農産物の価格低下を招くということは避けられないんじゃないかというふうに考えているわけでございます。
 このような状況の下で、下落した市場価格と生産費との差額を農家に補てんするというふうにいたしましたとしても、差額補てんでは関税のように輸入量を抑制する機能がないこと、一定の品質、数量を確保するという観点から、例えば小麦などにつきましては外国産農産物の方が優れていると、そういう品目があることから、国産農産物の市場が奪われることとなり、食料自給率の大幅な向上を図るというその目的との間に両立させることは極めて困難ではないかということを感じております。
 いずれにいたしましても、民主党が法案を提出するということで、その法案内容は公表されているわけでございます。公表された法案に従って、私どもそれを受け止めた上で今私の所見をお話をしたわけでございます。(発言する者あり)

○委員長(鴻池祥肇君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。
 委員長から発言をさせていただきたいと思いますが、予算の執行状況に関する調査でありますので、いわゆる政府に対しての質問を重点的にお願いをしたいということを申し上げておきます。
 質問を続行願います。佐藤昭郎君。

○佐藤昭郎君 今、やじに答えてはいけませんけれども、後ろの方からこれは違うんだと。今、私は農林大臣に伺ったのは、農産物の完全自由化政策と農産物の完全自給、これは両立するんですかということを申し上げたんです。
 これは民主党のこの政策マグナカルタに、外交・安保交渉では自由化はWTO、FTAを含めて全部自由化推進して早急に結ぶと言っているんです。一方で、農業政策では完全に自給していくという、これが可能なんですかということなんです。政府は今、WTOで農業交渉をしておられますね。もし、これを完全自由化する、国境措置を全部取り払う、取り払ってしまうということになりましたら、どの程度国内農業や関連産業に影響がありますか、早急にやれば。これは私の質問です。

○国務大臣(若林正俊君) 仮に、委員がおっしゃるような形で農産物について国境措置を廃止して完全に自由化をしたという仮定で答弁申し上げますと、日本の主要な農産物のほとんどは国内生産を維持することができないという状況になるだろうと、このように考えております。

○佐藤昭郎君 私どもの試算では、この農産物は完全な自由化、これを行いますと、少なくとも農業生産では三兆六千億下がります。それから、これは地域における様々な農産物加工あるいは流通業、こういったものにもダメージを与えますので、そちらの方のGDPの減少というのは九兆円という。これを例えば、今、私質問する前にお答えになりましたけれどもね、民主党が発表されましたこの農業者戸別所得補償法案要綱です、要綱はこれ発表されましたよ。これでは、一兆円でこれをカバーするとおっしゃっておられますけど、私はとても無理なんじゃないかと、こんなふうに思います。
 それから、WTOの農業交渉で今政府はどういう方針で国益を懸けて交渉しておられるか、ちょっと質問が飛びますけれども、今この農産物自由化政策との関連でお答えいただきたい。今政府が一生懸命に交渉している最中に、僕はこういう話を海外の方から聞きました。いや、完全自由化を掲げる民主党が参議院で圧倒的多数を取ったじゃないかと、いいんじゃないかと、完全自由化は、政府はどうなっているんだという質問を実は受けたんですよ。
 その点について政府は今、WTOの農業交渉でどんなところを注意しながら国益を懸けて交渉されているか、お答えいただきたい。

○国務大臣(若林正俊君) WTO交渉におきます我が国の基本的な姿勢というのは、農産物については、それぞれの国がそれぞれの特性に応じて国内農業が果たしている役割が保持できますようにという視点で交渉に臨んでいるわけでございます。その意味で、食料の安定した供給力の確保と同時に、農業の持つ多面的な役割というものが保持できるような形でなければならないという姿勢で百五十か国以上のそれぞれの国との間の調整が長い時間を掛けて行われてきているわけでございまして、今正にそのWTOの交渉も山場を迎えている状況にあるわけでございます。
 私としては、これらの国際交渉に当たっては、我が国の農業が地域の主要な産業として食料を生産、供給しているというだけではなくて、自然環境の保全、あるいは良好な景観の形成、文化の伝承など多面的な機能を有していることを十分認識をし、経営体質の強化に向けた国内農業の構造改革の推進状況にも留意しながら、我が国農業の存立を懸けて交渉に全力を挙げて取り組んでいるところでございます。

○佐藤昭郎君 民主党の政策を批判しているばかりではいけない。我が党がどうするか、政府がどうするかについて伺いたい。
 今度の選挙で、品目横断対策、これは大改革ということで我々打ち出したんですけれども、誤解がありましたね。四ヘクタール以下は切捨てだというんですけれども、全然違うんです。これは、我が国が、我が国農業でお米に比べて非常に不利な状況にある畑作を経営している方の安定対策なんですね、畑作物ですよ。ですから、関係する農家もほぼ二十数万人でしょう。米作り農家の二百五十六万人に比べて一割以下ですよ。しかし、これが打ち出したことで四ヘクタール以下の米作り農家がみんな何か不利になるような誤解を受けたんですが、いかがですか、この品目横断対策というのを誤解を解いて、そしてより良いものにしていく努力をひとつ政府お願いしたいと思います。
 それから、時間がありませんから、もう一つ答えていただきたいんですが、お米が下がっています、今、米価が。今、この八月、九月の取引の単価でいいますと、平均で一俵当たり一万四千五百円です。米価が下落するということは、本当に農家のこの士気をなえさせ、また所得に影響を与えるんですね。私どもは、この昨年の米価に比べて八%下がった今の米価、これは確かにデフレ経済というのがあるんですけれども、何としてもとどめていかなきゃいけない。この米価下落の防止対策について大臣のひとつ御所見を伺って、私の質問を終わります。

○国務大臣(若林正俊君) 品目横断的経営安定対策につきましては、今委員が御指摘のように、これの受け止め方として大変な誤解を受けているということがございます。と同時に、しかし、北海道から沖縄までそれぞれの地域にこの課題を、制度を下ろして御理解をいただき、参加をお願いをしていく過程において様々な意見が出てまいっておりますことも事実でございます。
 そこで、この対策につきましては、この八月に私の指示で、生産現場の生の声を把握して、いわゆる御用聞き農政というのを実施するということで、四十四府県に幹部を全部派遣をいたしまして、地域の皆さんとの車座集会などを通じていろいろな意見をお聴きしてまいりました。十月の五日に一応これを終了しまして、先週、その結果を取りまとめて公表したところでございます。
 このキャラバン隊につきましては、品目横断的経営安定対策の仕組み、加入の要件、緑ゲタと言われる交付金の水準とか事務手続、集落営農の組織化とその運営、米価や生産調整対策を中心にした米政策などに対して、生産現場からは、一部に誤解もありますけれども、やはり実態から受け止めた率直な御意見が多数出てきたと感じております。
 そこで、多くの地域から今回の政策にこのような意見が出ましたことを受けまして、省内に私が本部長になりまして農政改革三対策緊急対策本部を立ち上げまして、これら生産現場の声を真摯に受け止めながら、土地利用型農業の体質の強化、国際規律に堪え得る政策体系の確立という制度の根幹となる考え方は維持しつつも、幅広い視点で検討し、可能なものは改善していく考えで取り組んでいるところでございます。
 なお、米価が今お話のありましたように昨年に比して七、八%の価格が今下落をしております。これら米価の下落につきましては、今あります経営安定対策の中で、これをどのように適用をして、この米価下落に伴う経営の損害、被害に対して対応できるか今検討をしているところでございます。

○佐藤昭郎君 これで終わりますが、米価、今一食当たり大体二十二円ぐらいですよ。消費者も、この米価を更に半分にしろ、下げてくれとは思ってない。安全、安心なおいしいお米作っていただきたいということでございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 バイオマス、バイオエタノールに対する課税問題、地球環境問題、いろいろ質問を用意しましたけれども、持ち時間が来ましたので、次回に譲ります。
 ありがとうございました。