| 第164回国会 予算委員会 第11号 平成十八年三月十四日(火曜日) ○委員長(小野清子君) 関連質疑を許します。佐藤昭郎君。 ○佐藤昭郎君 最初に、BSE問題について質問いたします。 これは、この予算、衆議院での予算委員会の冒頭に四点セットということで喧伝されたわけですけれども、これ全然、この最後のBSE問題というのは違うんでありまして、さきの三点セットは、これは関係者が悪いことをした、この最後のBSE問題と米国産輸入牛肉の問題というのは関係者は善いことをしているということでございますんで、私はこれ、今しっかり対応していただいているBSE問題について更にしっかり対応していただくようなことで質問申し上げたいと思います。 まず、このBSE問題、二〇〇一年十月からたしか我が国の全頭検査に入ったと思うんですけれども、この一番のポイントというのは、BSEというのが人にプリオンが感染していくということで、一九九六年に英国で大パニックになったわけですね。それから十年たちまして、我が国も全頭検査にして四年半たった。今のBSE対策で使われたお金というのは、ちょっと計算してみますと、農水省関連だけでこれ三千六百億超えていますね。厚生労働省や食品安全委員会を入れると、これ四千億超えている。さらに、流通や生産者全体を合わせると、これ一兆円近い大変な対応をしている。この四年半の知見とイギリスにおける知見などを見ていきますと、我が国のBSE対策というのも見直す時期に来ているんではないかということであります。 お手元に食品安全委員会のホームページ、この二枚紙、お配りいたしました、カラー刷り。これ、配っていただいているかな、行っている。 まず一ページ目は、これBSEの発生頭数とバリアント・クロイツフェルト・ヤコブ病、CJDの、vCJDと言いますけれども、この患者の発生数ですね、イギリスで十八万頭BSEが出て、vCJDが百五十九人発症した。 次の二枚目には、このイギリスを含めて世界じゅうのこのvCJDの死亡者数の推移があります。これを見ていただきますと、左側に赤の棒線がBSEの発生頭数で、これは単位が千頭ですね。年間五万頭ぐらい発生していって終息していった。一方で、死亡者数の方はピークで三十名にとどまっているわけですね。 これ、二〇〇四年の食品安全委員会の報告書の中で、人に対するこの感染のリスクというのを初めて表現した部分があるんですけれども、全頭検査が始まる前に我が国に流入したBSE感染牛のために今後どれだけのvCJDが発症するかということでリスク評価したんですね。一億二千万人に対して〇・一人から〇・九人という数字でした。今申し上げたように、この表を見ますと、イギリスのvCJDの発症数というのは百五十九人にとどまったんですけれども、そのときに食品安全委員会が一億二千万人に対して〇・一人から〇・九人将来発症するだろうと言ったのは、イギリスが五千人、vCJDがこれから発生するだろうということを前提にこういう評価をしたわけですね。全然これが四年間の知見を含めて変わってきた。 一方、食品安全委員会は、これは私、ホームページでこれ調べたんですが、この人への感染リスクについてはホームページ等では余り公開されておりません。確かに食品安全委員会の報告書は出ていますよ。 今、この時点でこういった科学的知見を集積し、先ほど申したように、このBSE対策に大変な国費や労力を投入している中、改めて国民に、今のですよ、全頭検査を行っている、そして危険部位は取り除いている、また人がこういった危険部位を食するようなことはないという新たな条件を踏まえてリスク評価をして、国民にしっかりコミュニケーションすべきではないでしょうか、食品安全委員会にお尋ねします。 ○国務大臣(松田岩夫君) 佐藤委員御指摘のように、その時々の情勢に応じて国民の皆さんに正しい理解を得るために十分な情報提供を行っていくということは食品の安全行政の上でもとても大事なことでございまして、御案内のように、食品安全委員会といたしましても、それぞれの段階で議論を公開したり意見交換会を開催したりいろいろな努力を積み重ねてきておられます。これからもそういった努力は、当然今も行っていただいておりますけれども、私としても更にそういった努力を行うように、先般も食品安全委員会の委員長を始め皆さん大臣室にお越しいただいて打合せさせていただいたところであります。 現段階で再評価というような今御質問もありましたようでございますけれども、こういった状況の中で、御案内のように、特定危険部位を除く、あるいはBSE検査をしっかり行うというようなことで、リスクが効率的に排除されていることについては既に評価においてもなされておるわけでございますが、今日現在の状況は、御案内のとおり、十七年五月に答申を行いまして、現在リスク管理機関において正にこの答申に基づいて管理措置がとられているところでございます。 したがいまして、vCJDについて、この発生リスクに関する再評価、十七年五月から見直されました国内措置による一定の科学的知見が蓄積された段階で、その必要について検討することが適当ではないかと。今日、今この段階で、すぐ再評価ということ、そういう段階には今ないのではないかと。 むしろ今のところは、この前からも申しておりますが、輸出プログラムしっかり守っていただいて、原因を究明、今一生懸命されておられます。そして、プログラムをしっかり守っていただくということが国民の食の安全という意味で必要なことであり、そういう状況が今でありますから、すぐ食品安全委員会の方でまたリスク評価そのものを見直すという事態にはないのではないかなと、今日現在はですね、そう思っております。 ○佐藤昭郎君 一定の理解示しますけどね、昨日の新聞にも、BSE、米で新たな疑い一頭ということで、日本の消費者の間で不安が高まっており、感染が確認されると輸入再開に影響を及ぼす影響ある、こういう報道もなされ、さすが中川農水大臣は関係ないとおっしゃっていただいたんですけどね。消費者は、このBSEのリスクについて、人にうつる可能性について、一億二千万人に対して、全頭検査やられる前も含めて、〇・九人、〇・一人というのは知らないんですよ。 国立犀潟病院の池田医師という方がゼロリスク探求症候群というのを書いておられます、ゼロリスク探求症候群。BSEパニックの背景だって言うんですよね。現実には不可能なゼロリスクを求める余り、リスクバランス感覚を失って、集団的なゼロリスク探求行動によって引き起こされる重大な社会問題が見えなくなってしまうという。 こういう状況ですから、どうかひとつ国民に対して正しいリスクコミュニケーションをしていただく、そのための評価をしていただくということについては検討していただきたいと思います。 次、農水大臣、伺いますが、今のような背景でかなり知見も集積されていった中で、我が国のBSE対策、随分のお金を使っていただきまして、今懸命な努力をしていただいている。ただ、例えば一つ肉骨粉の焼却問題にしても、レンダリングに回されたやつについて今焼却処分して、百億を超えるお金を使っている。あるいは、トレーサビリティーを活用して、最終的には消費者の選択に任せていく、国産牛肉か、輸入牛肉か。いろんな道があると思うんですが、BSE対策について現時点でどういう見直す方向にあるのか、伺いたいと思います。 ○国務大臣(中川昭一君) 佐藤委員御指摘のように、リスク管理がきちっとされているという前提で、最終的には私は消費者の判断に任せるべきだろうと。食べるなとも、食べろとも、特に国は言うべきではないというふうに思っております。他方、このBSE発生以降、御承知のように、全頭検査をやるとか、いろんなことをやってまいりました。 そして、今御指摘のいわゆる肉骨粉、まあ肉骨粉が原因ではないかというふうにも言われておりますので、肉骨粉に関しましては、御承知のように、牛由来のものはすべての牛、豚、鶏に使わない。あるいはまた、そういうような厳しい、世界的にも厳しい措置をとっているところでございますが、先ほどの三千六百億円という御指摘がありましたけれども、この肉骨粉処理にも多大の経費が掛かっているわけでございます。十五年度で二百三十二億円、しかし十六年度は百五十二、十七年度で百三十一、そして来年度要求では百九億円というふうに、年々減少をしております。これは、一つには、飼料、肥料への利用可能な豚、鶏由来の製造と、利用が規制されている肉骨粉、牛肉骨粉の製造ラインを分離することによって牛以外の肉骨粉の利用促進に向けた取組を支援をしているということで、だんだん経費の節減もしているところでございます。 そういう意味で、牛の肉骨粉については、念には念を入れて、牛だけではなくて豚、鶏にも利用を禁止をしているところでございますけれども、交差汚染という観点も考えられますので、適切にやりながら、しかし、今経費の節減ができるところは節減をしていくという努力も大事だろうというふうに考えております。 ○佐藤昭郎君 やはり、食品安全委員会から、農水省が言うのはかなり難しい、食品安全委員会が中心になって国民に啓蒙していった、その結果を踏まえて様々な措置がとられるということなんで、ひとつ両者ともによろしくお願いしたいと思います。 次に、二点目の、世界経済のこのグローバル化と地球環境問題について伺いたいと思うんですけれども、小泉内閣のキャッチフレーズが改革なくして成長なしでございますが、将来の国の姿として、やっぱり経済至上時代から一つ地球環境時代に移っていくんだ、我が国はそれに対してリードしていくんだというような、将来の国の形の在り方としてもこの問題をとらえてもらいたい、こういうふうに思うわけですが、温暖化、エネルギー、食料、環境汚染等々の状況の中で、先進国も成長を目指す、途上国は追い付け追い越せで更に成長を目指していく、これは地球の容量を超えていくわけでございまして、この問題について、気候変動枠組みの将来の取組も含めて、また二〇五〇年問題、二〇五〇年には、今二百四十億トン出しているCO2を、六%どころかこれ五〇%切らないと地球の気候は我々の子孫に引き継げない、預かっているこの地球を、子孫から借りている地球を子孫に戻せないということになるわけでして、この点、環境庁の現在の状況、そして我が国がこの問題について果たせる役割について、お願いします。 ○副大臣(江田康幸君) 先生御指摘の気候変動枠組み条約の件でございますが、その究極の目的は、この温室効果ガスの大気中濃度を生態系また人類に悪影響を及ぼさない水準で安定化させるためには、世界の排出量を二〇五〇年から二一〇〇年には少なくとも現状の半分以下に抑える必要があるとの専門家からの意見が、また御指摘がなされております。このような大規模な削減のためには、中長期的な視点に立って、先生の御指摘のように、まずはこの脱温暖化社会の姿をどのような姿としていくかビジョンを示して、さらに次いで、そこに至るための社会変革の道筋をこれを明らかにし、さらには国内的にも国際的にもこれを共有化していくというプロセスが必要であると思われます。 こうした考え方に立ちまして、環境省では英国の、イギリスの環境・食糧・地方開発省、DEFRAとの共同で、低炭素社会の実現に向けた脱温暖化二〇五〇プロジェクトを本年二月十六日に発足させたところでございます。本プロジェクトでは、日英共同して脱温暖化社会の実現に向けた研究を実施するとともに、国際ワークショップを継続的に開催することを通じまして、世界各国とこの研究連携を図ることとしております。我が国としましても、この中長期的な地球温暖化対策のためにこうした国際的な研究活動や政策形成に積極的に貢献してまいりたいと思っております。 以上でございます。 ○佐藤昭郎君 二階経済産業大臣にわざわざ来ていただいた、一問のためにですね。中国についての問題について認識と先生の対応、大臣の考え方聞きたいんですよ。 中国、あらゆるエネルギー、環境、膨脹する中国が飲み込んでいく。今の地球温暖化ガスにしましても、中国は今一人当たり二・八トンCO2出しているんですが、アメリカは七倍の十九・七トン、日本は三倍の九・三トン。中国は、先進国が今の水準を減らさないなら我々はこれを獲得する権利があると言って頑張っている。このままいくといずれ地球は壊れるわけでございますが、訪中の大臣の意見交換を通した中国側の考え方、そして日本がどういうことができるか、こういう点について二階大臣に伺いたいと思います。 ○国務大臣(二階俊博君) ただいま佐藤議員から、経済のグローバル化に伴いこれから環境問題がいかに重要かという御指摘であったと思いますが、我々もそうした視点に立って対中国問題、エネルギー消費の急速な増大は環境問題に深刻な影響を及ぼすであろうということを懸念をいたしておりますので、中国との間には粘り強くこの問題についてお互いに協議し、またその中で日本がもし貢献できることがあれば協力していくことが、これは中国のためだけではなくて、日本のためにも重要だという認識に立っております。 我が国は、省エネルギー、公害の問題で、議員も御承知のとおり、過去大変な努力を重ねてきた。単なる努力じゃなくて、むしろ苦しみを味わってきた。そうした中で、お互いに編み出した英知を結集して、今日、省エネルギー、環境の分野では自他ともに世界一と言われるところまで技術や知見が発展してまいりました。このため、私は、この隣り合う日中の両国がこうした分野で共通の利益を見いだしていくということでお互いに意見交換を積極的にやっていくということは極めて重要であり、意義のあることだと考えておりました。 したがいまして、ちょうどいい機会に、昨年、WTO、さらにAPECにおきまして薄熙来商務部長とバイの会談をする機会がありましたので、私の側から、日中省エネルギー・環境総合フォーラムを開催する、それは日本で、中国で交互に開催していくということの提案をいたしました。 いずれも、提案の当初の段階から賛意は表しておりましたが、このことになりますと、国全体の理解、協力がなければ薄部長もこれに対して直ちに行動を起こすということは私は困難な政治情勢にあるのではないかということを心配をしながら機会をうかがっておりましたが、先般、お許しをいただいて中国訪問の機会を得ました際に、この問題に対しましては薄部長とは十分突っ込んだ意見の交換をすると同時に、さらに唐家センあるいは温家宝総理等、中国の首脳部に対しても、我々は閣僚レベルでこういうことで合意に達しておると、政府挙げて協力を願いたいと、その日は、そのときは是非、薄熙来部長にも日本にお越しを願いたいということを申し上げましたら、積極的に協力をするという首脳のお返事がありましたので、私どもは今、五月の適当な時期に開催をするということで具体的な詰めをこれから役所レベルで相談をさせていただくということに相なっております。 今後、このフォーラムの成果は、単に日中間の協力に終わることなく、このことを、先ほど佐藤議員もお話しのようなことで、国際的な分野で貢献をしていくためには、日本と中国とのフォーラムはこのような成果を得ることができた、あるいはこのような合意に達することができたということを私はできるだけ多くの各国の関係者にお伝えする、そういう努力を日本が先導的な役割を果たしていかなくてはならないのではないかというふうに思っております。 また、東シナ海の資源問題につきまして、今回の訪中におきまして中国要人との間で、東シナ海のこの海をお互いに対立の海として日中間がこれをもって緊張しておるということは私は得策ではない、したがってこれはお互いに協力の海とすべく対話を迅速に始めていく必要があるということを主張したわけでありますが、これについて中国の首脳部も全くそのとおりだということで、具体的に三月の上旬にというお話でありましたが、その後、外交ルートで御承知のとおり日程が決まりまして、三月の六日、七日、外務省と経済産業省の代表が中国に参りまして、いわゆる第四回目の局長級レベルの、局長級の会談が行われたわけでありますが、ここで何もかも結論に得るというところにまでは至っておりませんが、第五回目の会合を日本でやると、東京でやると、同時にできるだけ早くやろうということに相なっておりますので、できれば私の希望としては少なくとも今月の終わりか来月の初めぐらいに、今までのように時間を置くというんではなくて、やはり問題点をお互いに共有するというところまで議論を詰めていく必要があるというふうに考えております。 まあ、この本問題につきましては日中両国がお互いに努力をしなければならぬわけでありますが、また日中両国にそれぞれ立場の違いがあることも当然であります。我々は、そうしたことを踏まえて、日本の国益を考え、我が国の主権的権利というものを確保に万全を期しながら、同時に東シナ海を協力の海とすべく、極めて難しい交渉になりますが、それはそれでやはり英知を結集して対応すべきだというふうに考えております。 エネルギー・環境問題は、先ほども申し上げましたが、日中双方だけではなくて、これは世界的に重要な意味合いを持つ。中国の例えば公害は直ちに我々の空にも及んでくるわけでありますから、中国のことだというんではなくて、ある意味では日本のこととしてとらえていかなくてはならない。こんなケースが世界じゅうにもうたくさんの、各地でそういう状況に相なっておると思います。 我々も、それらの点につきまして、世界規模で問題を解決することができるかどうか、懸命に取り組んでまいりたいと考えておる次第であります。 ○佐藤昭郎君 二階大臣、ありがとうございました。もう結構でございます。 次に、農水大臣と外務大臣に、地球環境時代の外交の枠組み、体制というものについて意見を伺いたい。 中川大臣、御苦労さまでございます、WTOの枠組み合意が、モダリティー合意が四月末、譲許表の提出が七月末ということで、戻られたばっかりでございますけれども、これは頑張ってもらわなきゃいけないですね、もういよいよですから。 しかし、それと並行してといいますか、私はできれば変わればいいと思っているんですけれども、この自由貿易至上主義のWTO体制、これに代わる地球環境時代にふさわしい国際体制というのは何かできないだろうかと。WTOというのは、これ自由貿易マフィアと、この中で農業の多面的機能というのを幾ら力説しても、まずそばに置いておいてどれだけハードルを下げるかという議論から行っている。この点について、ひとつ農水大臣のお考えと、それから外務大臣には、この地球環境時代、持続可能な発展ということで、今の御議論をちょっと聞いていただいたと思うんですけれども、安保理改革の経験も踏まえて、日本が外交の旗印としてこれを掲げてしっかり取り組むべきじゃないかという点についてお伺いします。 ○国務大臣(中川昭一君) 昨日、ロンドンでの会合から帰ってまいりました。佐藤委員御指摘のとおり、日本のスタンス、百五十の国はすべて自分の国の国益というものを前提にして交渉をしているわけであります。当然日本もそういう大前提で交渉に臨まなければいけないと思っております。 日本は貿易立国でありますから、しかしトータルとしての更なる貿易の拡大は、日本あるいは各国にとって有利になる。そしてまた、今回は開発ラウンドでございますから、途上国配慮という大きな柱もございます。しかし、ただその売手と買手の量をただ増やせばいいんだということではないと思います。それから、貿易というものもビジネスですから、買手と売手とが対等の立場に立って主張をし合った上で量なり価格なり物が動いていくということだというのは大前提でございます。 そういう意味で、今、佐藤委員のお言葉の貿易至上主義がWTOの今回の交渉であってはならないというふうに私は考えております。例えば、ヨーロッパの地理的表示、これはもう正に文化と一体であるという、ヨーロッパのある意味では歴史とそして文化とそして誇り、こういうものを強く主張をしているわけであります。また、途上国配慮の中の一つであります、もちろん農業の発展という観点から農村開発とか農民の生計保障なんというものも、これはコンセンサスとして得られているわけでございます。 日本の場合、例えば水田が、これはもう佐藤委員は御専門でありますけれども、水田が破壊されたら保水機能がなくなるであるとか、小ちゃな国かもしれませんけれども、それぞれ豊かな自然、それぞれの特徴ある自然、あるいはまた文化、歴史が農業、漁業、林業地帯にもたくさんあるわけでありますから、これを保全することも大事であります。 そういう意味で、対等の関係と、それから各国の多様な主張といいましょうか、その主張の後ろ側にある各国のそれぞれの特徴というものを十分認識した上で、農業交渉にしてもほかの交渉にしてもやっていかなければなりません。守るところはきちっと守り、そして譲るところは譲っていくという交渉を原点として、これからの四月、七月、十二月に向けてまた頑張っていきたいと思いますけれども、交渉の何と言っても一番大事な点は国民的コンセンサスが後押しであるということも大事だと思いますので、引き続き、佐藤委員を先頭として、当委員会、あるいはまた国会、あるいはまた国民の皆様の御支援をいただきながら、決して楽な交渉ではございませんけれども、それを支えに精一杯頑張っていきたいというふうに思います。 ○国務大臣(麻生太郎君) 佐藤先生御指摘のとおりなんだと思いますが、やっぱり戦後、このGATT、いわゆるゼネラル・アグリーメント・オブ・トレードという、この例のGATTと、それとこのWTOという自由貿易のおかげで少なくとも日本はいい思いをした方です、これがなかったらこんなに発展しておりませんので。同じく発展途上国と言われる国々もそれらをうまく利用して伸びてきたというのも事実だと思うんですね。 先ほど農林大臣が言われましたように、ただ、これは気を付けていないと、何でも原理主義みたいなのがばっこしてくることになって、市場経済原理主義とか財政再建原理主義とか、まあいろいろいますでしょうか、原理主義者というのは日本じゅうにいろいろ、いろんな種類の原理主義者がこれはいるんですけれども、別に谷垣さんがそうだと言っているわけじゃないんですけれども。 そういうところをよくよく注意しておかないと、この原理主義者というのは絶えず世の中というのを不必要にわあっと話を先鋭化させますので、私どもとしてはこの点はよく考えておかないと、今も谷垣先生と話していたんですけれども、お互いさま、地方というか、かなり田舎の部分を選挙区に持っております我々としては、やっぱり田舎の風景というのは、非常に我々の情緒等々、与える影響は極めて大きいと。だから、ああいったのが、やっぱり田園風景がきれいだなと言われる国というのはすごく大事なところだと思っております。したがって、田園風景の中からあの電信柱が最も情緒をぶち壊すので、あれをまず地下に埋めてもらうのに公共工事、公共工事を使うとか、いろんなやり方はあるんだと思っておりますけれども。 是非そういった意味で、今我々、WTOだ自由貿易だとやっていくに当たって、日本が持っておりますものは、やっぱり先進国の中で優れたものというのは幾つもあるんだと思うんです。 例えば、よく言われる靖国神社とか東郷神社とか、何でしょうね、どこでしょう、ああ、あそこがそうですね、一番分かりやすいのは明治神宮だと思いますけれども、明治神宮なんて、あれはススキの原ですよ、あれは。全くあれは、代々木の練兵場の隣で全くススキの原でしたから。あれをあれだけ大きなものに、あれ全部人工林ですから。それから、神戸の山の上の六甲の山、あれ全く明治ははげ山ですから。あれが全部人工林であれまでしてきたというのが日本の、これは農林省が偉かったというわけじゃないのかもしれませんけれども、技術なんだと思うんですね、私どもから見ますと。 だから、そういったようなものというのは、神社だからというんじゃなくて、こういった先進国で、国土の七十何%を緑で保っている先進国はほかにありませんから。そういった意味では、日本というのは黙って現実問題を示していると思いますし、マスキー法のときでも、日本だけが、あの自動車の排ガス規制をクリアしたのも日本。いろんな意味で、日本という国はこういった環境技術とか緑化技術とか、そういったものをきちんとやってきた国としてのものをもう少し、我々自身が余り自覚していない人がおられるように思いますけれども、これはもう世界に冠たるものなんであって、もっと堂々と主張してしかるべきものなんだと、私自身はそう思っております。 ○佐藤昭郎君 外務大臣、それでどうですか、新しいそういった主張を主張できる国際体制づくりという点でいうとどうですか。 ○国務大臣(麻生太郎君) いろんな形で、今、国連の場の中におきましても新しくそういったような、ドーハ・ラウンドの中で、これは多分中川大臣の方がお詳しいんだと思いますが、貿易と環境委員会というのがドーハ・ラウンドの中にもでき上がったりしてきておりますので、私どもは、こういったところは大いに活用して、日本として、おれたちはこんなことをやっているんだというのをもう少し、自分たち、言っているだけじゃなくてやってきていますから、日本の場合は。そこをもっとはっきり言うというのは大事なことだと思っております。 ○佐藤昭郎君 財務大臣、お待たせしました。 この地球環境時代にふさわしい税制ということで、今、税制の抜本改革、これから取り組んでいくわけでございますが、この地球環境時代を先導する税制に変えていくべきじゃないだろうかと、例えば消費税アップよりも環境税創設と。 去年、環境部会も環境省も消費税を出したんです、ガソリン一リッター一・五円、四千九百億。しかし、十五円化石燃料に課税すれば五兆円になるわけですね。しかも、それが地球環境時代を助けていく、そういったものに私は役立つと信じているんですけれども。あるいはバイオマス由来の燃料、バイオエタノール、これに対する非課税、あるいは新エネの、エネルギーの電力問題というのがあるんですけれども、こういった環境をリードするような税制について取り組んでいくべきじゃないかと、こう思いますが、いかがでしょうか。 ○国務大臣(谷垣禎一君) 税制はいつも、いろんな世の中の変化といいますか、構造変化に対応できるように工夫をしていかなきゃならないと思っていますが、そういう我々が対応を迫られる構造問題といいますか、税として対応しなければならない構造問題の私は一つの柱といいますか、幾つか柱がございますけど、一つの柱がこの環境問題であるというふうに思っているわけでございます。 これはどういう流れかなと。もう私が委員に申し上げるまでもないんですが、環境に与える負荷というものが多様化してきているということじゃないかと思います。かつては産業型公害が主流であったと。しかし、現在では、地球温暖化問題とかオゾン層の問題、もうグローバル化した対応が迫られてきていると。そういう中で、環境を守っていくというのはただではできないんだという認識も共通のものになってきていると思います。そういう中で、環境と経済というものが両立しながらやっていけるようないろんな仕組み、税制もそういう仕組みをつくっていくことが求められているんではないかというふうに考えられている、私どもも考えているわけであります。 それをどういうふうに仕込んでいくかということになりますと、これは税だけではできません。やはりいろんな環境政策と一緒になって考えていかなければいけないと思っております。 今おっしゃったエタノールの問題等も、京都議定書の中でこれを具体的にどうしていくかというようなことを書き込んでいただいておりまして、どう位置付けていくかという議論が今始まっているわけでございますが、そういう議論と言わば歩調を合わせて、税制、どう考えていくかということを私どもも一緒になって検討していきたいと思っております。 ○佐藤昭郎君 力強いお言葉でございました。よろしくひとつお願いします。 続いて米軍再編問題、最後でございますが、日本の安全保障について伺いたいと思います。 昨日のこの委員会でも随分議論が出ました岩国の住民投票の問題、官房長官、そして防衛庁長官、お疲れでございましょうけど、よろしくお願いします。 それで、私は昨日の朝刊を見てまいりましたら、岩国移転についての総理の発言がありましたね。ぶら下がりだと思うんですけども、基地はどこでも住民投票をやれば反対だろうと、安全保障の難しいところだと、まあこの一言。まあ、ぶら下がりだったかもしれませんが、これ一言なんですね。 しかし、これは、やはり額賀長官もあのラムズフェルド長官との会談でおっしゃっているし、我々の共通認識ですけども、この米軍再編というのは、これは同盟軍の再編問題で、自衛隊に密接に絡む。そして、この再編が我が国の防衛政策の在り方、そして将来の日米関係にとっても決定する極めて重要な課題なんですね。アメリカも五年間掛かってこれ検討してきて、そして日米安全保障協議委員会の方でも三年掛けて検討して、練りに練った案を出してきた。それがこういう状況になった。確かに、住民投票については、国の専管事項で安全保障問題であるということもありますが、この大きな問題が取り組まれている中で政府首脳がこの問題に対して真剣に取り組んでいるという国民に対するメッセージ、これが少し足りないんではないかと私は思うわけでございます。 官房長官の、ひとつ今後のこの問題に対する政府としての一体となった取組について、決心をひとつお願いします。 ○国務大臣(安倍晋三君) この米軍再編の問題は、正にこの日米安保条約をより有効に機能さしていく上においても極めて重要な問題であり、抑止力を維持をし、そしてまた地元の負担を軽減を図るという基本的な考えの下に、今この米軍の再編について日米で交渉をし、また地元の皆様の御理解を得るべく誠意を持って説明をしてきているところであります。 当然、極めて重要な問題でありますから、私も総理の御指示の下、額賀長官、また麻生大臣とも緊密に連絡を取りながら、しっかりと官邸としてもリーダーシップを発揮をしながらこの問題を解決をしていきたいと、こう思っているところでございます。 もちろん、地元の御意向というのもしっかりと私ども耳を傾ける必要はあると、このように思っておりますので、我々、先般も稲嶺知事が上京された際にはお目に掛かってお話を伺いました。また、岩国の地元の関係者の方々が上京された際には、私も皆様にお目に掛かっているわけでありますし、また神奈川県の関係者の方々にもお目に掛かっていろいろとお話を伺っております。 岩国の問題につきましては、日本がこの安保条約の中で、いわゆる空母のこのプレゼンスによって抑止力の恩恵にも浴しているわけであって、この空母の抑止力について、我々、その恩恵にあずかる以上、この艦載機の問題というのがあり、そして厚木にある艦載機を今般のトランスフォーメーションでは沖合に移設をする岩国において何とか受け入れていただけないかと。そして同時に、岩国に駐留している自衛隊の海上自衛隊を厚木に持っていく。こういうことを考えているわけでありますが、しかし地元としては騒音等の問題、不安もあり、我々としてはそういう皆様の御理解を得るべく、これからもしっかりとお願いをしていく、誠意を持って説明をしていきたいと、こう考えております。 ○佐藤昭郎君 防衛庁長官、総理との調整も含めて一言。 ○国務大臣(額賀福志郎君) 確かに、今、佐藤委員がおっしゃるように、閣議後、米軍再編の問題について小泉首相と約三十分間、意見交換をいたしました。 何としても、中間報告で決められているとおり、この三月末までに米軍との間、それから地元の調整を防衛庁長官として責任を持って対応してほしいということでございましたから、私も全力投球で、日本全体の防衛と安全保障、それから基地を負担をしていただいている地域の住民、県民の皆さん方に説明をし、説得をし、納得をしていただけるように全力投球をしたいというふうに思っております。 ○佐藤昭郎君 終わります。 |