第168回国会 農林水産委員会 第5号
平成十九年十一月六日(火曜日)

○委員長(郡司彰君) 休憩前に引き続き、農業者戸別所得補償法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

○佐藤昭郎君 まず第一に、この議員立法という、しかもこの極めて難しい法案に取り組まれた発議者の平野議員、そして後ほど来られると思いますが高橋議員、また舟山議員に私、心から敬意を表したいと思います。
 この二、三日、専ら報道、メディアの中心テーマはいわゆる大連立、政権の連立などの協議、こういったことが報道されております。
 小沢代表は、報道によりますと、民主党の役員会で、大連立をなぜするか、この農業再生法案、この法案だと思いますよ、この法案の成立、参議院選挙で約束した我々の法案の成立、あるいは子育て支援法案が我々は是非実現したいんだと、こういう御発言がありました。
 したがいまして、この法案というのは、ある意味、今の政治の行方を左右する極めて大事な法案なんです。私どもも今日も役連がありましたけれども、総理の方から、できるだけ民主党提案の法案について話し合って一致点を見いだしていって、場合によってはこれはそれぞれの個別の政策協議になっていくかもしれない、やりながらひとつ一致点を見いだしてくれという私はお話がありましてそのとおりだと思います。
 そういう点で、何とか参議院において、正にこの良識の府、そして政策の専門家が集まっているこの参議院において与野党が一致点を見いだして、いいこの法案の審査ができればいいと思って、その意味で御質問に立ちたいと、このように思っております。
 まず最初に、民主党の農産物貿易政策について伺います。
 この法案、ある意味内外の情勢を踏まえた法案だというふうに思います。その点で、民主党の農産物政策というのはどうなっているかただしたいと思うんですけれども。まず、小沢代表の発言についてなんですね、どう考えられているか。
 平野発議者は、先週木曜日の野村議員とのやり取りの中で、この問題、農産物自由化というのは小沢代表はこうなんですかと、どうなんですかと聞かれたときに、小沢代表あるいは民主党は、だからといって農業の今の関税を全部下げてよいと言ったことは私は一度もないというふうに理解しておりますと、こう述べられました。他党の党首の発言を我々が調べるというのもこれは非常に失礼かと思うんですけれども、しかし例えば十八年の五月、月刊ボス六月号にこう小沢さんは述べておられます。
 民主党が政権を取ったら、米国と自由貿易協定を結ぼうと考えております。韓国や中国とも結ぶ。ただし、結ぶからには例外はなし。金融も何もかも全部自由化する。日本の農水産品の総生産額は十三兆円、全部補償したとして、たかが知れている。日本の農業は競争力がある。だから農産物を完全自由化し、輸入農産物によって収入が減った分を農家に補償したところで、ほとんどお金は掛かりませんと。
 いろいろあるんですが、もう一点だけ御紹介しますと、十八年の九月の著書「小沢主義」。自由経済、市場開放の観点から、相手が本当に自由な貿易を望むなら農産物の輸入も自由化をすべきだということをかねてから私は堂々と主張してきた。貿易の自由化によって得られる我が国のメリットはそれによって被るデメリットをはるかに上回るものであるからである。日本の農産物は、量はさておきその質としては世界でもトップクラスの水準である。したがって、価格の安い輸入農産物が入ってきてもそれだけがたくさん売れるとは限らない。すべての農産物の輸入を自由化したとしても、きちんとした対策を講じておればそれで日本の農家が困ることがないという著書がありますが、木曜日の平野議員の御発言、どうなんですか。

○平野達男君 まず、小沢代表の真意というか一番何を重点に置いているかといいますと、日本の農業、農村は守らなくちゃならないということです。
 そのときに小沢代表は、多分その著書の中で述べた背景としては、まず日本農業は守りますと、守るときに当たって、守ることは関税で守るということもあれば、場合によったら所得補償というのもあり得るんだということで、関税を下げたとしても、今の日本の農業、農村に、関税を下げて所得補償をして日本の農業、農村に影響が出ないんだということであれば、その手段もあるだろうと。
 しかし、その著書の中でははっきり言ってないと思いますけれども、関税を引き下げて所得補償だけで本当にやり切れない場合もあるいはあるかもしれません。特に、米についていえば、今、関税が一俵当たりに換算しますと二万六百四十円ですか、七七四%の課税で一キログラム当たり三百四十一円だったと思いますが、そういった課税がありまして、それが今一つの壁になって米は入ってきておりません。仮にこれを完全に例えば下げた場合にはどうなるかということにつきましては、所得補償だけで米の輸入がストップするというのはなかなか考えるのは難しいと思います。そういった場合には、この関税の取扱いというのはどうするかというようなことは、その段階でやっぱりきちっとした議論になるんだろうというふうに思っています。
 いずれ、根本は、どういう手段によってもここまで自給率が四〇%を割って三九%まで落ちた自給率、そして今農村も相当疲弊している、そういう中でそれを守るというにはどういう手段でやるべきか。他方、WTOやFTAというのもこれは推進しなくちゃならない、これはこの委員会で何回も述べましたけれども、日本は貿易立国でありますから、その推進は図らなければならない。その図る中で農産物の交渉をどのように進めていくかというのは、これはいろんな局面があると思いますが、根幹は農業、農村を守るんだということを言いたいんだと、言っているんだというふうに私は理解しております。

○佐藤昭郎君 今の御発言聞いていまして、小沢党首とこの農産物の貿易政策について本当にお話しされたことがあるのかないのか、私は極めて疑問に思いました。
 端的に、私はもう一回言いますよ、自分の著書で、私は、相手が本当に自由な貿易を望むなら農産物の輸入の自由化をすべきだということをかねてから私は堂々とやってきたと、こんなふうに述べておられるんですよ。ですから、今の……(発言する者あり)いいです、私、まだ続けますから、今の委員の説明というのはかなり無理があります。
 これは、今我々がこの政策を真剣に論議する、この法案を論議するための大事な前提として取り上げられておりますから、端的に、そういう発言は御存じでないのか、それを伺ったんですが、いろいろと御説明されましたんで、時間がありませんので次行きます。

○平野達男君 いやいや、是非説明させてください。

○佐藤昭郎君 いや、もういいです。小沢代表の政策についてはあるいは御発言については、全く事実は違うようであります。
 そこで、民主党としてはどういうふうに考えておられるのか、農産物の貿易政策。
 これは民主党の政策マグナカルタですね、これは二〇〇六年の十二月。月刊誌「世界」の誌上でも、これは安全保障条約のことでこれ取り上げられましたけれども、「世界」というのが。その中でも、このマグナカルタについて、私が述べた意見というのは私自身の意見じゃないんだと、党内で二か月の議論をして自分たちの政策をこのマグナカルタにまとめたんですということで、安保政策、例の自衛隊の国連決議があれば出していけるということを御発言になって、党内の意見ですと申し上げられた。
 そういう意味で、このマグナカルタというのは非常に大事な私は、正に大憲章ですからね、あなた方の民主党のマニフェストの基本になるものだと思うんですけれども、ここには、「外交・安保政策」の中でこういうふうな記述があります。「真の日米同盟の確立」、日米両国の相互信頼関係を築き、対等な日米関係を確立する。真の日米同盟の確立を推進するために、米国と自由貿易協定、FTAを早期に締結し、あらゆる分野で自由化を促進する。五番目として、WTOにおいて貿易、投資の自由化に関する協議を促すとともに、アジア太平洋諸国を始めとして世界の国々との投資、労働や知的財産権など広い分野を含むFTA締結を積極的に推進する。それに向け、農業を含む政策を根本的に見直すことで、我が国が通商分野で国際的に主導権を発揮する環境を整える、このように述べておられます。
 この「それに向け、農業を含む政策を根本的に見直す」というのはこの法案のことですか。

○平野達男君 まず、一方的に佐藤委員は決め付けの発言をされておりますけれども、よっぽど小沢代表を自由貿易主義者にしたいみたいですね、農産物の。そこは違うということだけは申し上げておきます。
 今までの経過で、例えばガット・ウルグアイ・ラウンドのときに、米を一粒とも入れないと言ってやった、頑張った政党がありました。だけど、今どうなっているか。七十七万トンのミニマムアクセス米が毎年入ってきています。当時、小沢代表は……

○佐藤昭郎君 マグナカルタについて。

○平野達男君 いや、だから、まず待ってください。一方的におっしゃっていますから、こちらに言わせてください。
 そのときに、米を関税化やるべきだというふうにただ一人主張した政治家は今の小沢代表です。その主張は何か。それをやった方がミニマムアクセスだって影響が少ないじゃないかと。そういうことでその関税化を主張してきた。だから、それは自由貿易だの自由貿易主義者云々というんじゃなくて、この国の農業にとって、農村にとってどういうふうにすれば一番利益があるかという判断でやっているということです。だから、単純に関税を下げれば、関税を下げるから農業はどうなってもいいんだとか農村がどうなってもいいというのは全然違います、それは。

○佐藤昭郎君 マグナカルタについて。

○平野達男君 むしろ、そうやって、そうやってですよ、あたかも、要するに、先ほどの関税化しないんだとか自由、一粒も守るんだというスローガンを掲げながら本当の部分の肝心なところをなくなってきているという事実があるということです。
 それから、じゃ質問にお答えしますが、この法案のことですかと言えば、この法案も入ります。さっきの言葉の中にその抜本的に見直すという措置とは何かと、この法案のことかという問いだったので、この法案はそこに入ります。

○佐藤昭郎君 それ以外にどういうことを考えておられるんですか。これはマニフェストで早期に締結するんですよ、米国と。それはいつまでに結ぶんですか。そして、抜本的な農業政策というのはいつまでに、FTAにこれは早期締結ですから、これに間に合わなきゃいけませんな。どういう法案を考えておられますか。いつまで。

○平野達男君 まずはこの法律を制定させたいと思っております。

○佐藤昭郎君 全く答えになっておりませんけれども。
 それでは、FTAというものに対して、米国とのFTAを早期に結ぶというのはいつまでに考えておられるんですか。そして、FTAというのをどういうふうに考えておられるか。

○平野達男君 いつまで結ぶとかというのは、この法案の、農業者戸別所得補償法案の発議者としては答弁の外の話だと思います。
 あと、最後、もう一つの問いは何でしたっけ。

○佐藤昭郎君 FTAについての考え方。

○平野達男君 FTAは民主党は、もう本当に繰り返し申し上げておりますけれども、WTOもFTAも、貿易立国たる日本、これは積極的に推進すべきだと考えております。しかし、そのために、繰り返しになりますけれども、ここまで自給率が下がった農業、それから疲弊している農村、これを犠牲にすることがあっては絶対ならないと思っています。

○佐藤昭郎君 野党といえども参議院の第一党になられたんですから、こういった外交政策に対する政策的なメッセージの発信というのは非常に慎重にやってもらわなきゃいけない。御案内のように、FTAというのはガットの最恵国待遇の例外事項です。二十四条で、これを結べば自由化しなきゃいけない、原則。いろいろな緩和措置をつくるにも十年間という縛りが掛かっている。この条項に従って相手国と交渉していくわけですから、私どもがFTAについて発言するときは極めて慎重にこれに取り組むべきだということを、繰り返し実は党としても言ってまいりました。日豪FTAしかり。ですから、米国とのFTAを早期に積極的になんということは、これは外交交渉に間違ったメッセージを与える。やはり基本的な姿勢としては、FTAというのは、特に農産物輸出国側とのFTAというのはこちらは農業サイドで失うものばかりですよ。ですから、慎重にやらなきゃいけないんです。
 この米国とのFTA、あらゆる、早期にやっていく、日豪云々、この貿易協定の締結のそもそもの考え方について、同じ考えかどうか、確認します。

○平野達男君 どうも私どもの今どういう行動を取っているか御理解いただいてないみたいなんですが、日豪FTAにつきましては当時の篠原孝、次の内閣ネクスト農林水産大臣が次のような党としての談話を出しています。
 はしょりますと、たとえ一部農産物で例外化が認められたとしても、多くの農産物の関税がゼロにされることで我が国農業は危機に陥り、関連産業、雇用へも甚大な影響を受け、地域の存立も危ぶまれる。民主党は、このような状況の中で豪州と拙速なFTA交渉に入るべきでないと考えているということで言って、日豪のFTAについては、農産物が危ないから、ちゃんと農産物に関しての条件が整備されない限りはFTAそのものには入るなということを明確に言ったんです。
 だから、FTA、WTOは推進します。だから、繰り返しますけれども、それによってこれ以上自給率の落ちた日本農業、疲弊した農村、これにダメージを与えることがあってはならないというスタンスで臨むということです。

○佐藤昭郎君 アメリカというのは、日豪よりももっと手ごわい。アメリカとFTAを結べば、当然のことながら豪州とも結ばざるを得ない。もし、そのアメリカとの貿易協定を、さあ早期に締結してというのが基本姿勢なら、今の篠原さんの発言はおかしいですよ。またこれは水掛け論になるかもしれませんが、はっきり確認して次の質問に移ります。
 参議院選挙における民主党公約です。午前中の質疑で我が同僚の市川議員が、選挙だから何でもあり、私はいいですと言われたんですが、私はちょっと違いますよ。
 この選挙の公約というのでお互いに政党が戦った。どういう選挙の公約を民主党さんは出されたか。お手元にパンフレットを配っています。この「民主党が政権をとれば」というこのパンフレット、もう当然御自分がお作りになったパンフレットだからよく見ておられると思いますね。
 このパンフレットについて、野村議員とのやり取りの中で発議者はこう言っておられますね。米がたとえ一俵五千円になったとしても、中国からどんなに安い野菜や果物が入ってきても農業は続けられますよということで、これは仮定で言っています。当たり前ですよ、マニフェストですから。それから、野村議員に対してのやり取りの中で、ここで一つはっきりしているのはあくまで仮定であって、これで農産物を自由化するなんて私どもは毛頭考えてない、この法律、山田議員との間では、この法律の前提は、米五千円に下がるということはこの法律の中で想定外の話でありますと。
 この毛頭考えてないこと、想定外のことを、この国民に対する約束、マニフェストなんかはやはりなかなか国民は読みませんよ。小沢代表も言っておられましたね、厚いのなんかだれが読むかと、自分たちの政策を端的に表すワンフレーズなんだと。米が五千円になっても補償額が一万円あるから一万五千円上がると、これがこのあなた方のマニフェストの一番のキーポイントですよ。毛頭考えてないこと、想定外のことをマニフェストの一番トップに持っていくのは、これは誇大広告じゃないですか。国民をだましたことにならないですか。消費者保護法案でこういうことを禁じられているんですよ。不当表示もそうですよ。これ全然考えてないことをマニフェストのトップに持ってくるのは不当表示じゃないの、どうなの。

○平野達男君 前回の委員会でも申し述べたとおりでありますけれども、このリーフレットの作成者はとにかく分かりやすく、とにかく効果があるんだということを、一生懸命なんだと訴えたかったんだと思います。それで、米が五千円、仮に下がったとしても、この制度を発動すればきちっとした所得補償はしますということを言いたかったんだろうと思います。
 それから、野菜については、これも前回述べましたけれども、今は農薬の問題等々あって中国産野菜は余り入ってきておりません。しかし、アメリカでは中国産野菜がどおっと入ってきて今大騒ぎになっているとも聞いています、価格が下がって。そういうことでありますけれども、こういう状況になったとしても日本の農業は守りますよということについての決意を示したものだと思います。
 その結果、様々な誤解があったということについては、我々の政策とは別として、この作成の問題についていろいろな御批判があったということについては真摯に受け止めたいと思いますが、ここ、この五千円、一万円ということについて、こういう数字と今回の法律との関係でいえば、例えば米については、繰り返し言ってきたとおりでありますけれども、外国との関係ではガット・ウルグアイ・ラウンドの枠組みを前提にしている、そういった、あとは大きな社会変動はないという前提で組み立てられているという意味において、ここまで下がるということは、この法律の制定するときではちょっと想定の外だろうなという趣旨で申し上げたとおりであります。

○佐藤昭郎君 今の御発言でまだ私は納得できないところがあるんですけれども、何かこのパンフレットは自分たちのところじゃない、だれか人が作ったんだと、そういうお考えでお作りになったと思われますと言うんですけど、これはおたくのマニフェストなんですよ。農家の方は、何回も言うように、これを見てあなた方の政策を判断して、その結果、一人区であなた方は大勝利を収められた。二十三勝六敗ですよ。人ごとみたいに言わないでください。これはあなた方の党のマニフェストでしょう、これ。(発言する者あり)もう一度、どうですか。分かりやすいと言っていますよ、今。

○平野達男君 我が党の正にマニフェストというか、リーフレットです。マニフェストは別にあります。マニフェストでは市場価格五千円とか補償額一万円なんということは書いてありません。マニフェストに書いてあることで戸別所得補償政策というのを実践すればこういうことがやれるんですよということを言ったわけであります。
 そして、このリーフレットで選挙で勝ったというお話ですけれども、これで勝ったというのは私はちょっと思っていません。それはいろいろ様々な要素があって、それでさきの参議院選挙の結果になったんだと思います。

○佐藤昭郎君 そこで、また強弁というか、マニフェストとこのパンフレットは違うという言い方をされているんですけれども、同じですよ、これは。国民はパンフレットしか、大多数の方、お読みにならない、特に農家は。そういうことで、私と認識が違います。
 さあ、このパンフレットの中で五千円、一万円の例示を挙げて、「世界の先進国並みの所得補償制度を導入します。」、そして「民主党の国会提出法案(概要)」、これがこの戸別所得法案ということですか。

○平野達男君 そうであります。

○佐藤昭郎君 そうしますと、国民は、特に有権者は、農家は、今お出しになっている法案がこの民主党の提出予定法案だと思いますよ。そして、こんないいことをなぜやらないんだと、国民は。自由民主党は反対していると。しかし、先週来聞いておりますと、あなた方が提出になった法案とこのリーフレットでお約束された法案というのは全然違いますね。
 まず、生産調整のところを見ていただきますと、これ廃止となっていますね。先週来のお話をいろいろ聞いていますと、生産調整についていろいろと言って、何か言質を取られないようなことを言っておられる。基本法案では、昨年出されました民主党の基本法案では、第四条の生産調整は第六条で廃止すると書いてあって、菅直人議員は予算委員会で若林農水大臣に、あなた方の法案の内容よく分からないけれどもと言ったら、ちゃんとこの基本法案に書いてあります、生産調整を廃止するんですとおっしゃっておられました。生産調整は廃止するんですか、このとおり、どうですか。

○平野達男君 現行の今までの問題のある生産調整は廃止するということであります。しかし、需給調整はしっかりやります。その需給調整をやる上でのメリット措置も私どもはしっかりと用意したつもりであります。

○佐藤昭郎君 生産調整で、高橋議員そして平野議員がお答えになったのは、今の生産調整についてはこれはネガだから廃止だと、我々のはポジだと、こういう御表現でしたね。今の政府のやっている生産調整、与党がやっている生産調整はポジですよ。平成十五年度から制度変えたんですよ。十四年度までのネガ、これを変えてポジになっているんです。転作、畑作物を振興するためにしか米に補償を払っていないんです。
 伺いますけれども、この生産調整、午前中も市川議員から質問ありました。米単作農家、兼業農家、小規模の農家、米を生産している農家が転作に応じて畑作物作るケースもありますが、多くの場合なかなか難しい。排水も悪い、基盤整備も悪い、手間も掛かる。で、生産目標数量の設定には参加するけれども、いいですか、何も植えない、植えられない、減反だけする、こういう米作り農家に対してこの所得補償はされるんですか、どうですか。

○平野達男君 減反だけをして、そこに作付けがされなければ、この法律では交付金は交付されません。

○佐藤昭郎君 それは、あなた方がこの全販売農家という形について今まで御説明になり、生産を奨励する畑作物と米については違うということで御主張になりましたけれども、米の需給調整する大きな柱というのは、まず兼業農家や高齢者農家のいるところは転作できないんですよ。そこに初めて所得補償制度を払うというのが今度の法案の一番の大きな柱じゃないんですか。転作じゃないですよ、畑作じゃないですよ。米に対して所得補償するというのはどういうことなんですか。

○平野達男君 米に所得補償をする、だから需給調整を前提にして各農家の毎年の作付面積が決まってまいります。その作付面積に応じて、あるいは作付け目標に応じて生産をした農家に、その面積に一定の単価を掛けた交付金を交付するということです。
 それから、先ほど来需給調整の話がございますけれども、今回我々が考えている需給調整というのは今までの需給調整とはどこが違うか。それは、参加した人が交付金を受けるということは決定的な違いなんです。今の生産調整は、今日午前中の、御質問にも答えましたけれども、生産調整不参加による過剰生産分については、生産調整の参加者が翌年度また生産を減らすことによって価格の浮揚策を取るという、浮揚を図るという、そういう制度でありまして、いわゆるフリーライダーというのが最大の問題になっているわけです。
 私どもは、米を需給調整のこの計画に参加した、つまり生産調整に参加した農家ですね、その農家に対して一定の所得をしましょうと。参加しない人がどんどんどんどん増えますと、多分場合によったら米価は下落すると思います。しかし、米価が下落したところは、そうやって参加しない農家は所得補償を受けられないから、米価の下落分は参加しない農家が全部不利益を被るんです。参加している農家は、この政策によって所得補償がされる、これがメリットだというわけです。
 完全な需給調整というのは私ら期待しません。しかし、今の生産調整は余りにもひどい、問題が多いんじゃないかと、それは問題があるんじゃないかと。それは、私がここでいろいろああだこうだと言う以前に、現場からそういう声がたくさん出ているのはもう皆さん方御承知のとおりだと思います。その現場の声に対して需給調整をしっかりやるにはどうしたらいいかという答えも私どもは用意したと、そういうつもりだということです。

○佐藤昭郎君 米だけ作っている、減反には協力する、しかし畑作物は植えられない農家、これは今度の所得補償の対象から外すということになりますと、(発言する者あり)米に対してですよ、畑作物じゃないですよ。まあいいです。いいです。それは我々の考え方と変わらないです。
 そこで、今の生産調整について、このリーフレットの中では補償の金額を載せておられますね、一万円。これは積算根拠にまた移っていくわけですけれども。平野議員はこのやり取りの中で、山田議員とのやり取りの中で、また今日の、今朝の市川委員との間で、この一万円が大体五千円ぐらいの差が出てくると、今。一万円という補償が、今の情勢では。これすらどうも今やるかどうかはっきりしないと、こう言っておられるんですね。
 そうすると、この一万円というのは、これは正に誇大表示というか、そういうことになりますか。

○平野達男君 誇大表示かどうかというのはいろいろ解釈はあるかと思いますが、要はこの政策の中身を分かりやすく説明したということで、米価が例えばここまで下がったとしても、多分この場合は目標価格的なものを一万五千円に設定したんでしょう、それで補償額が一万円だということで書いているものでありまして、これをそのまま約束しているという意味ではないということです。
 それから、先ほど来、畑作物の話がございますけれども、この法案では転作についてもきちっとした措置を考えています。
 それは、麦、大豆に対しての標準的な生産費と市場価格との差を基本とした補てんをするだけではなくて、今の産地づくり交付金のように、かつての転作奨励金ですね、そういった考え方に立って、水田において米以外の作物を作るときにおいてはまた更に一定の交付金、加算ではないですけど、交付金をそこにかさ上げするというようなことを考えているということであります。
○佐藤昭郎君 それでは、主要法律事項に関して移っていきたいと思います。
 まず、この法案の大きな柱であります生産数量の目標設定について、この点、極めて難しいんですけれども、私ども今苦労しています。何とかいい方法がないかということで検討しておるわけですが、今、先週そして今日の午前中の生産目標の設定伺っていまして、これじゃ無理じゃないかと思うわけです。
 まず、平野議員は先週でも、農家の申請による積み上げだと。現場からこう上がってきますね。市町村、県、国。そして一方、国は目標数量を定める、これ需給の動向に応じて。そして、県や市町村がそれぞれ、行政がこの目標設定していく。両方から来るんですね。この上から来る方向、私どもの生産調整は十五年にやり方を変えまして、農業者自らが、自分たちの米がどれだけ売れるか、在庫増えるばっかりですから、売れないお米作っていただいても、そこをにらみながら、ある意味、市場プラス情報、情報の方はしっかり国や県や市町村が出していく、そういう方法で移ってまいりました。これは必ずしも、今日午前中市川議員もおっしゃったように、私はなかなかいろいろ難しい問題がある。
 ただ、今ここで、この法案で提案されているような、国や県や市町村が農家のそれぞれお作りになる米、米ですよ、畑作物について、需要を想定しながら目標数量を下ろしていくというのは、これは可能なんですか。何を基準にしてお米取ってください。それぞれの産地、それから品質、値段、いろんなもので今苦労しながらお米売っているわけですよ。君のところはこれぐらいということを市場に聞かずして、行政がどうやって判断されるか、そこを伺いたい。

○平野達男君 まず、米と他の作物について分けて考える必要なんということは……

○佐藤昭郎君 米だけでいいです、米だけで。

○平野達男君 米でいいですか、米だけで。

○佐藤昭郎君 はい。

○平野達男君 米であれば、これは今の需給調整の仕組み、その枠組みをそのまま考え方としては使えるんではないかというふうに思っています。
 今の需給調整については、国が要するにトータルとしてのマクロ需給の数字を示した上で、最終的には現場に下ろすということでやっているわけでありますけれども、我が方の場合はここに今度は都道府県、市町村もかませて行政の関与を入れたというところが違います。
 しかし、もっとこの需給調整に関して何が違うかということについては、繰り返しになって恐縮ですけれども、今の需給調整の最大の問題点は、生産調整に参加している人のメリットがないということです。それがないために、平成十五年以降その仕組みを変えた。その仕組みも、考え方として私は反対ではありません。しかし、それがうまくいってない。そのうまくいってないのは今言ったような理由でありまして、そこに対してこの計画、政策、この計画に参加して生産をした農家に対しては一定の所得補償をするんだと。それがまたメリット措置になって、そのメリット措置を背景に需給調整は今までの需給調整よりはもっともっとうまくいくんではないかという期待ができるということを申し上げているわけであります。

○佐藤昭郎君 今の生産調整、全然違うんですよ。今の生産調整は、それぞれのお米作りの産地が自分たちのお米がどれだけ売れるか、団体、農家中心となって自分たちがお米がどれだけ売れるかを考えながら自分たちで目標数量を設定しているんですよ。これを行政がやるわけでしょう。そこを聞いているんです。どういう基準でなさるんですか。

○平野達男君 そういった個々の地域ごとの取組については、これはたとえ市町村が入ったとしても、都道府県が入ったとしても、基本的に尊重するべきだというふうに私ども思っています。

○佐藤昭郎君 どういうことですか。その生産調整目標数量の設定について、もう一回お願いします、どういう仕組みで行政が関与していくんですか。

○平野達男君 まず、米については、国全体として翌年度の需要量がどれだけあるかというのは、これ見積もるというのは今の制度でもそのとおりであります。そして、各県においてどれだけの生産が行われるか、それは過去の実績、現在の実績等々を勘案して配分されるというふうに想定します。その後、市町村においてもそういった考え方で各市町村別の数量の目標が設定されるということでありまして、そして最終的にその地域においてどういう個別の農家に対しての配分がされるかということについては、正に今、佐藤委員がおっしゃられたようなそういった仕組みを導入しながらやっていくんだというふうに私は理解しています。

○佐藤昭郎君 いや、私が聞きたいのは、国、県、市町村、それがそれぞれの地域の米の生産量を目標を決めるわけでしょう。それは何に基づいて、上から下ろすんですよ、下からのやつじゃないですよ、上から下ろすんですけど、今は市場に聞いて、プラス様々な思惑で決めていくんですよ。しかし、その判断がないまま行政がそれぞれの地域のお米、ほかの作物もあるんですが、それぞれ目標数量を決めるツールは何かと聞いているんですよ。やり方は分かりましたよ。

○平野達男君 今の需給調整でもそれなりの取組をしているわけです。その取組の中に市町村とか県、それがまず入ってくるという意味において、そこを連携すればいいということで、今の需給調整の枠組みを大きく変えることは考えていません。
 繰り返しますけれども、何が違うか。需給調整に参加する農家のメリットが違うんです、これが最大の違いなんです。それだけです。

○佐藤昭郎君 時間もありません、もう。
 どうやって配分されるか、私はこのような膨大な行政事務を、やはり共産主義社会の計画経済じゃあるまいし、それはなかなか無理だということで十五年から新しい法案をやっている。しかし、多分今の、午前中も話もありましたこの下ろしていくやり方というのは、下から売れる米作りを考えていくというやり方も難しいなということで、我々は今どうやって米の需給調整をやっていくかということで真剣にこれ検討しているんですけれども、それに対して何か参考になればと思ってお聞きしたんですけれども、やはり思いは変わらない、こういうことで次に移ります。
 もう一つ伺いますけれども、この交付金の支払方法、午前中も市川議員の話にも出ましたけれども、交付金を決めるこの販売価格と生産費の間の決め方も非常に大きな私は難しさがある。今確かに一万円じゃない、五千円だって今どうか分からないという予算の範囲上のお話があったから、これは難しいの分かりますが、しかしこれはやっぱり生産目標を達成したかどうか、行政がここまで表に出るとするなら確認しなきゃいけませんね。個々の農家が生産目標に従っているという定義はどうやって確認していかれるんですか。生産目標に従っているという農家の定義。計画なのか実績なのか意欲なのか。どうなんでしょう。

○平野達男君 まず、この交付が、最終的に農家とのやり取りで決まった当該年度、あるいは翌年度になるか分かりませんが、当該作物の作付面積に対して一定の単価が掛けられて交付金が支給されるという仕組みになっています。
 したがいまして、キーワードは作付面積でありまして、その作付面積については、いろんな協議会を設けてその人が確認する方法、あるいは最近では衛星写真が非常に発展しておりますから、発達しておりますから、そういった手法もあるのではないか、そういった様々な手法があるのではないかということで、今、中でいろいろ議論がされているところであります。
 いずれ面積については、面積を確認することによってそれが計画どおり作付けされたかどうかというのは分かるということであります。

○佐藤昭郎君 想像するだに大変な私は行政事務になるんではないか。米以外、あらゆる農家、そのそれぞれが生産される麦、大豆、さらには将来はほかの作物もやらざるを得ませんが、そこら辺までについて全部管理していく、非常に難しいのではないかという思いは今のお話を聞いても捨て去ることはできません。
 次に、米以外の畑作物に関する支払交付金について伺いたいんですけれども、先週の論議の中で、今、畑作物直接支払、直接支払という言い方で民主党の方から中山間直接支払は二百二十億しかないというお話を伺いました。
 しかし、今の制度では米以外は所得補償の直接支払しているんですよ。産地づくり交付金、品目横断的経営安定対策、野菜価格安定対策事業、加工原料乳、五十項目で農家の所得を直接する支援を五千三百億かけて打っているんですよ。それはどうですか。その政策と、このおたくが一兆円をもってなさる畑作物については、どれだけ振り向けるおつもりか。いかがですか。

○平野達男君 まず、先ほどの事務が繁雑になるかもしれないということについては、それは対象品目が増えますから今以上にはなると思います。しかし、かつて麦・大豆交付金を支給したときも、きちっとそれは生産の状況を確認して、品質加算をしてやっておるわけです。本当にやらなくちゃならないと思ったら、その体制をつくればいいだけの話です。その体制をつくるかどうかということだと私は思っています。
 それからもう一つ、次の、今の質問ですけども、確かに今現在でもいろんな政策があります。ただ、私どもは、やっぱり標準的な生産費と市場価格、これがキーワードだと思っていまして、これに対してきちっとした所得補償をする中で、しかも品目ごとにその措置をやることで自給率の向上を実現するための筋道が描けるというふうに考えています。
 あと、今、野菜産地とかいろいろお話がございましたけれども、そういったいわゆる農業の振興策としていろんな補助金があるということについては、これは理解して、理解というか承知しております。

○佐藤昭郎君 この畑作物の振興に関しては、自給率との絡みを含めていろんな御提案いただきましたけれども、私どもが心配しておるのは、生産者サイドがいかに努力して畑作物を生産したとしても、世界一豊かな食生活に慣れた日本の消費者がこれを選択しない場合、これは在庫になってごみの山になるんですよ。そこと自給率向上対策の関係がよく分からないんです。
 麦、大豆に対して生産目標をお決めになるときに、実需者、消費者等の要望、そういうものは当然お伺いになるんでしょうけれども、日本の小麦というのは御案内の日本めんが主でありまして、パン、パスタ、中華めんなんか向かない。買いません、これは。品質が、精一杯努力したとしても、外国の農産物には負けてしまうんですよ。
 この目標数量を設定される際に、自給率の向上と併せて面積と生産高だけ御説明になったと思いますけれども、達成のための具体的な手法、こういった麦や大豆の一部を消費者に買っていただくための努力、こういうものも必要なんじゃないですか。そして、その可能性はどうですか。

○平野達男君 全くおっしゃるとおりだと思います。
 麦に関して言えば、今の日本の小麦は、例えばいいパスタを作る、あるいはパンを作るというものについては、必ずしも外から入ってくる小麦に比較して品質がいいというものばかりではありません。しかし、それは、今まである意味においては米に重点を置いた政策、育種にしても品種改良にしても米中心にやってきたことの一つの弊害だろうというふうに思っています。
 その一方で、じゃ、国産小麦についてはそんなに需要がないんだろうか。私は、これから地産地消運動でありますとか、まずとにかく地域のものは地域で、地域で作ったものを食べようじゃないかと、そういった運動をやっぱりセットでやっていく必要があると思っています。そして、併せて先ほど言った品種改良、こういったことももっと今まで以上に重点的にやっていかなくちゃならないというふうに思っています。
 さらに、今小麦を、その地域で作ったものを地域でするためには粉にしなくちゃなりませんが、製粉所がない。製粉所は、今ほとんど大手商社が一括して小麦を輸入してそれを粉にしていますから、流通形態が完全に輸入依存形態になっています。だからこれも変えていかなくちゃならない。
 だから、そういったこともしっかりやりながらどこまでできるかというのは、なかなか難しい問題です。しかし、そういうふうなことをやりながら、やっぱり地産地消、国で作ったものを消費するということが大事だと思いますし、そういった運動とセットで、かつまた生産者に一定の生産をするための誘引的な政策を用意して、その自給率の向上に上げていくことが大事ではないかというふうに思っています。
 一言申し述べさせていただきますけれども、今おっしゃられた、佐藤委員のおっしゃられた問題は、全くそのとおりだと思います。ただ、あえて言葉を極めて言いますと、思考がそこで止まっているから、四〇%、四五%って何ぼ旗揚げしても全然自給率が上がらないんです。だから、そこにもう一歩、一歩二歩踏み入れて、本当に自給率を上げるためにはどうすればいいんだということについての一つの提案をこの法律でもしているということもあるということは強く申し上げさせていただきたいと思います。

○佐藤昭郎君 一部意見が一致しました。極めて重要な部分であります。
 やはり、この問題を考えたときにはやっぱり農産物の自由化政策は非常に大事ですよ。先ほど、まず、所得補償を先におっしゃりになって、関税で守れないものはこれでやるという御発言ありましたけれども、我が国の農業を守っていく際には、関税というのは絶対頑張らなきゃ駄目なんです。ですから、小沢代表が「小沢主義」でも述べたように、全部自由化してもたかが十三兆円じゃないかと、そういう考えじゃ駄目なんですよ。
 だから、関税は堅持しながら、その間、委員がおっしゃった消費者に受け入れられる農産物を作っていくということで頑張っていきたいとお互いに思っております。
 時間が余りありませんので、一兆円の積算根拠について伺います。
 この一兆円の積算根拠をお尋ねした際に、野村議員、山田議員から、これは宣言だと、まず一兆円ありきなんだと。今まで政府、国会で議論された様々な閣法についても細かい部分は政省令にゆだねている、そのとおりですよ。しかし、政省令にゆだねているというのは、立法の効率化というか、立法の作業の過程で国会審議でそれは政省令にゆだねているんであって、国会審議の場に一兆円の、しかも法律事項です、これは、主な法律事項はこの予算ですよ、この根拠を国会審議の場にお示しにならないまま私は国会の審議がされた経験は寡聞にしてありません、私は九年間いますが。許されませんよ。政省令にゆだねるのはどこかという、国会審議の場と政省令の制定を間違えておられるんですよ。国会審議の場には国民の血税を使って一兆円のお金を使う、これは災害復旧とかそうじゃありませんよ、未来永久に続くんですよ。何十兆円にもなる可能性があるんです。その根拠を示さないまま、つかみでお願いしますと。
 民主党さんは、財源として様々な無駄な政策を挙げて、ここから節約してもらうと言っているんでしょう。その政策とこの戸別所得法案との政策の効率性というのが、それじゃ比較もできないじゃないですか。我々自由民主党は、いいなと、一生懸命比較したい、これが政策効果があるなら、今現に行われている効果と、政策と比べて。しかし、それには積算根拠がなければ分かりませんよ。
 岩手日報で議員は、今の農林予算からだけで四千億生み出せるということを岩手日報の一面で出ておりますな、写真付きで。どうしてマスコミに四千億生み出せるということをこの国会審議の場でどこから四千億出すんだということをおっしゃれないんですか。

○平野達男君 まず、一兆円につきましては、この制度にのっとって自給率を上げる、あるいは下がっている米価に対しては一定の所得を補償する、そういった政策を講じるときのまず取りあえずの、取りあえずというか、枠というか、この額が必要ですという、私は宣言と言いましたけれども、民主党としての一兆円を確保するということの意思表示であります。
 そして、しからば、その積算のバックということでありますけれども、これについては、これは何回も申し述べましたけれども、これから米に対してはどれだけの単価で補償するか、麦についてはどれだけの単価で補償するか、そういったものについてはこれから詰める話であります。それは、繰り返しになりますけれども、いろんな方の意見を場合によっては聞く必要もあるというふうに考えておりまして、そこからスタートする話だと思っています。
 ちなみに、この一兆円ということについては、どのように使うかというのは、これは今度は予算の世界に入ってまいりますから、毎年度の予算の編成の中できちっきちっきちっと説明をして、そして国会の了解を得てその予算が成立するんだというふうに思っています。
 それから、岩手日報の記事につきましては、今品目横断対策というのはたしか一千七百億ぐらいあったと思います。産地づくり交付金が一千七百億から一千八百億ぐらいだったでしょうか。この予算はそのまま使えるんじゃないかということで約四千という数字で言ったと思いますけれども、そのつかみで言ったんだろうと思います。だから、まずこれは使えるんじゃないだろうかと。あと、まあ一つの考え方ですけれども、そのほかに例えば農林省の予算を少し節約をしていただくとか、あるいは農林省だけで二兆七千億しかありませんから、その中で一兆円を生み出すというのは、これはとても私は至難というか難しいと思います。残りの部分については、全体の予算の見直しの中で一兆円という枠を何とか絶対これは確保、何とかじゃない、是非確保したいというふうに思っているということです。

○佐藤昭郎君 委員も私も行政府に身を置いて、予算要求あるいは法案審議をさせていただいた政府側にいて、積算根拠のない経済法案、しかも一兆円ということが通った国会審議というのはとても考えられない、このように思います。
 最後でございます。財源について。
 今もそちらから声出ました、全体から出すんだと。十五・三兆円というのを出しておられるんです、ここね。補助金の一括交付金等における無駄の排除六・四兆円。今、この六・四兆円というのは、多分この原資十五・三兆円を生み出すんですね。補助金の無駄、どこから出すんですか。今補助金の総額というのは十九兆円ですよ。そのうち十二・二兆円が社会保障、文教科学振興が二兆円、公共事業が四・一兆円しかないんですよ。どこを削ってこの十九兆円の中から補助金の一括、無駄の排除六・四兆円を出されるのか。これはこの財源全体にかかわる問題です。十五・三兆円を含めて、今の補助金の一括交付というのが多分農水省の節約のまず第一歩に挙げられているんでしょう。どこら辺から六・四兆円、今の地方向け補助金負担金が十九兆円の中から出されるのか、伺います。

○平野達男君 今その具体の作業を党を挙げてやっているということでありますので、その中の一環として、例えばいろんな仕事の発注方法の見直しあるいは特殊法人の見直し、こういったことを今やっているところです。そういった中からできるだけまず無駄を排除していく、そして付けなくてもいい予算というものについてはそれを外していくと、そういったことで財源を生み出すと、その作業をやっているところであります。

○佐藤昭郎君 最後になりました。冒頭申し上げていましたように、何とか一致点を見いだす、この気持ちでやってまいりましたが、冒頭示したこのマニフェスト、これを実現する法案だというふうにはどうしても私思えませんでした。難しい。
 もう一つ、我々が注意しなきゃいけないのは、こんないい法案なのにもう参議院の審議も限られていると思いますよ。これが実現できる、全く違った法案を参議院選挙に提示されて、今の法案は違う。でしょう、一万円ないんでしょう、そういう例示。しかし、国民はこれが今度の法案だと思っているんですよ。これを自由民主党が反対してつぶしたというような結果だけを招来するような参議院の審議であってはならないと思います。
 衆議院に行かれましても、これからひとつ誠実に、私冒頭申し上げましたよ、議員立法の提案者として今まで様々な議員立法にかかわってきましたけれども、どうか誠実に審議して審査していただいて、国民の理解をミスリードしないようにひとつお願いしたい、これを申し上げまして質問を終わります。