| 147-参-農林水産委員会-5号 2000年03月21日 ○委員長(若林正俊君) 農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法を廃止する法律案を議題といたします。 本案につきましては既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。 ○佐藤昭郎君 自由民主党の佐藤昭郎でございます。 きょうは、基本法が制定されて非常に農業に関する技術開発というのが重要な時期に来ていると思うんですけれども、それを廃止する法律案ということで少し戸惑っておりますけれども、この生研機構にかかわる問題以外にも少し幅広く農業の技術開発についての質問をさせていただく場面もあるかと思いますが、ひとつよろしくお願いしたいと思います。 まず、全体でございますけれども、これは先般の大臣の趣旨説明で御説明ございましたが、 これまで、この法律に基づき、生物系特定産業技術研究推進機構は、民間の研究開発能力を活用して、生産現場に直結した農業技術の研究開発を推進してまいりましたが、これらの研究開発については、本年度中に所期の成果が得られる見通しとなっております。 この法律は、平成十二年三月三十一日までに廃止するものとされている時限法であり、また、以上のような研究開発の実施状況にかんがみれば、この法律を規定どおり廃止することが必要と考えられます。 と、こういうふうに御説明を伺ったわけでございますが、これは全般的な状況なので政務次官にお答えしていただきたいと思うんですけれども、ここでおっしゃっておられた本年度中に所期の成果が得られるということを中心に、この特別措置法の成果なり評価についてのお考えを少し具体的にわかりやすく御説明をお願いしたいと思います。 ○政務次官(金田勝年君) ただいま委員御指摘の点でございますが、農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法、この法律に基づきます研究開発は八十七の研究テーマのうち二十二テーマの成果が既に商品化され、現場への普及段階に至っておるわけであります。そしてまた、特許百六件、農薬登録一件、品種登録二件の出願、こういった実績を、ことしの一月現在でございますが、もう既に上げていることなど、五十億円の政府出資を活用して、生産現場に直結した農業技術の研究開発を実施するという特別措置法の所期の成果が得られる見通しにあるわけでございます。 また、委員ただいま御指摘のとおり、特別措置法は平成十二年三月三十一日までに廃止するものとされておる時限立法でございました。そういうことを考慮いたしまして、このたび本廃止法案を提出させていただいた、そういう経緯でございます。 ○佐藤昭郎君 バックグラウンドはよくわかりました。 普及関係について経過措置等も含めて少し伺いたいと思うんですが、これは後ほど伺いたいと思います。 この農業技術の研究開発について、今回の特措法とは少し離れるかもしれませんけれども、今、我が国の特に自給率の向上にとって大事な農業の機械化、機械化一貫体系の取り組み状況について農産園芸局の方に少し伺いたいと思うんです。 これはもう委員の皆さんも御案内だと思うんですけれども、今いろいろ自給率についての議論がなされておりまして、自給率向上のいろんな手段が議論されておるわけですけれども、私は、野菜の自給率向上にとって機械化あるいは機械についての技術開発、これは非常に重要だと思います。ちょっと数字を申し上げますと、今、野菜の輸入量というのは、九八年で二百二十三万トンということでこの二十年間で十倍になっております。国内作付面積も、この十年間で六十二万七千ヘクタールから五十四万四千ヘクタールということで一五%下がってきている。 この大きな理由の一つが、農業従事者の農家の方々の高齢化それから労働力不足、こういったところが多く挙げられているわけでございますが、特に、これは重量物野菜、キャベツとか白菜とか大根とか、こういうものに対して農業機械を開発することによって今のこの状況を打開できるのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。 従来、野菜作における新しい農業機械の開発というのは、マーケットが小さいということもありまして、なかなか進まなかったんですが、近年、農産園芸局を中心に農業機械の開発それから普及に取り組んでおられるということを伺いましたので、その点についてお答えいただきたいと思います。 ○政府参考人(木下寛之君) 野菜関係の機械の開発状況についてお答えしたいと思います。 私ども農産園芸局では、農業機械等緊急開発事業等によりまして、野菜関連の農業機械の開発に取り組んでいるところでございます。これまでキャベツなどの移植作業をすべて機械化した乗用の野菜全自動移植機、またキャベツの引き抜きから収容までを自動で行う乗用のキャベツ収穫機など、十一種類の機械につきまして開発、実用化に成功したところでございます。また、現在、ホウレンソウなど軟弱野菜につきまして、その収穫から包装まで一貫して行う軟弱野菜調製装置、またレタス等につきまして、損傷を与えることを少なくした収穫を行うレタス収穫機など、七機種の開発に取り組んでいるところでございます。 これら実用化された機械につきましては、生産現場への早急な普及を図るという観点から、第一点といたしまして、全国の主要産地の関係者の参集のもとに現地の検討会を開催したり、あるいはパンフレット、ビデオ等による情報提供、また第二点といたしまして、実証展示圃の設置、また開発されました収穫機等の共同営農用機械の整備等につきまして、補助事業なり制度融資等の対象とすること等によりましてその早急な普及を図っているところでございます。 ○佐藤昭郎君 ありがとうございます。 私も農産園芸局の方から少しパンフレットをいただきまして、この緊急プロジェクトの農機のパンフレット等をいただいてお話を伺ったんですけれども、今も局長の答弁に尽きるわけですけれども、ひとつこの普及、せっかく二十五機種を開発された、この普及が僕はポイントだと思うんですけれども、コストの面で、例えばキャベツ収穫機というのは一号機が大体四百九十万ぐらいしている、これを二号機以降なるべく下げるように、二百万ぐらいになるように努力されているとか、それからこの間は、私は北海道の富良野のてん菜の収穫あるいはジャガイモの収穫でしたか、のテレビの放映を見ていたんですけれども、芋、バレイショ収穫機、これはいいんだけれども高いという農家の声が、一千万、今、汎用芋類収穫機というのがかかるようです。 今御説明のように、普及が進んで生産台数が伸びていけば、また農水省の助成があればこれはかなり下げられると思いますので、この点ひとつよろしくお願いしたいと思います。これはお答えは結構でございます。 さて、それから次に、特措法についての関連で少し、これは技術会議の三輪事務局長さんの方になろうかと思うんですが、伺いたいと思うんです。 先ほど金田政務次官からもお話がございました。研究開発の成果として百六件の特許を申請しておられると。これは政務次官の御説明にあったんですけれども、五十億を五年間で出資して、その中から民間企業に対して八十七件というんですか、私ちょっと計算してみますと大体六千万ぐらいになりましょうか。五年間で六千万程度のお金を民間企業と共同で、民間企業に委託されて開発されたと。非常に成果が上がっております、パンフレットを見せていただきましたけれども。 この場合、これからこれはどんどん普及していかなきゃいけない、あるいはこういった形を今後とも続けていくということは必要だと思うんですけれども、例えば特許の共同開発ですから民間企業と生研機構の間の持ち分の比率なり、さらには、民間企業にとってみればこれはビジネスですから、そういうものに取り組んだ成果というのはどうやって手に入ることになっているのか、そこら辺の仕組みについて御説明いただきたいと思うんです。 ○政府参考人(三輪睿太郎君) まず、研究開発により得られました特許についての配分でございますが、通常こういう委託をする場合、国から民間企業に委託をいたしますと、民間企業が受託をして汗をかいた発明も一〇〇%国のものということになって、非常に民間企業側は意欲を失うというのがよく問題として指摘されておるんですが、本特措法の研究開発、これは生研機構という法人から民間への委託でございますので、双方の話し合いで特許の持ち分が決められます。この研究による成果は生研機構と受託者とが五〇対五〇、いわゆるフィフティー・フィフティーで均等に共有することにしております。 こういったことで、資金的な研究助成とともに、知的所有権の確保という面で企業等に対するインセンティブ、これは十分働いたのではないかというふうに推測しております。 ○佐藤昭郎君 新しい仕組みを本当に有効に働かせていただいているということで、今後ともよろしくお願いしたいと思います。 次に、今回、法律で廃止ということになるんですけれども、私が冒頭申し上げたように、新しい技術開発、そして普及というのが本当にこれからの我が国の食料・農業・農村を左右する非常に大事なポイントだと思うんです。 この法律が制定されたときの参議院の附帯決議を少し見てまいりますと、一、二、三とあるんですけれども、三の方に、本法は廃止することになっているけれども、そのことによって研究開発及びその成果の普及に支障を来すことがないように十分に配慮することということが附帯決議になっております。そういう観点からこの附則で経過措置もつけられたわけでございますが、民間企業やそれから研究機関の大学の研究能力を本当に結集して技術開発を進めるためには、生研機構の果たす役割というのはすごく重要だと思うんです。 いろいろな制度改正をされまして研究業務の幅も広げてこられたわけでございますが、一つの研究開発業務というのが、特措法に基づくものが今回限りで廃止されるわけですが、今後の見通しなり戦略、そういったものについて伺いたいと思います。 ○政府参考人(三輪睿太郎君) 生研機構は、そもそも産学官の結節点として官民共同出資により設立された認可法人でありますが、民間企業や大学の研究能力を結集いたしまして、技術開発を進める上でその役割は大変重要なことと認識しております。 このような生研機構の役割、機能を活用しまして、農林水産業や食品産業等の分野における試験研究を推進するために、平成八年度から、大学、民間等の研究者から広く研究課題を募集し、新しい発想に立って生物の持つさまざまな機能を高度に利用するための提案公募型研究を開始することにしております。また、平成十二年度からは、ミレニアムプロジェクトの一環といたしまして、すぐれた技術のシーズ、ノウハウを有する民間企業や大学を結集し、産学官連携による新事業創出のための研究開発に取り組むこととしております。 今後とも、生研機構の有する企業、大学等の技術、人材等に関する幅広い知見や民間ニーズを踏まえた研究の立案、調整能力を活用しまして効果的な研究開発を進めてまいりたいと思っております。 ○佐藤昭郎君 生研機構の役割というのは本当に私は大事になってくると思います。民間と研究機関、そして大学の間のコーディネーターといいますか、その役割というのはすごく大事だと思います。最近、特に民間企業、あるいは公立の研究機関の研究者にとっても、新技術開発のためのインセンティブの確保とかいろんな面で新しい仕組みがいろいろ考案されておりますけれども、生研機構もどうかそういった仕組みを検討されて、個々の研究者あるいは技術者がある意味で励みを持って研究できるような仕組みもひとつ考えていただきたい、こんなふうに思っております。 研究開発の事例ということで、ちょっと私、さっき野菜のところで紹介しようと思って、少しおくれてしまったんですけれども、本当に大事だと思います。 これは、農水省からいただいたパンフレットを見ますと、野菜の全自動移植機というのがありまして、キャベツ収穫機を導入した事例というのが、福岡の小郡市の赤川野菜生産組合というのがやっておりまして、組合員八名で、八戸でキャベツ十五ヘクタールを栽培しておられるんですけれども、新しい収穫機を導入することによりまして労働時間が単当百六十三時間から四十三時間へ四分の一になったということで非常にいい収益を上げておられますし、これで大規模キャベツ産地としての位置を確保されたという事例が紹介されておりましたけれども、全国各地でこういう技術の成果が出てくれば我が国の自給率も上がるのではないか、こんなふうに思っております。ほかにもいろいろございますけれども、まず機械化というのは非常に大事なポイントだと思います。 それから次でございますが、これは今度の特措法の廃止と間接的に絡むと思いますけれども、二〇〇一年の四月から、来年の四月から新しく農林水産省関係の研究機関も御案内のように独立行政法人化されます。いろいろ議論があるわけでございますけれども、私はいろんな研究開発の普及に効率的、効果的に取り組むのにはメリットも大きいんじゃないか、こういうふうに思っております。五年間で中期計画を立てて、それで研究をしっかり管理されていかれるということになろうかと思うんですけれども、この新しい農業に関する技術の研究開発等、独立行政法人に移行する場合の取り組み、この点について伺っておきたいと思います。 ○政府参考人(三輪睿太郎君) お話のように、明年四月から農林水産関係の試験研究機関の独立行政法人化をする予定でございます。この独立行政法人の制度の何よりの特徴は、各研究機関、法人の自律性、それから運営の弾力性を高めることができることであります。 さらに、具体的に申し上げますれば、法人の中の組織編成等については、法人の判断によりまして機動的な取り組みが行われる、人員配置も同様であるということがありますし、それから予算の面でも、例えば運営費交付金という形で国費が交付されますけれども、その使い方につきまして、例えばその費目間の使い方の柔軟性といいますか、あるいは年次間の繰り越しの可能性、そういった意味で、ある意味では研究業務を行うということに対して非常に効率化が期待できるような仕組みではないかというふうに考えております。 したがいまして、私どもはこういった制度の特徴、よいところを生かしながら、かつ農業政策にきちっとこたえられるような適切な中期目標、こういったものの設定等を通じまして、試験研究がこれまで以上に積極的に推進できるように努めていきたいというふうに考えております。 ○佐藤昭郎君 最後になりますが、大臣に少し決意をお願いしたいと思うんです。 今ほどずっといろいろ議論がございましたけれども、この特措法の廃止ということで、いささかも農業技術開発についての政府の力の入れ方というのは減るものではないと。基本法の論議のときもいろいろございました。基本法の理念ですね、食料の安定供給、多面的機能、持続的な農業、そして農村振興、これをすべてブレークスルーしていこうと思えば、農業技術、農村環境技術、そういった新しい技術の開発、普及がなくては成果は上げられないのではないかと思います。 こういった非常に大事な時期に当たって、農業に関する技術、あるいは農村に関する技術、この研究開発に取り組む姿勢といいますか、それについての決意を大臣にお願いしたいと思います。 ○国務大臣(玉沢徳一郎君) 今、委員がおっしゃられたことは極めて大事なことであると考えております。食料・農業・農村基本法の目指す食料の安定供給の確保、多面的機能の発揮、農業の持続的な発展及び農村の振興という課題に積極的に対応し、新たな展開を図る上で技術の研究開発は極めて重要なものであると考えております。 食料・農業・農村基本計画につきましては、三月十五日に食料・農業・農村政策審議会から答申をいただいたところでありまして、この中におきましても、技術の研究開発の目標を明確化し、これに基づいて具体的な技術の確立に向けた戦略を定めることとともに、国及び都道府県の試験研究機関、大学、民間等の連携を強化すること等がうたわれておりまして、技術の研究開発の効果的、効率的な推進を図ることが大事であると考えます。 具体的には、研究・技術開発の展望に、明確に基本計画の中に示されておりますように、高品質な小麦・大豆品種の育成、さらに世界をリードするイネゲノム解析研究、遺伝子組みかえ生物の安全性の確保、ダイオキシン類等の汚染防止、分解・浄化技術の開発等に取り組んでまいる決意であります。 技術の研究開発につきましては、新しい状況に対応しながら的確な推進がなされるよう督励をしてまいりたいと考えております。 ○佐藤昭郎君 終わります。 ありがとうございました。 |