| 145-参-決算委員会-4号
1999年09月30日 ○佐藤昭郎君 おはようございます。自由民主党の佐藤昭郎でございます。 きょうは、質疑に入ります前に、トルコ西部の大震災、そして台湾の大震災についてちょっと触れさせていただきたいと思います。 トルコ西部地震は、八月十七日に発震いたしまして、一万五千七百五十六人の方が亡くなられた、これは外務省の方から自由民主党の国際災害支援対策チームとしてお聞きしたんですけれども、そして被災総額が九十億ドルから百三十億ドル、トルコのGNPが二千億ドルですから、五%近い本当に大きな震災でした。台湾の大震災は九月二十一日に起きまして、これも現在二千百八名の方が亡くなられていると、本当に大きな被害が起きたわけでございます。亡くなられた方々、そして被災者の方々には心から哀悼の意をささげますとともに、お見舞い申し上げたいと思います。 きょうは、外務省、外務大臣初め幹部の方、そして防衛庁お見えでございますが、国際緊急援助隊あるいは資金協力における対応、仮設住宅の輸送、そういったところにつきまして、外務省、防衛庁、関係行政当局、そして日本のNGO、民間の方々、大変な支援をなさっていただいております。 きのう伺いますと、民間の義援金の額はトルコに対しまして今十八億六千万ということで、これは世界第一位だそうです。小渕総理も十万円のポケットマネーをお出しになったということを聞きましたけれども、非常に質量ともに両国に対して最大の支援をなさっていただいておる。外務省、防衛庁につきましても、これからいろいろまたこれは続くわけでございますので、今後ともひとつ頑張っていただきたいということを申し上げたいと思います。 さて、きょうは最初に外務省に対しまして質疑を行いたいんですけれども、ODAにひとつ絞って私は質問させていただきたいと思います。 このODA、大変予算が大きいわけでございます。平成十一年度のODA予算、ネットベースでいいますと、政府全体で一兆五千三百三十六億という大変な支援をしているわけでございますが、現在我が国の財政が未曾有の危機にある状況の中で、端的に言ってODAというのはなぜ必要なんだという点について、大臣の方からひとつ簡潔に国民に対して御説明していただければ大変ありがたいと思います。 ○国務大臣(高村正彦君) 我が国は海外に資源と市場を依存する国でありますが、その我が国が繁栄を確保するためには、我が国経済のグローバル化とともに国際社会全体の平和と安定ということが不可欠であります。ODAは、開発途上国の安定と発展のための自助努力を通じて国際社会の平和と安定に重要な役割を果たすとともに、我が国の国益の増進に資する、こういうふうに考えているわけでございます。 また、今なお多数の人々が飢餓と貧困に苦しんでおります。環境、人口、エイズ等地球規模の問題が山積している中で、ODAを通じてこれらの問題に取り組んでいくことは我が国の重要な責務である、こういうふうに考えております。国際社会においても情けは人のためならず、まさに我が国の国益のためにやっている、こういうことでございます。 ○佐藤昭郎君 大臣から最後に大変大事なポイントをおっしゃっていただいたわけでございます。 今おっしゃられた必要性について私なりに少し整理させていただきますと、人道的なものがまず第一でございましょう。そして、次は地球益といいますか、環境問題、食糧問題、人口問題、そういうのもございますが、やっぱりそれと並行してといいますか、そのベースにしっかりと意識していかなければいけないのが、我が国自身の安全と繁栄の確保にとって非常に重要な意味がある。今、情けは人のためならずとおっしゃったわけでございますが、そういった点。それから、我が国の経済的利益にもこれは資するんだという、ある意味では国益の確保という視点がODAのベースとしてやはりどうしても、特に二国間援助においてはベースとして非常に大事じゃないかと思っております。 自由民主党の対外経済協力委員会の方も、「二十一世紀に向けた戦略的な経済協力の実現を」ということで先般提言をさせていただいたわけでございます。その中にも四つほど挙げておりますけれども、ポイントは戦略的視点を持って顔の見える援助、国益をしっかり確保していくべきだということが非常に出ている提言をさせていただいたわけでございます。 そういった視点を持ちながら、内部の詳しい点について少し伺っていきたいわけでございますが、まず最初に、今のODAを推進していくための一つの方策として近年非常に取り上げられてきたのが事後評価。経済協力、ODAを行って終わった後、それらのODAがどのような効果なり効率的に行われたかということを評価する、これが非常に重視されてきたわけでございますが、ODAを事後評価するシステムを構築した経緯、あるいは外務省そしてJICA、またきょうの外務省の担当ではございませんけれども、OECFというのがありまして、この三つの機関が行っておるわけでございますが、外務省そしてJICAの事後評価の予算、体制、こういったものは一体どれぐらいなものを今なされてきたか、そこら辺をお答えいただきたいと思います。 ○国務大臣(高村正彦君) 御指摘のODAの事後評価についてでございますが、我が国のODAが効果的、効率的に実施されたか否かを検証することによりまして、その結果を将来の援助政策の策定に役立てる、ODAの質の向上を図るとともにODAの実態につき国民に明らかにするとの観点から実施することとしたものであります。 外務省では八一年から、JICAでは八二年からこの評価活動を行っております。外務省では九〇年に評価を専門に担当する評価室を設置いたしましたけれども、当時は四名の体制で約一億一千万円の予算で評価活動を行っておりました。現在は七名の体制で約三億円の予算により活動をしております。JICAにつきましては、九〇年には七人の体制で約五億四千万円の予算により活動を行っておりましたが、現在は十一名の人員及び約九億円の予算により評価活動を行っております。 ○佐藤昭郎君 大臣から答えていただきましたけれども、この事後評価は大事だということで力を入れていただいている。そしてまた、先ほど申しましたけれども、OECFの方でもやはりなさっている。私もこれは大事だと、そのことについては大変評価するわけでございます。 経済協力の評価報告書、これは外務省、そしてJICA、またOECFも含まれて出しておられるものをさっと読ませていただいたわけでございます。 ただ、このときに私は感じたんですけれども、現在、外務省さんが、例えば一九九七年度百五十四プロジェクト、JICAさんが百十四プロジェクト、OECFさんが三十プロジェクト、計二百九十八といいますか、三百近いプロジェクトについて逐一事後評価をされている。外務省さんの方は半数近くが現地の大使館がなさっているということを伺ったわけでございますが、これを読んでいまして、外務省さんがなさる事後評価とJICAがなさる事後評価、役割分担といいますか、外務省がやはりもう少し基本的なところをしっかり評価していただく重要性があるんじゃないか、こんなふうに思うわけでございます。 少し具体的に申し上げますと、御案内のようにODA大綱というのがございます。これは平成四年六月三十日に閣議決定されたわけでございますが、ODAをするときの四原則、これに合致しているかどうか、これが一つの基準であるということで今我が国のODAは行われているわけでございます。四原則を申し上げますと、一つは環境と開発の両立、二番目が軍事的用途及び国際紛争助長への使用回避、三番目が軍事支出、大量破壊兵器・ミサイルの開発・製造、武器の輸出入等の動向に十分注意を払うこと、四が民主化の促進、こういう基準があるわけでございますが、これを、ずっとなさってこられたODAにおいてこの状況がどうであったかをしっかり検証するというのは、僕はやはり外務省でなければできないだろうと思うわけでございます。 この点で、いろんな国があるわけでございますが、きょうはたまたま防衛庁長官もおいででございますので、防衛庁と関係の深い、軍事的な点で申しますと中国というのがございます。これは、過去二十年間で我が国が二兆円近いODAをやってきて、最近では二年間で三千九百億ですか、一年間に約二千億というODAを行っているところでございます。 防衛白書を読ませていただいたんですけれども、中国の軍事力、防衛白書でも触れておられますけれども、中国の国防費というのは、八九年以来十一年連続で対前年比一〇%以上、そして九八年度は一五%の伸びである、しかも国防支出の内容がどうもまだ中に入っていないのが相当部分あるのではないかという記述がされております。さらに、我が国固有の領土であります尖閣諸島、あるいは日本の排他的経済水域での中国の海洋調査船のたび重なる出動等、いろいろな問題を抱えておるということはこの防衛白書でもうたわれておるわけでございます。 それから、これはけさの読売新聞にたまたま載っていたんですけれども、建国五十周年を記念して読売新聞とギャラップが日中でそれぞれの国民の意識を世論調査しております。お読みになったかもしれませんけれども。 ここで衝撃的だったのは、やっぱりそうだったのかなと思ったわけですが、この二十年間で二兆円を超す日本のODA、中国ではこれを知らないという方が七五%、四分の三なんですね。これは日本のODAの状況を中国政府が国民に知らせていないという点もあるかと思うんですけれども、まさにこれは政府の中国政府に対する申し入れ条項になろうかと思うわけでございます。こういう中国のことを一つとりました。 それからもう一つ、ODA四原則で国益という点を少し、四原則から少し外れるわけでございますが、大きな意味での国益という点で申しますと、例えばさまざまな国際機関における選挙というのがございます。今度ユネスコの事務局長に松浦氏が立候補されて、選挙が十月十八日になされるということでございますけれども、これ以外にも国際的な日本のプレゼンテーションを高めるいろんな活動が外交政策としても大事になるわけでございます。 ここと照らして、日本のODAというのはどうあるべきだというところを、個別のプロジェクトについてのいろいろな評価あるいは国別評価あたりよりむしろ外務省さんが少し積極的に関与していき、またODAの白書等でその状況をしっかり認識されて、それらの国々に対してメッセージを送る必要があるかと思うんですけれども、このODAの事後評価についての現在のあり方、そして外務省とJICAの役割分担、そこら辺について伺いたいと思います。 ○国務大臣(高村正彦君) 外務省は我が国の外交政策や国益にかかわる重要な政策、ODA大綱に沿ってODAを実施しているわけであります。また、各被援助国の重点課題、分野等を明確にする国別援助計画を順次策定して公表すべく作業中でございます。現在、毎年公表している年次報告においてはODA大綱の運用状況について具体的に記述しておりますほか、ODA白書においても各被援助国ごとに当該国の経済社会状況、我が国との二国間関係、ODA大綱の観点も含めたODAの実績とあり方について記述をしているところでございます。今後とも、年次報告、ODA白書その他の媒体を通じてODAの実施状況についての情報公開を充実強化していく考えでございます。 今、委員から、中国を例に挙げられまして、ODAを供与することについての否定的とも思われる点を幾つか列挙されましたが、それと同時に、やはり中国は改革・開放政策を進めている、それを支援することが日本にとっても利益になるとか、あるいは中国という大国を国際社会に建設的に関与させていくようにしていくことが世界にとっていいことだとか、そういう面もあるわけでございます。全体的なことを考えてやってまいります。 それから、ユネスコの事務局長選挙との絡みで申されましたが、確かに国際社会の選挙には公職選挙法というのがないわけでありますから利益を供与して云々ということもあるわけでありますが、それは大きな意味でいろいろその二国間関係を見てまいります。見てまいりますが、それを余りに露骨にやることがまた逆に国際社会全体からのいろいろな評価というのもございます。そういったことも全体を考慮しながら、日本の国益というのを考えながらやってまいりたい、こういうふうに思っております。 ○佐藤昭郎君 余り露骨にやるとという話がありましたけれども、もう少し露骨の方がいいんじゃないかと私は思うんです。 大臣がODA白書の中身も御存じで触れられましたけれども、私もODA白書を読ませていただいたのですけれども、やっぱり今僕が申し上げました中国の状況なんか、軍事的な問題、それから四分の三の人がその二兆円に及ぶODAを知らないという事実だけでもきちんと記述していかないと、中国の方も見ると思うんです、ODA白書を、政府の方も。ああ日本は働きかけているということで十年ずっときておられる、中国にはこういうことがあるから働きかけてこられるというこの事実で、ある意味では安心してまた協力が始まるということよりも、やはり四分の三が知らないんだということは問題だからこれからはきちんとやっていくというようなことをしっかり記述されることが大事だと思われますので、ひとつよろしくお願いしたいと思うんです。 ○国務大臣(高村正彦君) 今の委員の御指摘は大変重要なことだと思います。そして、私たちといたしましても、中国に対してもあるいはほかの国に対しても、日本のタックスペイヤーがこういう援助をしていることをその被援助国の国民が知っている、感謝している、そういうことを日本のタックスペイヤーが感謝してもらっているのならさらにしましょう、そういう評価につながっていきますよということは、口を酸っぱくしてまでは言っていないかもしれませんが、何度も私自身も中国も含めていろいろな国に申し上げているところでありますが、今の委員の御指摘もありますので、これからさらにそういう面もやっていきたい、こう思います。 ○佐藤昭郎君 ひとつよろしくお願いしたいと思います。 それから、ちょっと私冒頭伺って、これは経済局長さんから伺えるかもしれませんけれども、事後評価の今のあり方について伺えたらと思います。 ○説明員(飯村豊君) ただいま先生御指摘のとおり、現在、事後評価、これは外務省、JICA、OECFが協力し、またそれぞれがやっておりますが、基本的には個別のプロジェクトで事後評価が中心になっております。 先生の御提起のあった外務省は基本的なところの評価をしたらどうかという点でございますが、国際社会では政策評価というような言葉を使っているようでございますけれども、これは私ども今後の課題としてさらに充実を図っていきたいというふうに考えております。さらに、全体的な政策評価的な面は、先ほど大臣の方から申し上げましたように、ODA白書あるいは年次報告、これらの点でなるべく詳細に記述しているところであります。 ○佐藤昭郎君 私もそれぞれの機関の御努力はこれは高く評価するものであって、これまで国会でもいろんなことをやらなきゃいかぬと申し上げてきた。自民党の、我が党の協力委員会の提言でも、しっかりやれ、半分以上やれというような提言も書いたので、少し私の個人的な意見になるかもしれないんですけれども。 ただ問題は、非常に限られた人員、予算の中で今ODAというのはやっていかなきゃいけない。冒頭、大臣の方からODAの理念を伺ったんですけれども、ODAの現場では、このODAというのは、日本は軍事的な力がない、したがって外交の道具としてはODAがある意味では唯一のツールだという話がありますが、相手国の援助国に行ってみますと、ODAというのはある意味では戦場です。いろんなドナーカントリーが来て、あるいは国際機関が来て、いいプロジェクト、いい地域、いい実施機関といかに結びついて、自分たちのODAがいかに評価を上げるかというような戦場で、すさまじい、ある意味では援助合戦といいますか、いわゆる生々しい現場であるのも間違いないところなんです。 ですから、限られた予算の中でそこを勝ち抜いていく、日本のODAというのは一兆五千億になって、日本にとってこれが非常に大事な状況の中で、ODAというのをどうやって展開していったらいいかというときに、その人員、コストを有効に使っていかなきゃいけない。事後評価についても、先ほど申しました三百近くのプロジェクトを今までのとおりに外務省さんが現地に行っていろんなことをなさる、本国から行ってなさっていく、それからJICAもなさるというのを少しやはり改革していく時期に来ているんじゃないかと思うんです。二国間援助というのはどれが効率的だったかというのは非常に難しいと思うんです。 私もこの評価報告書をずっと読ませていただいたんですけれども、毎年これは指摘されておられるんですけれども、問題点だったところを九十項目指摘されたものを分類されたものがあるんです。 大きいのは、「外部阻害要因」、いろんな地震とか金融危機とか、そういうどうにもならなかった原因でうまくいかなかった、それが一四%。四二%は「先方政府、実施機関の体制等により生じた問題点」。これは外務省さんや援助機関が一生懸命なさっても、向こう側に原因があったという問題。それから最後が、四四%が「機材の維持・管理体制により生じた問題点」とあるんですけれども、この機材の維持・管理体制なんかを見ましても、結局は、例えば有償資金協力ですと相手国のコントラクターが多いわけですが、そういうコントラクターの機材調達のおくれにより事業がおくれたというような感じで、個別プロジェクトに生じた問題点というのはまさに、これがすべてうまくいったところは、じゃODAは要らないということなんですね。ですから、非効率的であったと指摘された問題点が多いからといって、そのODAプロジェクトというのは失敗だったとは限らない。本当の広い意味での分析が必要になってくる。 そういう状況の中での事後評価ということを特にバイラテラルの援助の場合は認識しながら、限界もしっかり国民に伝えていく必要があると思うんです。結局、最終的には相手国政府、実施機関の責任においてなされるのがODAなんですということをやっぱり言わないと、何か事後評価をしっかりやって、第三者を入れてやっていけば援助というのはうまくいくというふうに思うのは若干傲慢ではないか、こんなふうに思うわけです。 私の事後評価のあり方の意見としては、もう少し現地の大使館、現場に権限をゆだねて、それでもいいんじゃないか。今、外務省さんは、半分近くのプロジェクトについては現地の大使館に評価をゆだねておられますけれども、私はそこをしっかりやっていけば事後評価というのは大体いいんじゃないかなと。それで、本省にやっていただきたいのは、それを統括する現地の指揮官たる大使の勤務評定といいますか、評価をしっかりやっていただくことがある意味ではプロジェクトがうまくいくことになるんじゃないかと、私の個人的な意見でございます。 それから、何といいましてもこの事後評価というのは終わってしまったものを評価するわけですから、大事なのはやっぱり計画と実施中のプロジェクトですね。どうやってこれからやっていくか、ここら辺に重点を置いていく、これは大事だと思いますので、そこら辺の評価のあり方についてもひとつよろしく検討いただきたいと思うんです。 さて、今のに関連しまして、計画それから実施していく将来の方向についての取り組みといいますと、国別の援助方針、援助計画というのをどう組み立てていくかというのが大事になってくるかと思うんです。 今度のいろんな特殊法人の組織再編等で、JICAの方もカントリーアプローチとセクターアプローチとうまく組み合わさったような組織再編をなさったわけでございますが、そしてJICAの方でも国別の援助方針、援助計画というのを組み立てられていくというのがいただいた資料の中に書かれておりました。これはODAで非常に大事なポイントですね。 これは力を入れていかなきゃいけないというのはいろんな提言でも言われておりますけれども、ここら辺、外務省さん、まさに外交政策のコアだと思うんです。そことJICAさんがなさる援助計画、国別援助基本方針あたりの役割分担というのはどういうふうに考えておられますか。 ○国務大臣(高村正彦君) 国別援助計画につきましては、政府全体としての一体性、一貫性を持って、効果的、効率的に援助を実施するために鋭意作業を進めているところでございますが、その策定に当たりましては、実施機関や民間の有識者、専門家の有する専門的な知見を活用することが不可欠であります。 したがって、その策定自体は政府として進めるべきものでありますが、その策定作業においてはJICAを含む実施機関とも十分相談をしていく、こういうことでございます。 ○佐藤昭郎君 国別の実施方針、実施計画というのは、口で言うのは簡単ですけれども、これはやるときは大変だと思います。 今度発表されますODA白書の原案を見せていただきますと、九九年度中に今出されておられます援助方針というのをさらにブレークダウンした国別の援助方針を十カ国程度つくられるというのが載っておりました。 JICAと外務省さんの役割分担というのも僕は非常に大事だと思うんです。これはいずれまた与党の委員会等に援助計画というのが具体的に詰まります段階で御相談があるというふうに聞いておりますけれども、二国間援助における援助計画をつくるには、もう御案内でしょうけれども、エネルギー、スタッフ、コストがかかる並大抵なものじゃないということを認識して頑張っていただきたいなと思います。 私の知っておる事例などでは、ある意味でいいかげんと言っては大げさですけれども不完全な援助計画を下手な陣容で行ってつくられますと、かえってそれが日本のバイラテラルの二国間援助を縛ってしまう。逆に言うと非常に自縄自縛的な援助計画の事例があることは事実でございますので、先ほど申したように、相手国政府の中の、周りでは援助競争、援助合戦をしている中で、日本の国益を出しながらどれだけ日本のODAがどの分野、どのセクターをとっていけるか、非常に流動的でありかついろんな要素を組み合わせていかなきゃいけない。 だから、今後五年間、十年間なりの援助計画をつくるといっても、口で言うのは簡単ですけれども、非常に私は人員なりコストの点でも大変な作業だと思うんです。これからここに積極的になさるということで私はそれを評価するわけですが、体制なり予算なり、どのように考えておられるのか。 ○説明員(飯村豊君) 委員御指摘のとおり、国別援助計画は先般発表いたしました中期政策に基づいて約五年ほどの期間を念頭に置いてつくっていくものでございまして、ことしじゅうに十前後の国について計画を公表したい。そのプロセスにおきましては、実施機関、関係省庁あるいは国際機関等々と御連絡をとりながらつくってまいりたいと思っております。 体制でございますが、体制につきましては、JICAは今年度の機構改革で地域四部体制ということでこの一月に発足いたしますけれども、そういった形で地域的なあるいは国別の援助計画をしっかりと実施できる体制をつくっていきたいというふうに考えております。 外務省につきましては、これも委員御承知のとおり、現在スキーム別といいますか事業形態別、無償資金とか有償資金協力とかというのに基づいて課が編成されておりまして、国別、地域別につきましては政策課、調査計画課というところでやっておりますが、ここら辺を何とか、地域別、国別の体制を強化するために現在、来年度に向けて検討を進めているところでございます。 ○佐藤昭郎君 ひとつ本当に頑張っていただいて、ある意味では外務省さん以外のいろんな機関、関係省庁の総力を挙げて、さすがに日本の援助プログラムはいいなとドナーのカントリーの会議等でも評価されるような立派なものをひとつつくっていただきたいというふうに思っております。 次に、これは一般的な今後の援助のあり方として今大事な時期に来て、ODAの政策も曲がり角に来ているということで、今度の中央省庁再編でも外務省さんは外務省さんなりのODAのあり方についてのいろんな方針を出されております。 私もいろんな委員会でその方針を少し伺っているわけですけれども、いろんな報告書なり懇談会の提言で気がついたのが、外務省に援助政策を一元化するんだ、そして各省がばらばらに要求しているODAというのをできれば一本化した方が日本のODAというのはうまくいくのではないか、こういう意見が目につきますし、今度の中央省庁再編の基本の中でもこれがうたわれたわけでございます。ベースとしてこれはいいかもしれないんですが、実行していくときに非常に注意深くここはやっていただきたいなと私は思うんです。 冒頭申したように、一兆五千億のODAというのを日本の国益をかけて、相手国の国々の中で、援助競争という熾烈な中でいいものをつくり上げていくためには、日本の外務省さん以外の関係省庁の力も総力を挙げてこれをつくっていかないと、なかなかいいODAはできないんじゃないかと僕は思います。 私も自民党の対外経済協力委員会で、縦割り問題に関連していろんな省庁から、外務省さんをもちろん含めてですが、ヒアリングの場に出ておりました。それぞれの省庁が今ODAの予算要求をなさって展開している政策、これは金額的にも大した分野ではございませんが、なかなかいい成果を上げておられます。警察庁から伺ったのは、たしか警察庁が要求しているODAを使って世界各国の警察官の横の連携をうまくとられて、ペルーの大使館の事件でも非常に役に立ったとか。 それから、私はイリゲーションエンジニアですけれども、フィリピン・ジャパン・イリゲーション・エンジニアズ・アソシエーションという団体の元のチェアマンでした。あそこに岩本先生がおられますけれども、私の前のチェアマンだったんです。フィリピンのいろんなイリゲーションのプロジェクトを推進していく中で、相手国とその実施機関との横の連携ができてくるわけですね。こういった、ある意味ではセクター同士を横につないでいく、それがまたODAを僕は非常に力強いものにし、さきの援助合戦の中でもいい成果が出ていくんじゃないか。それをしっかり外務省さんとしては束ねていただく、これが大事だと思うんです。 今までODAでいろんな問題が出てきたというのは、外務省が一元的にやっていなかったから出たんじゃなくて、外務省さんというのはとにかくODAに対しては、本省それから現地の大使館、公館を含めて、圧倒的に一元的な体制になっているわけです。それで今までやってこられていろんな問題が出てきたのを、どうやってこれを解決していいODAにしていくか。ここはやはり外務省さんとしても知恵を絞って、このODAというのをしっかりしたいいものにしていくんだという観点から今度のこのいろんな組織の見直しに取り組んでいただきたい、こう思うわけですが、いかがでしょうか。 ○国務大臣(高村正彦君) ODAの一元化につきましては、中央省庁等改革基本法及び新たな外務省設置法におきまして、外務省がODAに関する政府部内の一連の調整事務を担うことになったわけでございます。 外務省といたしましては、関係省庁との協力関係の一層の緊密化を図りまして、効率的、効果的なODA推進に向けてはっきりと改善が見られるように努めてまいりたいと考えているわけでございます。従来より地方公共団体からODAに対する積極的な参加を得ているところでございますが、各省庁、地方公共団体、そして国民参加型の援助の推進の観点から、今後さらにNGOや地方公共団体との連携協力も進めていきたい、こう思っているわけであります。 委員から最初、一元化につきまして、基本的にはそうかもしれないけれども慎重に進めるように、こういうお話がありましたが、慎重に進めます。慎重に進めますが、基本的にはやっぱり一元化が必要だということをぜひ御理解いただきたい。 そしてまた、委員から御指摘があった、外務省に一元化すれば今まであった問題がみんななくなるかと、そんなことはないことはよくわかっております。つまり、いろいろなことで問題が起こっているわけでありますから、ますます各省庁のお力をかりなければいけない点もあると思っております。ただ、国の戦略として援助をする場合に、全体としての一元化、調整機能を外務省が強く持つということは必要だということを申し上げているわけで、各省庁の力は今まで以上におかりしたい、こういうふうに思っております。 ○佐藤昭郎君 一元化と並行して、連携というのもひとつよろしくお願いします。連携というのは、情報を共有して役割分担して事に当たるということでございますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。 次に、JICAにおける機構改革についてちょっと伺いたいんですが、今般、十一年度から新しい組織ができまして、カントリーベースの体制を整えようということで、地域別、国別の課がずっとできました。今までのセクターアプローチと並行して出てきたわけなんですけれども、私は、二国間援助の場合、いろんな報告書を読ませていただいても、セクターアプローチの記述になると非常にある意味では生き生きとした表現、要するにグリップしているなと。当然だと思います、具体的なプロジェクトは現にあるわけですから。 このセクターアプローチというのは、バイラテラルの援助の場合、僕は非常に大事だと思うんです。今般やや影が薄くなって、セクター別というのはカントリーベースの陰に隠れたような感じがするわけですけれども、そこら辺のセクターのやはり強化というのは僕は大事だと思うんです。そこら辺について、JICAの今後の実施体制、そういった面について伺いたいと思うんです。 ○説明員(飯村豊君) 委員御指摘のとおり、セクター別のアプローチ、これは大変に重要であることは言をまたないと考えます。 御承知のとおり、三つのアプローチがあるわけでございます。一つはセクター別アプローチ、それから二番目には円借款、無償資金協力それから技術協力、こういったスキーム別のアプローチ、それから三番目に国別、地域別のアプローチというのがございます。そのセクター別のアプローチというのは大変に日本は今まできちっとやってきたということでございまして、やはり私ども弱点がございますれば地域別、国別のアプローチに弱点があったと、これは率直に認めざるを得ないんじゃないかと思われます。 したがいまして、昨今来いろいろ政府部内あるいは党等から御指摘をいただきまして、やはりこの際、セクター別あるいはスキーム別のアプローチの従来の業績を踏まえて国別、地域別のアプローチを強めていったらどうかということがございますので、今回、先ほど申し上げましたJICAにおける機構改革では、従来の機能は維持しながらも地域別、国別アプローチを強化する体制をとっていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。 ○佐藤昭郎君 外務省さんに最後に、このODAについての情報技術の活用についてちょっとお願いしたいと思うんです。 五月二十六日付の毎日新聞に「海を越え在宅勤務」という記事が出ていました。後でコピーを差し上げますけれども。 これはワールドバンク、世銀の日本人の上級建設技官の川畑安弘さんという方が載っておられまして、従来ワシントンで勤務されていたんですけれども、今回日本で世銀の職員として御自宅でパソコンとインターネットを使ってお仕事をされると。七件の高速道路のプロジェクト、これは中国やカザフスタン等に持っておられるんですけれども、そこの総括マネジャー、タスクマネジャーをなさっているんです。ラップトップのパソコンを使って世銀本部のデータベースと連絡し合いながら、文書、伝票、それから日誌、そういうものを全部電子化して同じ仕事を日本でやるということで大変コスト的にもまた人員的にも非常に画期的な動きで、世銀はこれを徐々に取り入れていこうという動きがあるんです。 我が国のODAの体制も、各大使館で頑張っておられますけれども、あるいは現地のJICAやOECFの事務所等がありますけれども、こういった情報技術を大いに取り入れていくと今の限られた人間の中でかなりの効率を上げていけるんじゃないか、僕はこう思いますが、いかがですか。 ○説明員(飯村豊君) これも委員御指摘のとおりでございまして、私どもできる限り新しい技術を導入して事業の効率化を図っていきたいというふうに考えております。 JICAにおきましては幾つかのシステムが導入されておりまして、例示させていただきますと、こういった個別のプロジェクトの案件の登録管理を行うプロジェクト管理システムあるいは事業団全体の事業の実施状況を管理する事業実績管理システム、あるいは国別情報を集めましたシステム等々、これまでシステムを強化しているところでございます。 それから、外務省におきましても評価案件のシステムあるいは国別調査実績のシステム等々を構築しておりまして、これからこれをさらに強化していかなくてはならないというふうに考えております。 ○佐藤昭郎君 予算的にもなかなか大変ですけれども、しっかり応援させていただくということで、頑張っていただきたいと思います。 外務省、ありがとうございました。外務大臣、ありがとうございました。 防衛庁長官、お待たせしました。一問だけ防衛庁に伺いたいんです。 例の、例のといいますか、調達本部の問題がございまして、いろいろな改革をなされているのが今度の防衛白書を見てもわかったわけでございます。この防衛庁の調達、私はびっくりしたんですけれども、実に調達総額の八五、六%、一兆一千二百七十七億という金額が随契で調達されていたというところにやはり大きな問題があったのではないかということで、ここら辺いろいろな改革に取り組まれているということを今伺っておりますけれども、この今の契約のあり方、そして改革の方向について教えていただきたいと思います。 ○国務大臣(野呂田芳成君) 防衛装備品につきましては、企業が特別の設備を必要とする、したがって非常に多額の投資が必要だ、また特別の技術を必要とするということで、製造業者がどうしても特定、限定されるといううらみがございます。そういう経過から、長年随意契約が多くなってきたというのが一つの特性であったと思います。 今、委員から御指摘の今般の調達問題に関しても、御指摘のように、この随意契約による企業の選定過程や決定過程が外部から見て非常に不透明で、契約企業に対する審査能力、体制が十分整備されていなかったんじゃないか、こういうような御指摘もなされ、そのことも私たちは反省しなければいけない材料だと思っております。 防衛庁としては、これらの問題点を解決して再びこのような事案を起こさないようにするために、ことしの四月二日に「調達改革の具体的措置」を取りまとめまして、例えば護衛艦など複数企業が製造能力を有する場合は随意契約を全部やめて競争契約に移すと、それから随意契約を行う場合であっても複数の企業から提案等を聴取するなどしてできるだけ競争力を高めるような措置をとっていきたい、こういうこととしたわけであります。また、企業側からの提出資料の信頼性を確保するために、防衛庁の調査の受け入れ義務やあるいは関係資料、データの長期保存義務等を企業に契約で担保させる。それから、不適切な資料の提出をした場合にはこれも契約で違約金の支払い義務を課す、こういうような厳正な措置を講じたところであります。 一方、防衛庁職員の教育や研修ということも大変大事でございますから、これについても充実させる予算も確保することにいたしました。 防衛庁としては、企業側の工数の過大申告等を発見できるように企業契約の工数をマクロ的にチェックする体制を整えているところであります。 こういう観点から、必要な訓令等の改正も行いまして、目下調達改革施策を全力で推進している、こういうことでございます。 ○佐藤昭郎君 今、長官からいろんな改革が述べられたので、ひとつ一生懸命やっていただきたい。 それから、これは回答は結構ですけれども、先ほども外務省のところで申し上げたんですが、情報技術がすごく進歩しまして、調達事務でもCALS、コンピューター・エーデッド・ロジスティック・サポート、これは各公共事業官庁でも取り入れつつある。こういったものを取り入れることでかなりの透明性、効率性が図られるんじゃないかと思います。それもひとつよろしく推進していただきたいと思います。 最後に検査院の方に伺います。外務省関係、防衛庁関係があるので、時間がございませんので一括ということでひとつお願いしたいんです。 外務省関係で会計検査院はODAの検査をずっと行っておられますが、私も八、九、十年度の会計検査報告書を読ませていただいたんですけれども、やはり現地に行って一つ一つのプロジェクトを確認しながら、先ほどちょっと冒頭申し上げましたように、ほとんどが相手国政府あるいは実施機関の責に帰す理由によってこれがうまくいかなかったと、うまくいかなかったものも結論づけられたわけです。 そういうふうに一つ一つのプロジェクトに行かないと全体的な姿が見えてこないんだということはわかるんですけれども、やはりあり方として一つ一つのプロジェクトを検査されるのは、全体としての外務省なりJICAなりOECFの機能調査といいますか、機能検査といいますか、こういう調達手続のあり方はここはおかしいんじゃないかという全体を指摘する材料としてお使いになるのはいいんだと思うんですけれども、そういった指摘をしておられる年もありますけれども、そういったことを含めて、ODA検査というのは結局は相手国政府に責任がある。そして、プロジェクト自身の建設、実施についてはそちらに責任があるわけでございますので、国内の実地検査と違うアプローチがやはり要ると思うんですが、そこら辺をどういうふうに取り組まれ、また今後取り組んでいかれようとしているのか、これは外務省関係です。 それから、防衛庁関係につきましては、長官から話がございましたし、私も申し上げたんですけれども、随意契約が八五、六%、しかも金額が一兆一千二百七十七億、これだけのことが随意契約でずっとなさっておられたものに対しまして、一般の国内の他の事業機関から見ますと、えっというような話で、百万円以下のものに対しても細かな書類を整理し、検査院の御納得を得られなければ認められないというのが実態だということに比べると、随意契約の場合、この点についての検査院の検査というのはやっぱりもう少し改善すべき点があったんじゃないかと思うんです。 それで、こういった問題をとらえて今後どういう対応をとられようとしているのか伺いたいと思います、あわせて恐縮ですが。 ○説明員(関本匡邦君) お答え申し上げます。 ODAの方の関係でございますが、ODAの検査につきましては、先生御案内のとおり、外務省それからJICA、OECFというところに対して検査しているわけでございます。国内におきまして、こうした援助実施機関に対しまして書面検査あるいは実地検査というようなものを行っておるところでございますが、こうした検査の活動の一環といたしまして、先生今お触れになりましたように、現地の実態を正確に把握するということで必要に応じて海外に赴いて実態を見ているということでございまして、相手国の協力が得られた範囲で調査しておるわけでございます。 あくまでも私ども検査の対象は我が国の援助実施機関でございまして、そういう意味で現地調査もいたしました結果、効果が十分に発現していないといったような点につきましては、検査報告に記載しますと同時に、日本側の援助実施機関が効果を十分に発現するために必要な留意点といいましょうか、改善点ということを所見という格好で提起しているところでございます。 また、一昨年になりますが、OECFで実施しております開発金融借款という問題につきまして三年間ほど調査いたしまして、三カ国、四事業でOECFにおいて相手国内で行われている事業の実態把握が不十分ということで指摘をしたところでございます。 このように援助体制の評価という観点からも検査を実施しているところでございますが、今先生お触れになりましたように、今後もいろんな方面の御意見あるいは資料等を参考に幅広い観点から前向きにODAの検査に取り組んでまいりたいと考えております。 ○説明員(諸田敏朗君) お答え申し上げます。 防衛庁の調達につきましては、確かに委員御指摘のとおり、非常に随意契約が多いということはもちろんでございます。これは先ほど防衛庁長官が御答弁されましたとおり、種々の事情からそうなっているとは思いますけれども、私どももやはり最近におきましては相当市販品等も使えるのではないかということからの検査に重点を置きまして、これまでもそういった指摘もしているところでございます。 ところで、会計検査院といたしましては、防衛庁はその予算規模等にかんがみまして、従来から重要な検査対象の一つと位置づけております。そして、厳正に検査に取り組んできているところでございます。これまでに正面装備を含めましてさまざまな予算執行上の問題点を指摘し、当局に改善を求めてきたということでございます。 しかしながら、今回の過大請求事案を未然に発見できなかったということについては謙虚に反省しまして、検査の方法や内容について再検討したところでございます。具体的には、昨年十二月に原価検査を担当する専門班を設置し、また企業会計や原価計算に精通した人材を育成するため調査官を専門学校に派遣するなどの研修を強化したこと、また企業監査の専門家でございます公認会計士三名を特別調査職として五月から採用しております。その他必要に応じまして会社等から原価に係る資料を収集し、これを分析、検討するなどしまして検査マニュアルを作成しているところでございます。 いずれにいたしましても、今後とも防衛庁の検査につきましてはさらに充実を図っていく所存でございます。 ○佐藤昭郎君 終わります。 |