| 145-参-決算委員会-2号 1999年09月09日 ○佐藤昭郎君 自由民主党の佐藤昭郎でございます。松村先生に引き続きまして、国土庁そして建設省の平成八年度、九年度の決算、そしてその関連する事項をこれから審議してまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 通告書では建設省、国土庁という順番になっているんですが、時間をとります建設省は少し後ということで、国土庁、建設省ということでよろしゅうございますか。よろしくお願いしたいと思います。 まず、国土庁でございますが、平成八年、九年もそうでございますが、計画についての経費というのがやはり相当な額に上っていると。二十一世紀の国土のグランドデザインというのがございまして、これはいわゆる五全総ですか、四全総に引き続きます五全総という取り扱いになっているんですが、これもやはり毎年約十二億から十五億ぐらいのお金、十年に大体一回ぐらいの計画立案でございますから百四、五十億、計画・調整局の任務の相当部分はこのグランドデザインの作成というのに使われるわけでございます。 このグランドデザイン、これは平成十年の三月、九年度の末に閣議決定されたのですけれども、このときはかなりいろいろ取り上げられまして、多重国土軸による国土の創造とか、多自然居住空間とか、いろいろマスコミ等にも取り上げられましたけれども、やっぱり一年半たってみますと、さほど今のところ、そのフォローというのか、あれが余り国民の目に見える形になっていないのではないかと思います。 私は、計画そのものは非常にすばらしいもので、時々地方に参りますと、県や市町村の計画担当者がこのグランドデザインをベースにいろんなことをなさっているのはわかるんですが、もう少し国民の方に、これだけの期間と経費とお金をかけた、人手をかけたわけでございますから、フォローアップすることもあろうかと思いますが、この点について国土庁の現在の推進方策等について伺いたいと思います。 ○説明員(小林勇造君) お答えいたします。 御指摘ございましたように、二十一世紀の国土のグランドデザインが策定された昨年三月以降、国土庁におきましては、この計画の効果的かつ着実な推進のために以下のようなことをやっております。 まず第一点は、全国でシンポジウムを開催したり、あるいはマスメディアを通じた普及、広報を図っておるということが第一点でございます。それから第二点が、地方公共団体に対してこの計画に関するアンケート調査を実施している。それから第三点目は、関係二十二省庁から成る二十一世紀の国土のグランドデザイン推進連絡会議を設置して、政府全体としてこの計画を推進する取り組みの仕組みをつくってございます。それから第四点目が、地域のブロック計画等の各種地域計画の策定をしております。それから第五点目が、地域戦略プランの推進、こういうことをやっておるということで、計画の推進のための取り組みを精力的に実施しております。 また、本年一月以降、国土審議会において計画の効果的な推進方策に関する調査、審議を開始し、計画に掲げる四つの戦略、御指摘のございましたような多自然居住地域の創造等四つの戦略の具体的な推進方策として、二十一世紀の国土のグランドデザイン戦略推進指針を本年六月に策定しております。 今後でございますが、今後は、引き続き国土審議会等の意見を踏まえつつ、関係省庁一体となった緊密な連携のもと、二十一世紀の国土のグランドデザインを一層効果的に推進していくということを予定しております。 以上でございます。 ○佐藤昭郎君 次に、地籍調査について伺いたいと思います。 この地籍調査は、一般的になじみのない言葉であり、あるいは業務であるかと思いますけれども、非常に大事な業務でございます。御案内のように、不動産登記の基礎資料なり土地利用計画の策定、公共事業の実施等に当たってはこれは非常に大事な資料でございまして、これに基づいて比較的早くまたコストも安く社会資本の整備ができるという大変大事な、土地の戸籍とも言っていい調査でございますが、これが西欧ではもう約一〇〇%終わっているというお話でございますが、我が国では非常におくれている。 現状はどのようになっているのか、お聞かせ願いたいと思います。 ○説明員(小林新一君) お答えいたします。 地籍調査は、一筆ごとの土地の所有者、地番、地目を調査するとともに、境界、面積についての測量を行い、その結果を地図及び簿冊に取りまとめるものであります。先生御指摘のように、いわば土地に関する戸籍の調査ともいうべきものでありまして、非常に重要な調査であるというふうに認識しております。その重要性にかんがみまして、現在、第四次国土調査事業十カ年計画に基づきまして調査の推進を図っております。 しかしながら、本調査の実施に当たりましては、一筆ごとの土地の位置や境界の確認に多くの時間と労力を要するなどの要因によりまして、第四次計画が終了する本年度末におきましても全国の調査対象面積に対しまして四三%の進捗率、このうち特に都市部にありましては、筆数が多く権利関係がふくそうしているなどの要因も加わりまして一七%の進捗率にとどまる見込みであります。 調査の積極的な推進に努めることが極めて重要であると考えております。 ○佐藤昭郎君 今ほど局長さんの方からお話がございましたが、その意気込みは大変貴重で頑張っていただきたいと思うんですが、私はやはり容易ならないことだと思う。今まで一年で一%しか進んでいない。 ここに地籍調査の、先ほどの十カ年計画が発表されたときの新聞記事がございましておもしろいことが書いてあるんですけれども、国土調査に関する懇談会の座長を務められた中村英夫座長のお話なんですけれども、コンピューターのない十九世紀にナポレオンは五十年で地質調査をやった、抜本的な促進策を打ち出さないなら座長を引き受けない、こういう御発言をなさったようでございます。 これは本当に長官にお尋ねしたい、また長官の御決意をここでお願いしたいんですけれども、太閤検地に比すべき平成の検地というべき大事業でございます。平成八年、九年もそうでございますが、十一年でも予算は百三十億ぐらいしかなかなか伸びていない。ここら辺、大事な仕事でございますので、計画どおり進むようにひとつ御決意のほどを長官の方からお願いします。 ○国務大臣(関谷勝嗣君) 現行の第四次国土調査事業十カ年計画が御指摘のように本年度をもって終了するわけでございますが、平成十二年度においては、新たな調査促進方策の導入というようなことも図りまして、第五次国土調査事業十カ年計画の策定を行いまして、地籍調査の緊急かつ計画的な推進に努めてまいりたいと思っておるわけでございます。 まだ四十数%、そして都市においては一七%というような大変なおくれがあるわけでございます。特に都市部におきましては、今答弁がありましたように、なかなかいろいろな権利関係が交錯しておるようでございますが、そういうようなこともある程度、強力に打ち破っていって、もっとこの率を上げていくということをやっていかなければならないと思っておりますので、鋭意、一生懸命努力をいたしたいと思っております。 ○佐藤昭郎君 よろしくお願いします。 それから、国土庁の方に最後でございますが、先ほど松村先生は地方整備局ということで省庁再編後の二十一世紀の地方の部局の行政について御質問をなさったわけですが、私は、二十一世紀における土地と水資源の行政について、ひとつこれはしっかり心にとめていただきたいという意味で、今、大臣の方にお尋ねしたいんです。 御案内のように、現在、国土庁の土地局、それから水資源は水資源部というところで、各省庁にまたがります土地と水の行政のある意味では総合調整、取りまとめをなさっているわけでございます。 水について申し上げますと、もともとは建設省が治水、そして利水が、通産、工業用水、厚生、水道用水、農水、農業用水と、こういうふうに利水の三省と言われておるわけでございますが、そのほかいろんな関連する政府機関を総合調整する場として、まず、経済企画庁にたしか昭和四十年代の前半だったと思いますけれども水資源局ができまして、それが国土庁ができたときに国土庁に移っていった。ここで各省にまたがります水の行政を総合調整してきたという歴史がございます。現在もしていられます。それから、土地についてもやはり同じようなことが言えると思うんです。 これが今度、二〇〇〇年の一月からは国土交通省ということで、同じ大臣の中に、同じ大臣というのは、例えば治水を担当されます河川局を所管されます大臣のもとに入っていく、こういうことになるわけでございます。 歴史的な経緯を見ますと、例えば水の管理について見ますと、やはり河川管理の公平性、中立性、そういう点から現在も例えば河川管理者自身が利水開発、ダムをつくって水資源を開発するというのは河川法の特例で例外的に認められるというような、そういった一応整理がされているわけでございます。 そういった中で、これは縦割りの弊害という言葉でいろいろ取り上げられておりますけれども、やはり縦割りを総合調整していく機能がしっかりあれば私はそれはしっかりした行政が可能だと思いますし、むしろこれが一つの省庁に集中したときの弊害の方も防いでいかなきゃいけない。二十一世紀の土地そして水の行政を所管していく上では非常に大事なポイントだと思います。 そういった意味で、国土交通省におかれましても、これは国土庁長官にお尋ねするというよりも、そういった精神を、現在、各省庁の設置法に伴います政省令の規定等が行われておりまして大事な時期でございますので、そういった総合的な調整機能をしっかり引き続き持っていただけるようによろしく御指導願いたいと思うんですが、いかがでございましょうか。 ○国務大臣(関谷勝嗣君) 今までの土地また水資源の行政の省庁間の調整を国土庁が進めてきたところでございますが、国土交通省になりますと、仮称ではございますが、土地・水資源局というのが置かれるわけでございまして、そこにおきましては、地価対策を初めとする土地に関する総合的かつ基本的な政策の企画立案、推進、次に水資源開発基本計画を初めとする水の需給に関する総合的かつ基本的な政策の企画立案、推進というような、多くの省庁との横断的な調整を必要とする業務を担当するとなっておるところでございます。 これによりまして、省庁再編後もまず、都市あるいは農地あるいは自然公園、また河川、水道、農業水利といった個別の行政を担当する部局との連携を十分とりつつ、引き続きバランスのとれた行政を総合的に進めていくことができると思っておりますが、先生御指摘のようなことを十分に頭に置いて進めていくようにまた指導をしていきたいと思っております。 ○佐藤昭郎君 ありがとうございます。 非常に大事な点でございますので、その所信といいますか、二十一世紀の土地・水資源行政の推進、またよろしくお願いしたいと思います。 次に、建設省の方に伺いたいと思います。 まず、災害関係でございますが、先ほど松村先生の方からもお話が出ましたけれども、私も去る九月三日に新潟県の新井郷川流域、福島潟関連の放水路の災害復旧工事の現状をちょっと見てまいりました。これは、平成十年八月四日に八・四水害ということで大変な被害が出たわけでございますが、それを復旧しようという事業でございます。 これは大臣の方にも直接伺いたいと思うんですけれども、私、現地に参りまして、新しい制度に基づきます事業が非常に地元に喜ばれて進んでいる。これは河川災害復旧等関連緊急事業、略して復緊と言っておるわけでございますが、これが非常に、今までなかなか進まなかった福島潟放水路の工事を、この事業を取り込むことによりまして、平成十四年でございましたか、完成のめどが、これは予算の獲得次第でございますが、そこを大臣にお願いしたいんですが、めどが見えてきたということでございます。 先ほども気象庁のお話がございまして、日本の降雨形態が、例えば月間雨量で大分ふえてきている。私は、東南アジア型の降雨形態になりつつあるのではないかと心配しておるわけでございますが、非常に局所的な豪雨が多くなってきている。こういうときにこういった事業というのは非常に大事になろうかと私は思いますが、ここら辺、この事業、そして平成十二年でも傾斜地等についての制度要求をされていると思うんですが、この推進の方についてお考えを伺わせていただきたいと思います。 ○国務大臣(関谷勝嗣君) まず、復緊事業、河川災害復旧等関連緊急事業というものでございますが、これは私は本当に画期的な制度ができたと思っておるわけでございまして、平成十年に新潟県の新井郷川等を初めとする全国的な河川災害が多発いたしまして、当時の制度でございますと、上流、下流のバランスの制約から再度災害防止のための十分な改良復旧というのができなかったわけでございます。上流だけを完全に整備しますと、それがどっと一度に下流に流れて今度下流でまた災害があるというようなことで、当初から原状復旧というような形で行っておったものでございますから、災害が起きたところでまた再度災害が起こる、一体どういうその後の処理をしておったのかというような声をよく聞いたわけでございます。そういうようなことからこの復緊事業というのができまして、重点的に予算を張りつけて上下同時に改良をするというようなことでございまして、平成十一年に創設された制度、先生の御指摘のとおりでございます。 本制度によりまして、現在、福島潟放水路を初め十一河川においておおむね四年間で上下流のバランスのとれた抜本的な対策を実施するべく努力をしておるわけでございます。福島潟がああいうような災害といいましょうか、に遭いましたときに私も現地を視察したわけでございますが、この復緊事業ができておりますればああいうようなことは本当に起こっていなかったと思うわけでございまして、ちょっと遅きに失したことはございますが、今そういうようなことで鋭意対処しておるわけでございます。 本年度発生しました災害におきましても、約十カ所の河川で本制度の採択要望がありまして、概算要求にも盛り込んでいるところでございまして、十二年度の復緊事業は事業費が約五百三十五億円でございまして、概算要求は国費といたしまして三百億円を要求しているところでございます。 ○佐藤昭郎君 大変いい制度で、現地でも喜ばれておるわけでございますが、ここで一つ問題があるわけでございます。 きのうも岩本議員からお話がございましたけれども、財政が非常に厳しい中でこういう公共事業についてもニーズが非常に大きい。どうしてもやっていかなきゃいけない。ここをどうしていくか。現地でも、復緊事業でスムーズに進むのはいいんだけれども、その分ほかの事業の予算がしわ寄せを受けるのではないかという懸念があったわけでございます。 そこで、決算委員会としては、必要な事業をどうやってこの厳しい財政の中で実行していくかという点がポイントになろうかと思います。公共事業のコストの縮減というのも、これは三カ年計画で一割という縮減計画を持ちながら今頑張っておられます。よりよいものをより安くということでございます。 一方では、先ほど松村先生の方から中小建設企業のお話がございました。現在、全国で五十七万社、六百六十二万人の雇用を持つ建設業、ここもコスト削減あるいは経済が安定成長に行った場合については公共事業がずっと下がっていく、そういった点で非常な努力をしておられるわけです。これからどう生き延びていくか、大変な努力をしておられます。 こういう状況の中で、必要な公共工事をどうやってしっかり実施していくか、大変難しい問題だと思います。PFIというのが最近非常に取り上げられておりますが、これは別の機会に譲るといたしまして、現場でコストを削減しながらよりよいものをつくっていく、その方策というのは現在どういうふうに取り組んでおられるのだろうかとか、私はこういったことを中心にひとつ質問をさせていただきたいと思います。 平成八年、九年の会計検査院の決算報告書、会計検査院の決算の概略を読ませていただいたんですけれども、残念ながらやはり相変わらずといいますか、これは補助事業でございますから建設省さんの直轄ではないわけでございますが、八年度、九年度、工事の設計が適切でないもの四事業、工事費の積算が過大三事業、工事の施工が設計と相違しているもの二事業、これは平成八年でございますが、残念ながら九年もまた同じようなものがあり、そしてまたほかの省庁のいろんな公共事業あるいはそのほかの補助事業でも指摘されているわけでございます。 こういう状況の中で、特に最近のトピックスといたしましては、例の山陽新幹線のトンネルの上部のコンクリートが剥離して落ちてきたというような指摘が新聞紙上でもございました。これは一九八〇年代の前半ごろに一度取り上げられまして、また阪神大震災のときにも手抜き工事ということで大騒ぎになりまして、こういうことは高度経済成長期の一つの負の遺産といいますか、その当時のことが今あらわれてきたわけで、それ以来、発注者側もまた建設業者側も非常に気をつけて、こういった今の状況というのは随分改善されてきていると思います。 先ほどの指摘も補助事業中心でございますが、やはり直轄事業で、特に国民の公共工事に対する安心感といいますか、不安感というのを除去する点で、最近直轄工事においてコンクリート構造物の品質管理、施工管理等についてどういう工夫をされているか、伺いたいと思います。 ○説明員(小川忠男君) お答えいたします。 コンクリート構造物の品質管理でございますが、基本的にはまず受注者の責任を明確にするというふうな観点から、契約当初におきまして使用材料の品質でございますとか、あるいはコンクリートの打設方法等、これをきっちりと明示するというふうなことをやっております。また、受注者におきましていろんな試験ですとか所定の品質管理を徹底するように求めております。 また、一方、発注者側の立場といたしましても、基本はやはり現場におきます施工状況を把握するというふうなことだろうと思います。そういうふうな観点から、鉄筋の配筋状況等々を写真で検査する、場合によっては現場でのコンクリート強度等の検査を行うというふうなことをやっております。 ただ、そうはいいながら、現実にいろんな問題が最近発生いたしております。そういうふうな観点から、私ども建設省と運輸省、それから農林水産省、三省でコンクリート構造物の耐久性についての検討委員会というふうなものを設けまして、いろんな角度から念のため精査し、検討しようというふうなことにしております。たまたまでございますが、昨日第一回目の三省の検討委員会をやらせていただきました。 また、いろんな観点から品質に関しますマネジメントシステムといいますか、ISO9000、これについては平成十二年度から具体的に導入するというふうなことを念頭に置いて現在検討を進めております。また、環境のマネジメントシステムでございますISO14000というふうなことについても前向きに検討に着手したばかりでございます。 また、ISOシリーズを駆使して万全の体制を構築するというためには、いずれにいたしましても情報基盤といいますか、情報の電子化というふうなことが大前提になろうかと思います。こういうふうなことから、CALSにつきましても新しい体制を構築するための前提条件といたしまして、全力を挙げて取り組んでいるわけでございます。一つだけの方策で万全を期すというわけにはなかなかいかない問題でございますので、いろんな角度から総力を挙げて取り組みたいと思っております。 ○佐藤昭郎君 今、官房長の方からコンクリートの品質管理以外にももっと幅広く発注者側としての取り組みについてお話がありました。私、非常にこれは大事な取り組みだと思います。よりよい公共工事をより安く実施していく、そしてそれも行政改革で人を減らしながらですから、本当にこういうことができるんだろうかということで、難しいんじゃないだろうかなと私は思っておったわけでございますけれども、今、官房長から御説明がございましたように、二十一世紀を迎えるに当たって今までと違う展開が出てきて、これをうまく活用すれば可能じゃないだろうか、こういう確信を今持ちつつあるわけでございます。 官房長の方からお話しございましたけれども、ISOシリーズ、品質の国際規格を新たに建設業界の中に入れて、そしてそれで不適格、不良業者というのがある意味では排除されていく、こういうシステムができ上がっていくんじゃないだろうか。 それから、情報技術、これもすばらしい発達でございまして、これをうまく取り入れれば相当のコスト縮減をしながらいい公共工事がやっていけるんではないかという感じがいたします。例えば平成八年、九年の会計検査の指摘を見ましても、意外と設計と施工の現場が合わない。これは多分図面の取り間違え、写し間違え、こういったものに基づく施工不良。それから、ロックボルトの施工が不適切ということで平成八年、九年も指摘がありまして、これはある意味では手抜き工事ですね。そういったものも情報技術の発達で、現場のデジタル写真を随時監督員あるいは事務所の方まで送っていってネットワークでこれを共有するようなことができれば防げるんではないか。これが、先ほどお話しありました建設の方でやっておりますCALS、コンピューター・エーデッド・ロジスティック・サポートというのか、いろいろな頭文字の適用がございますけれども、やはり伝票、図面、仕様書といったものを全部電子化しまして、それを発注者側と受注者側で共有していく、こういうシステムが建設工事のコストダウンにつながっていくんじゃないか、こういうことで、ひとつ大いに進めていただきたいと思います。 これと関連しまして、全体のプロジェクトマネジメントといいますか、これも今建設省は取り組んでおられるというふうに伺います。今のような環境のマネジメントシステム、これはISO14000ですけれども、品質がISO9000、こういう品質や環境のマネジメントに加えていろんなコスト、スケジュール、リスク等を取り入れましたプロジェクトマネジメント、これは多分発注者側もそれから受注者側にも導入していいものをつくっていこうというシステムだと思うんです。これが電子情報技術の発達で本当に具体的になってきたわけですが、ここら辺もし建設省の方で情報が何かございましたら、プロジェクトマネジメントのこれからの展開方向。 そして、今我々は直轄事業のことで話しているんですけれども、全国には三千の地方公共団体、市町村があるわけでして、ここでこういった事務能力といいますか技術能力といいますか、そういうものがないところもいろんな工事をやっぱり発注していかざるを得ない。ここの品質管理、コストダウンというのがキーポイントになろうかと思いますが、そこら辺の地方公共団体の指導という点ももしありましたら教えていただきたい。 ○説明員(小川忠男君) 今の御質問は非常に重要な点があろうかと思います。 私ども建設省の立場は、まず直轄事業というふうなものの施工の過程を通じていろんな意味での新しい試みというものを試し確立していくというふうなのが一つございまして、先ほど御答弁申し上げましたように、いろんな点について今努力させていただいております。 それからもう一つは、やはり日本全体の公共事業を考えますと、直轄はできても公共団体ではその力がない、能力がない、ノウハウがない、これは現実問題としてございます。したがいまして、いろいろ地方建設局あるいは公共団体との連絡組織を通じまして、私どもがつくり上げたノウハウというふうなものをできるだけ応援し、公共団体に浸透させていくというふうな点がこれからますます大きなテーマになってくると思っております。 ただ、いずれにいたしましても、プロジェクトマネジメント等々、ここ数年でございますが、いろんな分野で私ども努力させていただいております。 また機会がございましたら、いろいろと御報告させていただきたいと思います。 ○佐藤昭郎君 次に、土地収用制度の積極的な活用について伺いたいと思うんです。 公共工事をより安く、よりいいものをつくっていく、それには工期というのが非常に大事になってくるわけですが、我が家の近辺でも随所に用地買収がうまくいかないために本当に効果がなかなか発現できない。多分あれは物すごいコストの増加につながるし、また国民に対する利便の早期発現という点から見ても大問題だと思うんです。 土地収用制度の重要性については建設省さんも認識されておられて、平成十一年の建設白書でも、これは以前より増してこの制度の活用を図りたいということが書かれております。私は、公共工事の効率的、効果的な施工でこれは非常に大事な制度だと思いますので、事業認定大臣としての立場あるいは企業者としての建設省の立場、両方あろうかと思うんですけれども、この制度の活用についての意見を伺いたいと思います。 ○説明員(風岡典之君) お答えいたします。 公共用地の円滑な取得、また事業の早期実施のためには土地収用制度の積極的な活用というのは、私どもとしても非常に大切なことであるというように思っております。 建設省におきましては、これまで、土地収用制度を積極的に活用するという方針のもとに、数次にわたりまして通達等で種々の取り組みというものも行ってきたところであります。 具体的には、若干古くなりますけれども、昭和六十三年時点では、事業認定に当たっての手続保留制度の活用というようなこととか、あるいは事業認定の審査資料をできるだけ簡素化するとか、あるいは収用委員会の委員も一部の委員によって審査をできるような手続、そういう意味の手続の迅速化、こういった措置について通達を流しております。また、平成元年度には、直轄事業についてでありますけれども、例えば用地取得の割合が八〇%を超える、あるいは用地ぐいを打ってから三年経過する、いずれか早い時期が到達した時点で収用の手続に乗せる、こういったことをルール化して、これは今先生御指摘の企業者としての立場でございますけれども、そういった立場からの建設大臣から地建局長等にも指導したところであります。また、平成四年には、事業認定の申請の審査期間、これをできるだけ短縮していくということで、これも主要な企業者あてに通知をしたところであります。 この結果、建設大臣が行います事業認定の件数というのは、それ以前は年間で百件程度でありましたけれども、それ以降、百五十件とかあるいは二百件とかということで、ある程度ふえてきているということであります。 私どもとしましては、今申し上げました通達の趣旨をこれからも徹底することなどによりまして、収用制度の積極的な活用、早期の事業の実施、こういったことについて努力をしていきたいと思います。 ○佐藤昭郎君 大事な制度でございますので、ひとつよろしく活用の方、お願いしたいと思います。 次に、公共工事をより安く、より効率的に効果的にという点から見ますと、新しい技術をしっかり活用していくということがやはり大事になってくるかと思うんですが、その点でリサイクルの問題と、ほかにもう一つほど伺いたいと思うんです。 この九月六日に北海道で国際シンポジウムがございまして、バイオリサイクルとコンポスティングの国際会議、日本でこの種の会議は初めてだと伺うわけでございますが、いろいろな、主として生物系の廃棄物、人や家畜に基づく排せつ物、これをどうやってうまく活用していくか、リサイクルしていくかという国際シンポジウムで、三十カ国から四百名ほどの人が集まったシンポジウムに私は出席したわけですが、我が国の場合、欧米に比べますと、リサイクルそしてコンポスト、こういった取り組みがおくれているというのは否めない事実でございます。 建設省さんが所管されます廃棄物、これは建設白書にも載っておるわけですが、この中でもいわゆる生物系廃棄物、これは建設省さんの場合、下水の汚泥あるいは建設用の木材、こういったものの利用になるわけでございますが、なかなかこのリサイクルの率が余り上がっていないんです。上がっていなかったといいますか、徐々に上がりつつあるというのを私は建設白書で見てびっくりしたんです。 建設リサイクル推進計画97というのを平成九年に策定されまして、平成七年現在、例えば下水道汚泥のリサイクル率一四%。これは最終処分場に行くものが残りということになりますね、焼却とか埋め立てとか。それ以外でうまくリサイクルするのが一四から十二年には六〇に上げる。発生木材は四〇から九〇に上げる。これは大変な目標だと思うんですが、ここら辺の取り組みがこのとおりうまくいっているのか、あるいはこれから取り組まれる方針といいますか、そういった点について伺えればお願いしたいと思います。 ○国務大臣(関谷勝嗣君) 建設廃棄物は全産業廃棄物の排出量の二割になっておりまして、最終処分量の四割を占めるというようなこと、そしてリサイクル率は平成七年度で五八%。平成二年が四二%ですからかなり進んでいることは進んでいると思います。 建設省では、平成十二年度の建設廃棄物全体のリサイクルの目標率を八〇%といたしまして、工事の計画・設計段階からの取り組みの徹底を図るなど、必要な施策を進めているところでございます。特にリサイクルのおくれております建築解体廃棄物でございますが、これは分別で分けて解体することなど、リサイクルの促進について、今後これをもっときちっと進めていくためには法制度化もやらなければならないと思っておるわけでございますが、そういうようなことでなお進めていきたいと思っております。 それから、御指摘のございました下水の汚泥の有効利用の促進でございますが、これは肥料などのいわゆるコンポスト化施設等の有効利用施設の整備とか、あるいは技術開発を推進しているところでございます。 下水汚泥の発生率のうちの四五%に当たる八十三万トンが平成九年度におきましては有効利用されているというようなことが現状でございますが、建築廃棄物などは特に法律で縛るということも考えて、なお進めていきたいと思っております。 ○佐藤昭郎君 大事な部分だと思います。 また、例えば生物系廃棄物のリサイクルの場合、いろいろな分野にまたがる、また地域もまたがる。有効利用のためには、建設省さんの下水の汚泥に例えば家畜の排せつ物をまぜると窒素分が上がっていいコンポストができるとか、いろんな分野間の連携。そしてまた地域も、都市部の廃棄物を農村部である意味では農地還元なんかをしていくという幅広い取り組みが必要だと思いますので、こういった連携の方もひとつよろしくお願いしたいと思います。 次に、もう一つ、公共事業のコストという点から見まして、下げる新技術としてちょっと注目して推進していただきたいというのがGISです。この技術でございます。ジオグラフィカル・インフォメーション・システム、私も自分の車にカーナビをつけてもう数年になるんですけれども、DVDのディスク一枚に全国の電話番号が全部入っているし、全国の地図が全部入っている。トラック一杯分の資料を車に積んで走っているようなものと同じでございまして、これで改めてこの方面の技術がいかに便利になるか再確認したんですけれども、これはやっぱりいろんな意味で、公共事業を実施していくときの効率化、効果的な実施につながっていくのではないかと思います。 例えば、もう御案内だと思いますけれども、各省が持っております地図情報、森林の情報、農地の情報、これは農水省の場合ですが、建設省さんはいろいろ国土地理院を中心に膨大な地図情報を持っておられる。これをデジタル化しまして、GISの場合は情報の仕様をうまく決めますと統合してデータベースにつくっていける、そういった今までやろうと思っても手間がかかってなかなかできなかったことが現実になってきた、現に取り組まれております。 それから、国民へのサービスも、いろんな地図情報を住民にわかりやすく提供している市町村もあるわけでございまして、ここをうまく活用しますと、いろんな意味で公共事業の工期、コスト、そして市民生活、国民の生活がうんと改善されていくと思うんですが、建設省さんは国土地理院を中心に取り組んでおられます。現状と将来、これを進めていくというひとつ意欲をお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。 ○説明員(小川忠男君) お答えいたします。 政府部内では関係省庁二十三ございますが、GIS関係の連絡会議を構成いたしております。私どももその主たるメンバーとしていろいろ努力しているというふうなことでございますが、平成十一年三月に連絡会議で国土空間データ基盤標準及び整備計画というのが決められました。建設省では、これに基づきまして、国土地理院を中心といたしまして、基礎的あるいは基盤的な地図の電子化でございますとか、あるいは道路、河川分野におきますいろんな地図の図面について電子化を推進しているわけでございます。 ただ、問題の一つは、個別分野でいろいろ努力はいたしておりますが、それをどう体系的に活用するのかというふうなところにつきましては、率直に申し上げまして、いまだしというのが素朴な実感でございます。 したがいまして、平成十二年度からでございますが、関係省庁あるいは民間と協力いたしまして、幾つかのモデル地域を決めまして、いろんな立場の主体がいろんな情報を電子化しているわけでございますから、御質問にもございましたように、それらのデータを共有化するとか、あるいはそれらを活用して何が可能になるのかというふうなことについて、高度利用の実験といいますか、例えば環境分野においてどういう活用が可能なのかということをいろんな分野で少しシミュレートして、活用の仕方を体系化しようというふうなことを現実に即して少しきちっとやってみようという段階に来つつあるという状況でございます。 ○佐藤昭郎君 次に、河川局の方に伺いたいと思うんですが、今度の建設白書でも、河川と地域の関係、これは地域と河川の関係の再構築ということで、地域住民の方々と河川あるいは河川の水流、こういったものをいろいろ親しみやすくしていく、関係を再構築していくというのを出されておられますが、私はこの観点でひとつこの点は推進したらどうかと思っておるんですが、地域用水という一つ概念がございます。これは主として農業用排水路を活用して、農業生産ばかりでなくて、景観なり地域の住民の方の潤いの場としてそれを親しんでいただく、あるいは防火や消雪用水として使っていくというこういう広い概念の、地域のための用水という概念でございます。 これは背景としては、江戸や明治とまでいかなくても、高度成長時期以前までは実は農村地域あるいは都市近郷の農業用水を利用している地域では幅広く見られた利用形態でございますけれども、水利施設を近代化していき、そして慣行水利権を例えば許可水利権に変えていく過程で水利権の場でも少し抜け落ちていきましたし、施設の面も効率第一ということで、こういった利用がややおざなりにされてきたということがあります。 現在、どういう状況かと申しますと、さきの国会で食料・農業・農村基本法、新しい農業基本法が通りまして、そこでも農業の持つ多面的機能、生産性以外の国土や環境の保全、そういった機能を重視すべきだという意見が法律に定まりまして、こういった形で農業や農村というものも積極的に参画していこうという理念が打ち出されて、一つの手段といいますか、たくさん手段があるんですが、一つがこの地域用水という概念でございます。 この地域用水、具体的には、今農業用水の場合、全国で農家の自治的団体であります土地改良区が中心になってこれを管理しているわけでございますが、この改良区も、例えば非かんがい期にその水路に水を通しまして、それが市民や住民のためになるなら、その管理は手間がかかるけれども引き受けようという意欲のある改良区も出てきておりますし、現にこういった利用をしているところもございます。部分的にはこの概念は実現化しているわけでございますが、もう少し幅広く実現できればというふうに考えておりますが、この点、いかがでしょうか。 ○説明員(竹村公太郎君) お答えいたします。 農村部または都市のいかんにかかわらず、国民生活におきまして水が果たす多様な役割、つまり飲み水や農業用水、工業用水、経済産業活動以外の多様な機能に急速に関心が高まっておると認識しております。 建設省といたしましても、これらの多様な水の需要にこたえるべく、例えば消流雪用水の確保だとか、地域の潤いと触れ合いのある水辺空間の創出などに取り組んでまいりました。さらに、それらの水利用についても弾力的な措置をとるなどして対応してきたところでございます。 ただし、新しい多様な水の利用につきましては、河川に流れる水量の量的な制約やその流域におきます多岐にわたる水利用者との調整などの制約もありまして、すべての要望におこたえすることは困難な場合もありますが、流域の方々の要望に可能な限りこたえることができるよう、関係省庁、地方公共団体などとも幅広く連携しながら、今後とも積極的に取り組んでいく所存でございます。 ○佐藤昭郎君 ひとつよろしくお願いしたいと思います。 最後でございますが、先ほども松村先生からも地球温暖化のお話がございました。私も今月九州に参りまして、環有明海・八代海の発展のためのシンポジウムというのが熊本の八代の方でございまして、これにちょっと出させていただいたんです。 地球温暖化によるいろんな現象の中でも、例えば海面の上昇、これは全世界平均で五十ないし百年で十四センチ、所によっては四十七センチというような今最も新しい情報が出ておる、そういった現象でございます。 これによります有明海、八代海あたりの海岸地域の堤防については心配だという研究なり発表がなされております。これは、日本技術士会の熊本地区というNGO組織が独自に研究されまして発表された。僕は大変な取り組みだと思うんです。この海岸堤防というのは、地盤沈下や後背地の排水不良、そして前面の干潟のヘドロの堆積でいずれ直さなきゃいけない。これは二十一世紀に向けて直していかなきゃいけないんですけれども、そのときに海面上昇による要素を加味して、オランダは国土の三分の二が海面下ということですばらしい海岸堤防をつくっておられるが、多目的海岸堤防といったものに思い切ってつくりかえていく。そして、有明海地域の全体の交通ネットワークもつくり、もう一つ、荒尾と大牟田の沖に国際ハブ空港もつくったらどうかというような壮大なビジョンをお持ちの考えを発表されました。 こういったことを見るにつけても、こういった中長期的な課題について、建設省さんは海岸を所管する四省庁の一つでございますけれども、海岸堤防の海面上昇を考慮に入れた設計などは少し視野に入れておられるのかどうか、少し長期的な話でございますから、よろしくお願いしたいと思います。 ○説明員(竹村公太郎君) 御指摘のありました地球温暖化に伴う海水面の上昇につきましては、一九九五年、世界の専門家を集めた国連の気候変動に関する政府間パネルの予測によりますと、二一〇〇年では、低目高目の幅はありますが、中位の予想では五十センチ程度海水面が上昇すると言われております。 これに基づきまして、土木学会がいわゆるゼロメートル地帯に存在する人口、資産等を試算しております。海水面が五十センチ上昇すると、現状と比較して満潮時でゼロメートル地帯の面積が八百六十平方キロから千四百十平方キロへ増加いたします。そこに住む人々も、人口で約二百万人から約二百九十万人へ増加し、資産でも五十四兆円から七十七兆円へ増加すると言われております。 さらに、海水面が上昇いたしますと海岸の水深が深くなります。深くなりますと、実は波の高さが高くなる現象がございます。ですから、この海水面の上昇の影響というのは、海面の上昇量の五十センチのみではなくて、波浪が高くなるという現象を伴います。 我が国は、御承知のように四方を海に囲まれておりますし、そして主要な都市や中枢機能はすべて海岸に集中しております。この地球温暖化による海水面上昇は、国土保全上極めて重要な課題と認識しております。 今後とも、私どもは、関係省庁と連携をとりながら、潮位または波の高さの変化等について十分に監視し、長期的な視点に立った対策を関係省庁と協力して検討していきたいと考えております。 ○佐藤昭郎君 ありがとうございました。 こういった問題に取り組んでおられるNGO組織等の皆さんも大変力づけられた今の御回答ではなかったかと思います。 少し時間を余しましたけれども、これで終わらせていただきます。 |