参-経済産業委員会、環境委員会連合審査会 第1号
平成十四年七月二日(火曜日)

○委員長(保坂三蔵君) ただいまから経済産業委員会、環境委員会連合審査会を開会をいたします。
 先例によりまして、私、経済産業委員長の保坂三蔵でございますが、環境委員長の堀委員長もおいででございますが、審査会の会議を主宰させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
 使用済自動車の再資源化等に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は、お手元に配付いたしました資料のとおりでございますので、御了承のほどをお願いいたします。
 これより直ちに質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

○佐藤昭郎君

 おはようございます。
 まず、この本法案につきまして参議院で連合審査会を今日持てたということでございます。両委員会の委員長始め委員の各位、特に親委員会であります保坂経済産業委員長始め経済産業委員会の諸氏に心から敬意と御礼を申し上げたいと思います。
 さて、この法案でございますけれども、これまで衆議院、そして経済産業委員会、参議院において質疑が行われてきたわけでございますが、私もこの法案、基本的にいろいろな大きな流れの中、循環型社会形成基本法、そのほか家電リサイクル、個別のリサイクル法、ずっと大きな流れの中で、お祭りでは大きなみこしは最後に出てくるといいますけれども、正に個別リサイクル法の最後といいますか、一番重要な法案を大変な御努力を重ねられて、平成九年の五月辺りからは使用済み自動車リサイクル・イニシアティブ、こういうのも始められまして、それから各種の審議会、専門委員会のいろんな意見を集約されましてこの大法案を出されてきた。これについて両省の関係者に心から敬意と御礼を申し上げる次第でございます。
 その上に立って御質問したいわけでございますが、これは確認ということになりましょうか、質疑の過程で、国民負担、経済産業省さんの方からは大体の目安ということで一台当たり二万円ぐらいという案があるんだという話がありました。現在の我が国の自動車の数が七千二百五十万台、新車が六百万台ということになりますから、新車購入時二万円、特に国民にとってやっぱり大きいのは最初の車検のとき、このときにこれを取られる。
 国民にとりますれば今のままで特に支障がないわけでございます。私も二、三当たってみたんですけれども、廃車時に環境利用料等で取られているよりはむしろ少のうございます。そういう中で、二年半後のこの施行に当たって、三年間で七千二百五十万台、特に既販車のユーザーからお金を取っていく。今、この自動車リサイクルについてはマスメディアを含めて余り大きな関心呼んでおりませんけれども、二年半後にはやっぱり大きな論議を呼ぶことになると思うんです。
 この際、平沼大臣の方から、この新しい法案によって国民はその負担に見合うどんなサービスを受けられるんだ、どういう意義があるんだという点についてひとつ分かりやすく、二年半後、大臣なさっているかもしれませんし、そういう点に立って国民にひとつ分かりやすく御説明していただきたいと、こういうふうに思います。

○国務大臣(平沼赳夫君)
 佐藤先生にお答えをさせていただきます。
 自動車リサイクル料金を負担をした国民が受けるサービスについて、そのお尋ねでございますけれども、本法案におきましては拡大生産者責任、この考え方に基づきまして、自動車メーカーに対してシュレッダーダストなどの指定三品目の引取り及びリサイクルを行う義務を課すことによりまして、これにより自動車の不法投棄というものを抑制をしまして、将来に向けて環境調和型の自動車社会、それを国民、自動車ユーザーに提供していく、こういうことを目指しているところでございます。
 また、自動車ユーザーに対してはリサイクル料金の預託を御指摘のように求めているわけでありますけれども、ユーザー自らがリサイクル料金を一つの指標としてリサイクル容易性に優れた自動車を選択することによりまして、各自動車メーカーはリサイクルをめぐってコスト引下げの競争を行いまして、結果として自動車の設計でございますとか開発段階におけるリサイクル容易化が期待される、こういうふうに思っております。
 すなわち、本法案のスキームによりまして、自動車ユーザーは自分の自動車が使用済みとなった後にしっかりとしたリサイクルが行われることを期待することができるだけではありませんで、間接的に設計・開発段階における自動車のリサイクル容易化を促すことを通じてユーザー自らが循環型社会の構築に参加することが可能になる、こういうふうに考えております。
 そういったことで、政府といたしましては、様々な社会を通じてこうした趣旨の広報活動に努めまして、本法案の意義について国民の御理解をいただけるように、御指摘のサービスの面についても様々な機会をとらえて、そして広報をさせていただきたいと、このように思っております。

○佐藤昭郎君
 いずれにしましても、非常にこれ難しい説明が必要とされると思いますので、国会議員が支持者に対して説明しやすいような、分かりやすいパンフレットも含めて今後の啓蒙活動、PR活動、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 今の国民負担に関してはそういう状況でございますが、一方、自動車製造業者の負担はどうなるという問題がございます。
 今日の日経新聞に、これは初めて私リサイクルに関して、さっき見たんですけれども、日本のメーカーが欧州のメーカーと提携したと。なぜかというと、欧州連合では今月七月以降に販売される新車からメーカーの無料回収が義務付けられる、二〇〇七年以降はすべての廃車が対象となる見込み、年一千億円前後のコスト負担ということで、これちょっと、EU指令に基づくいろんな動きを背景にした動きなんですけれども、EUによって国がいろいろ、国によって、メーカーに無料回収を義務付けている国、ドイツみたいな国もありますし、オランダ、スウェーデン等、御案内のとおりですけれども、EUではメーカーというのはこれだけ負担して無料回収するんだな、これはなかなか分かりやすいと。うちの方の、我が国の方の今回のリサイクル法では一体どうなっているんだというときになると、現状のシステムの上にお作りになるわけですから、作るわけですから、そこがちょっと見えにくいという点がありますね。
 拡大生産者責任、大臣もおっしゃいましたけれども、その点に立つと、自動車メーカーは費用や労力の点で具体的にどんな負担をするのだろうかという点をひとつ御説明いただきたいと思います。

○副大臣(大島慶久君)
 佐藤先生にお答えを申し上げます。
 まず最初に、この本法案におきましては、解体業者だとか破砕業者、既存のリサイクルに携わってこられました事業者の活力を最大に引き出させていただく、このことが前提でございますけれども、今、大臣も御答弁されました拡大生産者責任、こういう考え方を導入いたしますと、これまで自動車リサイクルに直接携わってこなかった自動車メーカーがむしろ中心的な存在となってこういった役割を果たしていく、これが法案の内容でございます。
 具体的に申し上げますと、自動車メーカーあるいは輸入事業者は、自らが製造あるいは輸入した自動車が使用済みになった場合、その自動車から発生するフロン類あるいはエアバッグ、またシュレッダーダストを引き取り、リサイクル等を適正に行う法的な責任を有することになるわけでございます。
 そしてまた、本法案におきましては、これらの三品目のリサイクルに必要な費用の預託を自動車ユーザーに求めております。本法案の施行に必要なコストに限られるものではございません。すなわち、自動車リサイクルにかかわる関係者の共通インフラとして、資金管理あるいは情報管理に要するシステムの構築が今後必要となってまいりますけれども、その構築に膨大なコストが掛かるわけでございまして、システム構築のために法律施行前に必要となるいわゆる初期コスト、例えばシステムの開発費用あるいは法人が立ち上がるに必要な要員等のコストにつきましては自動車メーカー等に積極的に対応をしていただく、こういう内容になっているところでございます。
 さらには、自動車メーカー等は解体業者等に設計情報等の提供などの協力を行っていただくとともに、自動車自体についても、設計等の工夫により長期使用の促進やあるいはリサイクルの容易化等に努める責務を有する、こういうことにもなっているわけでございまして、そのような点においても、先生が今どういうメーカーが負担を負うのかと、以上申し上げましたような自動車メーカーが中心的な役割を果たす、これがあくまでも本法案の内容になっているわけでございます。
 いずれにいたしましても、自動車メーカー等が自動車のリサイクルシステム全体をリードする役割を果たすことを我々も大いに期待をいたしているところでございます。

○佐藤昭郎君
 大島副大臣、ありがとうございました。
 そこで、お願いですけれども、定性的には分かるんですが、先ほどのユーザー負担の一兆五千億というようなかなり定量的な、あるいは一台当たり二万円というような負担に比べますとちょっと分かりづらい。ですから、これから二年半あるわけですので、その時点までにはやはり国民に対して定量的にもコスト、労力、これだけのものを負うんだということを説明していただくのが必要だと思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 次に、ASRのリサイクル、オートモビル・シュレッダー・レジデューというんですか、レザデューというんでしょうか、これASRという表現で言わせていただきますけれども、今回のこの法案提出の一つの大きな理由に最終処分場の容量が逼迫しているという話がございました。八十万トンのASRをリサイクルして四分の一程度にまで縮めていくというのがこの大きな理由だという話がございましたけれども、このASRリサイクルというのは非常に大事な私は位置付けになろうと思うんですけれども、例えばこの法案上では、最初この産構審の答申では、このASRリサイクル事業者を含めて、先ほどの関連事業者、取引業者や解体業者も含めて再資源化事業者として扱っていったわけですけれども、今回の法案ではこのASRリサイクルの事業者については落ちまして、自動車製造業者を介した間接的な位置付け、法律的な位置付けになっているわけなんですが、この点もう少しはっきり位置付けされた方が私は、ASRというのが非常に大事な分野でございますから、いいんではなかったかというふうな感じもいたしますけれども、この点いかがでしょうか。

○政府参考人(岡本巖君)
  お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、この法案におきまして、シュレッダーダストのリサイクル、ASRのリサイクルというのは全体のシステムのボトルネックを解消していくという上で大変重要なポイントでございます。その点につきまして、この法案では一義的にはそのASRの処理というものを自動車メーカーの義務として位置付けをさせていただいているところでございます。
 具体的には、自動車メーカーに対しましてリサイクルの基準に沿ったシュレッダーダストのリサイクルの義務を掛けることにいたしておりまして、それに加えまして、リサイクルを適切にかつ確実にやっていく人的あるいは施設の面での能力というものを事前に確認をするということで、法案二十八条におきまして主務大臣の認定制度を設けております。自らやる場合もそうでございますし、シュレッダー業者等に委託をしてこれをやるという場合にもこの認定に係らしめているところでございまして、こうした制度の下で、自らやる場合あるいはシュレッダー業者に委託をしてやる場合、両面についてそのしっかりとしたチェックをやらせていただく考えでございます。
 このように、シュレッダーダストのリサイクル事業者について、メーカーによる認定制度の中でその能力を担保し、解体業者などの関係業者のような都道府県知事による業の許可というのは取らなかったわけでございますが、これは、シュレッダーダストのリサイクルにつきましては広域的に行ってできるだけ効率化を図るというそういう考え方と、それから既存のリサイクル業者の数が非常に少ないというそういった事情も勘案をいたしまして、今御説明申し上げましたような、二十八条の認定に当たって、しっかりとしたシュレッダー業者の方々の人的、施設面での能力もチェックをしながら、しかとした委託が行われるように私ども法律の運用に当たってまいりたいと考えているものでございます。

○佐藤昭郎君
 今、局長さんが御説明になったそのとおりだと思うわけでございますが、やはり今もおっしゃったように、二十八条によりますと、自動車製造業者からの委託を受けてという間接的な扱い、それから廃掃法の特例を受ける場合の百二十二条四項の場合も自動車業者のお墨付きが要るんですね。やはり先ほどこれに携われる業者の数も少ないという話もありましたけれども、そういう状況を一つ見るときに、これからこのASRのリサイクルの分野を新しい、逆に言うと新しいニュービジネスと位置付けてこれを助成していかなきゃいけない、応援していかなきゃいけない、あるいは技術開発も応援していかなきゃいけない、こういう大事な分野だと思います。ここら辺、ひとつよろしく取組のほどをお願いしたいと思います。御答弁は結構でございます。
 それから次に、最後に廃棄物処理及び清掃に関する法律、廃掃法との関係について環境省さんの方に御質問したいわけでございます。
 今回の自動車リサイクル法の制度的な取組を見ますと、従来の廃掃法の解釈をかなり広げて、例えば使用済自動車、これは現在の廃掃法の認識では、有価として有償売却するような部品については廃掃法の適用外ということで、廃掃法の規制を受けずに処理が可能であったものを、使用済自動車全体を廃棄物処理法の中に入れたと。これは一面、香川県の豊島のような状況で、野積み業者が、これは有価であるというような言い訳で廃掃法の適用を免れるといった逃げ道を防ぐという意味では、これは私は一つ大きな前進だと思うんですけれども、一方で廃掃法の手続、許可基準、処理基準、施設設置、非常にやはり複雑かつ難しい手続の下に置かれるわけですね。今回、廃掃法の中に置かれることによって、自動車のリサイクル事業が逆に阻害されることになってはいけない、こういう分野も大事だと思うんです。
 そこで、いろいろな分野において廃掃法の特例を大臣の認定等で設けられたわけですけれども、先ほど岡本局長さんの方と議論がありました自動車事業者、そしてその委託を受けたASRのリサイクルの業者等については、大臣の認可によって廃掃法の特例を受けるみなし規定を置くわけですけれども、その際、広域化の問題とかそれから処理基準の問題そのほかで、現在の廃掃法の広域処理の問題一つ取りましてもいろんな都道府県ごとの認可が要る。こういう問題について、今回、廃掃法の下に置いたときに、よりリサイクルをしやすくなるような運用、こういうものを考えておられるかどうか、お伺いしたいと思います。

○政府参考人(飯島孝君)
 廃棄物処理法についてでございますが、今回の自動車リサイクル法の新しい考え方もあるわけでございますけれども、現在、中央環境審議会におきまして、委員御指摘になりましたリサイクル推進の観点等も含めて、廃棄物処理業や施設設置に関する規制についての検討を行っていただいているところでございます。現在、中間取りまとめが終わっておりまして、一般の意見を募集したところでございます。
 今後、このパブリックコメントを踏まえまして検討を重ねまして、本年末を目途として最終取りまとめを行う予定としているわけでございますが、現行の廃棄物処理法におきましても、今、先生御指摘になりましたような大臣指定制度あるいは大臣認定制度、広域に再生利用する場合、そういった特例を設けておりまして、そういったものも踏まえて、この自動車リサイクルの関連だけでなく、他のリサイクル分野につきましても検討を進めてまいりたいと思っているところでございます。

○佐藤昭郎君
 是非、この二十八条の、再資源化の認定する際に主務大臣に定める書類を提出する、こういったときに、その書類上で広域処理を可能なような自動車製造業者や再資源化の業者が証明すればそれは一括処理する、そして各都道府県における認可はそれぞれ省略できるといったやりやすい制度の取組をひとつお願いしたいと思います。
 それから、廃掃法の問題で先ほど飯島局長の方から、今、中環審のリサイクル部会で廃棄物の、廃掃法の基本的な問題についての検討が始まっておりまして、この間、中間取りまとめが出ましたし、今度というか、今年じゅうには最終取りまとめが成る。これについて、やはりいろいろな意見があります。
 この中間取りまとめでも規制は厳格に手続は合理的にというような表題で動いているわけですけれども、じゃ、だけど、規制は厳格であればあるだけいいのかという問題になりますと、これはやっぱりバランスが必要だと思うんです。先ほどありました豊島の問題や不法投棄の問題から見ますと、そういったものは厳に止めていかなきゃいけない。しかし一方で、自動車のような再生可能なリサイクル可能物については、そういった汚物や不要物と違った取扱いでリサイクルできるような法体系下に置くべきではないかと、私自身はこう思っております。
 廃掃法の中を広げて、その中で再生資源の可能なものを取り扱って、その規制を有害な廃棄物の場合とリサイクル可能な廃棄物の場合の取扱いを厳密に分けて、よりリサイクル可能な物については規制を緩めていくというようなやり方もありましょうし、個別リサイクル法の中にもう置いてしまう、廃掃法というのはやはりごみや汚物を中心にしたものに限っていく、個別リサイクル法を充実していくという方法もあると思うんですね。
 今回、最終処分場の容量逼迫というのがこのリサイクル法のバックにあるわけでございますが、今回、廃掃法を見直す過程で、ともすればあらゆるリサイクル可能物について廃掃法の中にやはり置くべきだという議論が先ほどの不法投棄やいろんな問題に対抗する手段としてやっぱり言われがちなんですが、最終処分場の容量をよく見ていきますと、リサイクル可能なものについては極力事業者の方に任せて、自ら利用する場合については規制を緩めてそこを奨励していくというようなやり方をしないとうまくいかないと思うんです。
 今度の委員会では、例えば建設残土、二億八千四百万立米も毎年出るんですけれども、それも廃掃法の中にやはり置くべきであるというような意見も出てきます。それから、古紙やくず鉄等におきましても、有価で流通しているものについて、あるいはその境を取っ払って廃掃法の中で処理すべきだということもございますけれども、やはりここはいろんなリサイクル可能な動きを、何といいますか、助長する、それを支援していく形での廃掃法の見直し、そして今年度における最終報告の取りまとめをよろしくお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○政府参考人(飯島孝君)
 中央環境審議会で議論をしていただいております廃棄物・リサイクル制度の基本問題の中には、今、先生が御指摘になったような意見もございますし、また御紹介いただいたように、例えば有価で回っているものも規制の対象にすべきだという意見もございます。
 先生がお話しになりました、規制は厳格に手続は合理的にという話でございますけれども、この規制は厳格にというのは、これ以上厳しくしようというんじゃなくて、環境規制についてはそれを緩めるというのはおかしいのではないかと。ただ、問題になっているのは手続が非常に、先生の御指摘ありましたように、全都道府県、あるいは一般廃棄物の場合だと市町村ごとに取られなければいけないというのが非常に煩雑である、そこが合理化できないかと、こういう議論もございますし、また一部の地方公共団体で行っております流入抑制措置であるとか、あるいは施設の設置に当たっての住民同意の義務付け、こういったようなある意味では非常に合理的とは言えないような制度についてはこれを見直すべきではないかといった議論が出ているところでございまして、いずれにしても、あらゆる角度から様々な御意見をいただいておりますので、それを踏まえまして、先生の御指摘のことも十分考慮した上で審議会で引き続き検討していただくことにしたいと思っております。

○佐藤昭郎君
 ひとつ、より良い最終報告目指してよろしくお願いしたいと思います。
 終わります。