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第168回国会 外交防衛委員会 第15号
168-参-外交防衛委員会-15号 平成19年12月25日
○佐藤昭郎君 加藤参考人、ありがとうございました。大変示唆に富む御説明でございました。
お手元にいただきました資料に基づいて質問を進めさせていただきたいと思うんですけれども、これ防衛関係費の推移、三菱重工さんは国内トップで、中央調達で、私の資料ですと十八年度で二千七百七十六億調達されているということなんですけれども、重工自身としてはこれどうなんですか、この傾向というのは、二ページの表ですけれども。
○参考人(加藤千之君) 申し上げます。
年々によって多少変化がございますけれども、主要装備品の契約額が漸減しておるという状態、年々によって少し違いますけれども、大体傾向的にはこんな同じように、私どもも防衛の総額、実質の総額というのはこういう傾向にあるというふうに認識しております。
○佐藤昭郎君 三ページ、四ページに防衛装備の、四、五も契約形態、特徴、説明していただきましたけれども、私も、いわゆる公共調達の中で防衛装備品というのは本当に特殊な世界だ、非常に難しい世界だという認識であります。
それで、四ページに企業のコストダウン努力が報われるような契約方式が望ましいというふうにお書きいただいたんですけれども、どんな契約形態を望まれておられますか、企業としては。
○参考人(加藤千之君) 端的に申しますと、ここに書いてございます確定契約というのと中途確定とあるんですけれども、確定契約で最初にもう金額が決まりましたと、そうすれば、企業がコストダウンの努力をすれば、それが利益がその分増えるということになるということでは、一番端的にはそういう形だと思いますが。
もう一つ、例えばこの右側の図で、コストが下がったというのがございますね、中途確定の場合でも。コストの実績が下がったら利益の絶対額が下がりますですね。これを、例えば国、防衛省さんと企業とでコストが下がって契約額が下がる部分を折半をするとか、そういう形になれば、それは企業もよりコストダウンに取り組む意欲が、インセンティブが働くなというふうに思っております。
○佐藤昭郎君 随契がほとんどだと、私はこれいいと思うんですよ、これ一般競争入札でどんどんやっていたんでは戦いに負けちゃいますからね。やはり特別な装備を契約していくわけです。その随契の中の契約は、今の確定契約、準確定契約、これはどういう割合で契約時のあれはなっておるんでしょうか。
○参考人(加藤千之君) 申し上げます。
実はここに、統計を三ページの方にも書いておるんですけれども、済みません、これ以上分解したちょっと公開されている資料がなかったものですから、今の御質問の随契の中ではどういうふうに分かれているかというのは私、実は認識しておりませんが、申し上げましたように、主要装備品につきましては、ここの下の方の中途確定条項付契約、少なくとも開発であるとか、あるいは量産も初期の段階のものはこの契約の形態をされているのが多いんではないかというふうに認識しております。
○佐藤昭郎君 この五ページには特別割掛費というのが出していただいたんですけれども、防衛装備品のいわゆる随契のときの原価計算の見積りですよね。そこら辺は非常に難しいと思うんですね。結局、開発費ずっと掛けてこられて、それをどのようにある意味では回収していくのか。それは延長線上には国内産業、民生への寄与というものがメリットとしてあるわけですよね。それが一つ。
それと、やっぱり防衛省と共同でスペックそのほかも開発してくる。その関係で、これはある意味透明性の確保とも関係してくるんですけれども、随意契約の際の見積書を作成するときにどんなところにある意味企業として苦労されておられるのか、何か基準みたいなものがありますか。
○参考人(加藤千之君) 申し上げます。
今御指摘の透明性というのは大変重要だというふうに思っております。それで、ここに書きました先ほど申し上げました中途確定等の契約でございますが、要するに原価監査というのが、それがその契約の中で要求をされております。
それで、私どもが防衛装備を製造する際、開発する際に、そういう掛かったコストを経理システム上きちっと計上し、把握できるシステムをきちっと取っておりますし、それが透明性の確保ということで、防衛省さんの方から監査を受ける、あるいは会計検査院の監査もあるんですけれども、そういう監査を受けるというシステムになっております。したがって、そういうものは、言ってみれば掛かる費用はすべてごらんに入れるということでございます。
したがって、私どもは、掛かった費用が正しく計上されておるという経理システムをきちっとつくるというのがまず第一段階でございますね。それで、それがきちっと運用されておるということを毎年毎年それを監査をいただくということで透明性を確保しております。
また、見積りを作る際には、そういうことの実績がずっともう過去積み重なっております。こういうふうな種類の図面をかくのであれば、これは過去の事例から見て、例えば飛行機なら飛行機のこの部分の設計図をかくとすれば、これは何枚ぐらい必要なんだと。そうすると、一枚かくのに大体何時間ぐらい掛かるんだ、何人掛かるんだというようなことは過去の実績がございますから、そういうものできちっとした根拠のある見積りをすると。それは、根拠のあるというのは、実績に基づいた根拠のあるものにするということを一番重視しているということでございます。
○佐藤昭郎君 スペック、兵器のスペックというと、やっぱり軍事機密が多分に含まれていますよね。私も九〇式戦車の仕様書というのを取り寄せてちょっと見たんですけれども、やっぱり肝心なところは、性能に関するところはマル秘扱いということなんですけれども、その機密とそれを受注される企業との間の情報の保全というのはどういうことで守られておられるんですか。
○参考人(加藤千之君) 防衛に関係する秘密につきましては区分きちっと指定をされておりまして、その区分に従って技術情報等の管理の仕方というのは決まっております。
これも契約の段階でこういう管理をするということを契約の内容にいたしまして、一部の資料は、例えば金庫に入れて、こういうタイプの金庫に入れて、それでもうその出入りは全部記帳するとか、そういうことがすべて決まっております。したがって、それを厳密にやっております。
また、これにつきましても、実はそういう保全がきちんと行われているかどうかというのは防衛省さんが定期的に監査をされるということで、私どもも、きちっとした台帳管理をしてそれを常に見られる、見ていただける状態にしているとか、そういうことで、機密の保持につきましては、これは一番、そういう意味では私どもの企業の信頼性ですね、防衛産業の信頼性にかかわることでございますので、重視していることでございます。
○佐藤昭郎君 イージス艦の情報が漏えいしましたけれども、少なくとも防衛省よりはしっかりした情報管理をしていると。まあ、お答えは……。
○参考人(加藤千之君) お答えしますか。
私ども、防衛省さんの要求に従って秘密管理をしておりますので、そういう意味では同じレベルの管理、保全をちゃんとしているというふうに認識しております。
○佐藤昭郎君 装備の国産化、民生技術の相互関連という点でちょっと御質問したいんですけど、三菱重工さんとしてはどうなんですかね、防衛装備品の調達というときに、防衛産業の中核技術はやっぱり我が国の安全保障上からしたら持ってなきゃいけないという大きな一番の側面がある。もう一方では、軍事技術というのは最先端の技術ですから、これをやはり手掛けることによって民生面においてもいろんな面でメリットがあるということでありますが、そこら辺のバランスと、それから民生面でこれを適用された事例、一、二あれば教えていただきたい。
○参考人(加藤千之君) 申し上げます。
私ども典型的な事例を申し上げますと、F2支援戦闘機というのは私ども製造しておりますが、これの主翼というのは複合材で造ります。複合材を実運用される、実際に運用される戦闘機で複合材の主翼を適用した例というのは初めてだと、世界で初めてだと思っております。
それで、この技術が認められて、これが私ども今、ボーイング787という新しい航空機、ボーイングが開発中でございますが、これの主翼を私どもが任されました。それで、ボーイングが、主翼という非常に重要な部分でございますが、これを海外のメーカーに任せる、あるいは、要するに自分で造っていたんですけれども、これまでは主翼は、これを初めて海外のメーカーに任せるということになりました。これは、私どもが防衛装備の中のF2で主翼を、複合材の主翼をやったということが非常に価値を高め、信頼を高めたということで、こういう民生のものに生きたという典型的な事例だと思います。
そういう意味で、防衛関係の装備では大変先進的な技術が適用されますので、それが私どもの企業なりの中でもあるいは産業の中でも、私どもの三菱重工だけということではなくて、各企業においてもそういうものが民生技術に大きく生きるということがあるんではないかというふうに思っております。
○佐藤昭郎君 武器輸出三原則の問題で、非常にこれは大事な問題でありますが、十六年に、BMDのときに十六年談話というのがあって、BMDに関しては特別な取扱いをするようになりました。
そういうのを見まして、例の三木内閣の七六年というのは、あれでちょっとおかしくなっちゃったんですけど、ここを見直して本来の武器輸出原則に戻った場合、相当やはりある意味では防衛産業としてはメリットがあるというふうにお考えになりますか。
○参考人(加藤千之君) 申し上げます。
見直しというふうにここに書きましたのは、御指摘の一番最初の六七年ですか、その部分に戻るのはいかがかなということでございます。
それで、産業としてこれがメリットがあるかどうかというところは、大変直接的にそのメリットどうだということは難しい問題だと思います。
ここに書きましたように、どうもやっぱり防衛装備につきましては大変先端技術が集積される状況が続いておりますものですから、開発費も非常に多く掛かります。そういう意味で共同開発、多国間の共同開発ということが今後ますます増えていくんではないかと思います。そのときに声が掛からないということですね、これは今後世界の潮流の中から遅れてしまう可能性が出る。先端的なところでは何が目指されて技術開発が行われているのかというところに、声も掛からない、呼ばれないという状態になるのは、大変これは危険、危惧するべきところだということで、メリットがあるというよりも、そういう危機感があるということを申し上げたいと思います。
○佐藤昭郎君 終わりますが、大変明快、簡潔な御説明ありがとうございました。
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