第168回国会 外交防衛委員会 第9号
平成十九年十二月四日(火曜日)

○委員長(北澤俊美君) 次に、関連質疑を許します。佐藤昭郎君。

○佐藤昭郎君 自由民主党の佐藤昭郎でございます。
 十一月二十三日に海自の自衛艦「ときわ」が四か月にわたる正に命懸けの任務を終えて帰国しました。十一月二十二日には護衛艦「きりさめ」が佐世保に帰港しておりましたから、これをもってこの六年間にわたる海自の活動というのが終了しました。六年間にわたって一万一千人の隊員、十一か国、計七百九十四回補給をしたわけですね。十月二十九日の最後の補給相手パキスタン艦船は、自由のための燃料、ときわ、ありがとうと横断幕で感謝を伝えたと報道されています。
 この活動のどこが憲法違反なのか、なぜ米国の戦争に加担しているだけと決め付けるのか、またこれに代わる自衛隊派遣の方法は優れたものがあるのかどうか。こういった正に小沢代表がおっしゃられます基本的な問題点だとする憲法問題とか自衛隊の派遣についての代替案については、衆議院においてはこれほとんど論議を民主党さん回避されたんですよ。
 しかし、参議院では私はそうはいかないと思います。参議院ではこれ第一党の責任政党ですから、この法案を葬り去ったり廃案に追い込むことできるわけです。ですから、それをもし想定されるならば、やはり私は、この基本的な問題という論点について、この参議院の委員会の場で正々堂々と問題を提示されて論議していただきたい、これを私、強く望みたい。そして、このことは、正に成熟した先進諸国の二大政党制、政権交代もあり得るわけですね。そういう立法府の在り方として、私は国益を見据えた外交安保政策の在り方の試金石として実はこの法案意義付けられている、極めて大事だと、こういうことをまず冒頭申し上げたいと思います。
 総理に、まず最初、これが参議院で始められたと、この決意を伺ってスタートしたいと思ったんですけれども、もう十分午前中、そして山本委員の質疑に答えていただきましたので、これは私スキップさせていただいて、二番目の点ですよね。自由民主党とそして民主党が基本的な問題で意見が違う憲法問題と国連との関係どうするかというこの二点について、私、総理の明快な見解を伺いたいと思います。
 総理は、十月三十日の会談以来、小沢党首と計三回会談持たれましたね。主要なテーマというのは、この法案を是非成立させてほしいといろんなことで要請された。本当に辞を低くして請われたんですね。しかし、小沢代表の方は、この法案というのは基本的な点で憲法など問題があるといって拒絶されたんです。
 私はこのときに実は心配したんですよ。このテロ特措法との成立と引換えに、我々政府・自民党の重要な外交安保政策なり、例えば小沢さんが言っている国連中心主義、それから憲法違反の問題、これをあやふやなまま剛腕小沢に取り込まれるんじゃないかと思って心配したんですが、しかし総理は明快にこれを拒絶されました。
 そこで、今日はテレビも入っておりますから、小沢代表、民主党との間で一番の論点となった憲法違反、インド洋における給油が憲法違反であって武力の行使であるというこの論点、そして国連中心主義。国連については小沢代表はこう言っておられるんですね、民主党も。国連の活動には積極的に参加することは、たとえそれが結果的に武力の行使を含むものであっても、何ら憲法に抵触しない、むしろ憲法の理念に合致する、私が政権を取って外交安保政策を決定すべき立場にあればISAFへの参加を実現すると言うんですね。
 この二つの論点について、総理のお考え、国民に向かって御説明いただきたい、このように思います。

○内閣総理大臣(福田康夫君) まず、自衛隊によるインド洋における補油それから給水活動、これは撤退をしたわけでありますけれども、この活動が武力行使に当たる、したがって憲法に違反するということをおっしゃる方もおられるようでありますけれども、それは全く見当違いの話であるということでありまして、その懸念は全くないということをまず申し上げます。
 そもそも憲法第九条で言っております条項に該当する活動でない、国際的な平和協力活動の一環であると、こういうふうなことでありますので、その点は是非誤解のないようにしていただかなければいけないと、こういうふうに思っております。
 もう一つ、ISAFの問題ですか、これは正に治安維持ということにおいて武力行使を伴うことなんですよ。ですから、いわゆる戦闘行為というようなものも含まれるということでありますので、これは我が国の憲法に抵触をするということになっております。
 ですから、我が国はアフガニスタンの地上における活動ができないんです。いろいろ、何というんですか、人道的な活動とかそういうことをしてもいいじゃないかという話ございますけれども、残念ながら、今のアフガニスタンの地上においては、そういう活動が一般の方々、若しくは武器を持たないで何かしようという状況にはないということなんです。
 ですから、我々日本としてもやりたくてもできないというのが実情でありますので、いろいろ支援活動をしておりますけれども、それはあくまでも国際機関に頼るとかほかの方々にお願いするということがほとんどであるという状況でございます。そういう地域において活動をするということは正に我が国憲法で言う武力行使に当たるということですから、これは厳に慎まなければいけないというのが我々の考え方でございます。

○佐藤昭郎君
 ありがとうございました。
 党首会談の結果、自民党と内閣支持率、下がったんですよね。ちょっとまあ誤解があるかもしれません。私はぷっつん発言とか辞任騒動で向こうが下がるんじゃないかと思ったら、逆にこっちが下がったんです。これやっぱり国民というのは、何かこう、そういう党首会談、これ私は、ねじれ国会で長いスパンを考えれば、これは僕は政治のプロとしては当然私は選択肢なんだけれども、国民全体、一般の方から見るとまだ古い密室談合をやったんじゃないかというようなイメージが先行して分かりにくくなった。
 ですから、これは総理にお願いです。今日、今テレビではっきり総理のお考え言っていただいた。私は、やはり党首討論、これ基本政策小委も全然開かれていないです、今年ね、今度。十二月五日水曜日が定例日ですけれども、これも何か相手側の都合で駄目になって十二日を予定しているんですけれども、こういう党首会談の場でありますとか、総理が記者会見を開いていただいて、これもう四日しかありませんね、会期末までに委員会を開くのが。こういう大事な時期ですから、この問題について、違いはこうなんだと、私はこう思うんだということをお述べになって、世論の方、国民によく知っていただく。
 私は、先ほど山本委員が、例えば国会承認なんかで法令の修正協議や修正の呼び掛けがありましたね、こういうやはり何とかしていこうという、盛り上げるためには世論を味方に付けるのが大事だと思いますので、どうか総理、機会あるごとにそういう点において国民に向けて話し掛けていただきたい、このように思いますので、よろしくひとつお願いいたします。
 何かよしということ、決意を伺えればお願いしたいと思います。

○内閣総理大臣(福田康夫君) 先般、民主党の小沢代表と党首会談をいたしました。それが誤解も招いているということもあろうかと思います。
 ただ、私どもは、あらゆる機会をとらえて、別に連立とかいうことだけでなくて、政策協議をするとかいったようなことはしていかなければいけない、そういう考え方を持っているということは示していかなければいけない、そのように思っております。そうしないと、結局、国会でもって一体何をしているかといったような、そういう批判を招く可能性あるわけでございます。
 今いろいろ大事な課題というのはたくさんあるわけですから、そういう課題を一つ一つ国会の場を通じて議論をして、そして結論を出していくということが求められている。しかし、それは国会に持っていってもなかなか通らないんだよなんというふうなことになったら、これは本当に国民に迷惑を掛けることだというふうに私ども思っておりますので、できる限り話合いの場ができるような努力はしていくべきだというふうに思って、今でも私はそういうふうに思っているところでございます。
 党首会談をしてその中身がよく分からない、それは思ったようにいかなかったということでありますから、ですからその中身について申し上げることは私は控えるべきだと思います。それは一つの過程の話ですから、そこですべて決めようという話じゃないんですよ。そこで一つの秩序をつくっていきたい、そういうことを思って行ったわけでございます。そしてまた、これは何も私どもから申し込んだというだけのことでない。ですから、あうんの呼吸と、こういうふうに申し上げているんですよ。
 なかなか、そういうようなことで、分かりにくいというふうに言われればそのとおりだと思います。しかし、これは一つの過程の中の、プロセスの中の一段階だというように理解をしていただきたいと思っております。

○佐藤昭郎君 ありがとうございました。安心いたしました。
 それで、次は、この法案の重要性についての国民への広報というか、啓蒙というんですか、これについてちょっと官房長官に伺いたいんですけれども、やはり我々の悩みというのは、今日も某紙の世論調査出ていましたけれども、五〇からなかなか上がっていかないんですよ。それで、山本委員が御質問されたように、国際社会の評価についてはかなりいろんな点でできました。
 我々も、自由民主党の全国幹事長・政調会議というのが十月にありまして、いろんな課題についてお話ししたんですけれども、内政問題、地方活性化、農業問題、これはみんながっと反応があるんですけれども、このテロ特措法の、新テロ特措法の問題に関してはやはり明らかに地方の関心が落ちるんですよ。これはやはりいろいろ理由があると思いますけれども、やはりもう大変なんですね、地方は。日々の次の生活というのが大変なんで、そこはもう、どうこの新法と結び付くかよく分からない。油は使っていますよ、たくさん。だから、中東の油の九割はインド洋からここを通じて来るんですから、これは非常に大事なんだけれども、ここら辺まで結び付いていかない。
 これ自民党の、今日テレビ入っているんですけれども、これ広報紙なんですね、こういうの。(資料提示)よく分かりやすいです、これ。四十か国が参加しているんですね。どれだけ我が国の国益に向けていいかということをPRしているんですが、政府の広報が、なさっているんでしょうけれども、国民になかなか届いてないという私は感じがするんですよね。
 もういよいよ大事な時期に来たわけで、どういうことをなさっておって、それから国民の皆さんがテレビ見ていてもっと知りたいなというときに、こういうことにアクセスすれば分かりやすいんだというようなことをひとつPRしていただきたい。お願いします。

○国務大臣(町村信孝君) 国民の幅広い御理解の下にこうした給油活動が行われることは大変大切なことだと私どもも思っております。
 すべての新聞社のデータがあるわけじゃございませんが、大体八月から九月上中旬までは反対が多うございました。それが大体九月下旬から十月、十一月、賛成が、すべての新聞社の世論調査で賛成が多いという姿に変わってまいりました。これは、やはりいろいろなこの国会での議論が報道される、あるいは今委員がお示ししたような自民党あるいは公明党の皆さん方の党内での御努力、政府の方も福田内閣のメールマガジンでありますとかあるいはパンフレット、セミナー、防衛省でもホームページを開き、そこを開いていただければどういう活動をやっているのかというのが分かるようになっております。様々なメディア、媒体を活用してそうした周知徹底を図っているようでございます。
 ただ、なかなかこれは現実、日々、ああ今日灯油が十円高くなった、ガソリンが五円高くなったという話と遠いインド洋での補給活動というのはなかなかこれ国民の皆さん方には実感を持ってぴんとくる話ではないという、そういう制約があるということは残念ながらもどかしさを感じているところでございますが、今後とも、できる限り幅広い国民の理解を得るように努力をしてまいりたいと思っております。

○佐藤昭郎君 ひとつしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 この広報紙は、これ、自由民主党の各地方区の先生方の事務所にきちんとありますので、国民の皆様もまだ来ていないようですと問い合わせいただきたい、このように思います。
 次の質問は、テロとの戦いにおける国際社会の取組と評価ですけれども、これはもう山本委員が本当にしっかりやっていただいた。だからこれ私質問しませんけれども、私の実は心配をちょっと申し上げたい。
 私は、いろいろありましたけれども、実は、しかし国際社会、特に同盟国である米国や、それからコアリッション、一緒に活動している各部隊の現場では、正直なところ我が国の反応にこれちょっとうんざりしているんじゃないかという私は実は個人的に思います。もう石破大臣それから防衛省、大変な御苦労いただいて、例の給油問題、三万ページに及ぶ資料を米軍あるいは各国の軍隊に要求されて、それ全部解明して、どうしてこういうのが必要なんだと、いや、こうなんだという大変な労力をお願いして、その結果どうなったかというと、いまだにこの問題が続いておる。
 シーファー駐日米国大使、これ非常に慎重な方なんですけれども、こんな発言しておられますね。日本の給油はOEF作戦の七%、一〇%行ってないですね、程度であると、政治的理由から説明に決して満足しない人たちがいると、こういうことをおっしゃっておられるんですね。
 ですから、私は、国際社会も町内会も自治会も同じだと思いますよ、似ていると思いますよ、これ、極端なことを言うと。何かやろうとすると文句は付けて、ではどんな案があるかというと代替案も示さないというような、そういう自治会や町内会、一番嫌われるんですよね。こういう人に私は国際社会で日本がなりかねないという。
 信用という問題というのは、非常に僕は、大臣がおっしゃいましたように見えにくい、しかしこれ、私は毀損されているんじゃないかと、日々、そういう心配がありますので、しっかりまた対応をひとつよろしくお願いしたい。これは私の要望です。
 次に、石破長官にこのテロとの戦いの難しさ、本質について伺いたい。
 これは石破長官が適当ではないかもしれませんけど、長官は六年前に、九・一一の直後に、自民党の政調副会長として大変な努力されて、これとにかく急がなきゃいけなかったですね、テロとの戦い。そして、これをまとめ上げられた私は実施者です。その経験踏まえて、六年たって、テロというのはやっぱりあの当時思ったとおりだなと、難しいなと、こう実感されると思うんですけど、国民に向けて、このテロとの戦いというのは本当に大変なんだという点についてちょっと国民に訴えていただきたい。

○国務大臣(石破茂君) どうも、テロも大変です。伝統的な戦争も大変です。
 ただ、どこが違うかといえば、テロは、いつ、どこで、だれが、だれから、なぜ、どのようにして攻撃を受けるかというのが分からない、いつ、どこで、だれが、だれから、なぜ、どのようにして。九・一一がそうですね。あそこで、朝行ってくるよと言って出掛けたお父さん、お母さん、お兄さん、お姉さん、ワールド・トレード・センターで何で自分が死ななきゃいけないんだか、何でアルカイダからやられなきゃいけないんだか、何で今日なんだか、何で飛行機が突っ込んできて、そんなの全然分からない。普通の戦争であれば、どっちも良くないですよ、ですけど、なぜ、どこが、どのようにして、いつ、ある程度予測が利く。オウム真理教だってそうですよね。この霞ケ関の地下鉄で大勢の人が死んでいった。全く理由も何もないわけ。テロって、それが一つの特徴だと私は思います。そして、そして、ある意味で自分が死ぬこと、殉教することがもっと幸せだと思っている、そういう勢力に対しては抑止力が利かないということがございましょう。
 もう一つは、普通の戦争であれば総力戦ですよね。全力を尽くして戦いますよね。ですけど、テロの怖いのは、弱いところにじわじわと攻撃を仕掛けていく。弱いところ、弱いところ、弱いところをねらって、何で私がやられるのという恐怖を連鎖させて社会が動揺することによって己の目的を達しようという、それが正規の戦争と全く違うということだと私は思います。
 そして、戦争であれば、宣戦布告があって平和条約で終わる、今違法化されていますから少し違いますが。ですけど、テロって、始めもなければ終わりもない。なぜならば、これで終わりだという主体がはっきりしないからです。主体は国ではない、だとするならば、国と国との戦争の概念が成り立たない。
 そして今、弱いところに、民衆に紛れて、そこが難しいんだと思います。民衆に紛れて、だれが敵だか分からない、いかにも味方のような顔をして民衆の中に紛れて、そしてそれを攻撃することで更に民衆を巻き込んでしまう、その恐ろしさがあるんだと思います。
   〔委員長退席、理事浅尾慶一郎君着席〕
 ですから、私は、貧困とか圧制とか、そんなものを取り除けばテロがなくなるか。私はちっともそうは思わない。人々の幸せ、民主主義、自由、基本的人権、信教の自由、それをすべて否定してでも自分のやろうとすることを遂げるためには手段を選ばない、それがテロだとするならば、イラク戦争に反対したフランスやドイツも、世界四十か国が、何で自分の国の若者の命を落としてでもこれと戦おうとしているのか。それは、我々が本当に共通の価値として共有する自由であり、民主主義であり、人権であり、信教の自由であり、それをすべて否定して自分たちの思いを達成しようとする卑劣な行為だからこそ全世界が戦っている、それだけ難しいものであるからこそ全世界が、私は、世界の多くがこれと戦っている、そのような認識を持っております。

○佐藤昭郎君 ありがとうございました。
 次に、この法案審議において、先ほども、午前中も榛葉議員、また白議員も触れていただいた、そして山本議員も触れていただいた対案ですね。先ほど、ある委員の、対案に関して、いや、これはテロ特措法を廃止するものは対案だという、まあある意味私は極論だと思いますが、それがありましたが、しかし、もう私は、この国会の会期、あと二週間ですよ。そして、参議院ではこの新テロ特措法が、与党少数党ですから、これ否決されるおそれもある。そのときに国民が、我々が、政府・与党が提案した今の法律よりもいいものがあって対案だというやはり私は説明責任はあるだろうと思います。その意味で、白議員の質疑でも、いや、実は対案は作っているんだということで、私はこれは民主党の骨子案だと思うんですね。骨子、これ、骨子を中心に要綱が作られて法案が出て行きますから。これは私どうして手に入れたかといいますと、これマスメディアを通じてなんですね。マスメディアにはこの骨子案が発表されておられるんです。しかし、正式に政府の方には行っていないと思います。しかし、もうこういう時期ですから、私はこの民主党の骨子案というものを私なりに理解して、それに対して、これを、対案よりも政府の方が優れているんだという点を私は政府に伺いたいと思うので、そういう仮定で、前提を置いて質問させていただきます。(発言する者あり)
 まず最初に外務大臣に伺いたいんですけれども、この停戦合意を、ある時期にその地域で活動するという骨子案が提案されているんですね。私はそういうふうに思うんですけれども、停戦合意が成立している地域又は停戦合意が成立していないが民間人への被害が生じないと認められる地域で実施するというふうになっているんですけれどもね。果たして、(発言する者あり)果たしてこのアフガニスタンにおいて停戦合意というものが……

○理事(浅尾慶一郎君) 速記止めてください。速記を止めてください。速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○理事(浅尾慶一郎君) 速記を起こしてください。

○佐藤昭郎君 それでは、こういう考え方がある。これ私の、私がこう考えたときに大臣はどう思うかということでひとつお答えいただきたい。民主党の骨子案とは直接関係ないです。
 停戦合意を成立したところ、そこにおいて活動する、我が国が、こういう考え方、私の考え方、これはどのように理解されますか。(発言する者あり)いや、外務大臣。もう一遍言いますよ。停戦合意が成立している地域又は停戦合意が成立していないが民間人への被害が生じていない地域というのはアフガニスタンにあるのかどうか、停戦合意というのが実現の可能性があるかどうか、それを伺いたい。

○国務大臣(高村正彦君) 現在、停戦合意があるという地域があるとは承知をしておりません。
 停戦合意が将来得られるかどうかということでありますが、だれとだれの停戦合意かということでありますが、今、例えばアルカイダとの停戦合意とか、あるいはアルカイダと全く一体に活動しているタリバン中枢との停戦合意というようなことは非常に考えにくいと、こういうふうに思います。
 一方で、カルザイ政権も和平を進めようということで、正にタリバンの中の中枢でない人たち、そういう人たちに投降を呼び掛けていると。三千数百人の人がそういうことがあるということがありますが、それはいわゆるアルカイダとかタリバン中枢との停戦ということは全く考えにくいと、こういうふうに思っております。

○佐藤昭郎君 この法案では、そうすると、実施する業務について伺いたい。
 我々の旧法では、業務、いろいろありましたね、復興支援業務、油の補給以外の。今回はそれどういうのがあったかというと、ある考えでは農業や農業施設、この農業関係、かんがい施設ですね、これかんがい施設、私の専門ですからよく知っています。それから、医療、あるいは様々な物資の補給、こういう輸送業務がありましたけれども、今回、政府はそういう業務を全部ある意味では整理して、インド洋の給油活動のみに集中したんですね。これ、私は理由分かるんですよ。
 外務大臣の見解を伺いたいんですけれども、例えば私が専門としているかんがい用水路ですね、この普及。これ、実は二〇〇二年の一月のアフガン支援会議を受けて、二〇〇四年から八年まで、参加型農業農村復興支援対策調査として現地へ行っているんですね、バーミアンに。以下五地区に、五か所についてずっと行ったんですけれども。しかし、どういうことをやったかというと、集中豪雨で崩壊したかんがい水路を農民参加で直して、これ一つのモデル事業ですから、非常に喜ばれた。大体四か月から六か月、専門家の方が五、六名でチームを組んで、構成して直したんですね。ここで成功すればこれアフガン全土に広げていこうやということで実はやったわけですけれども。
 昨年、今年と、特に今回、韓国人の方が誘拐されましたね。首都カブール、バーミアン始め五都市は、これ渡航延期勧告から外務省は退避勧告にこれ引き上げられたんですね。実質的に民間のコンサルもここへ行けなくなっているんですよ。そういう状況の中で、あるいはもう一つ紹介しますと、これは藤田議員が代表質問で紹介されたんですけれども、昨年の自爆テロによる被害というのは、アフガンでは千四百人、地雷やクラスター爆弾による被害者は八百人だと。比較的治安が安定した北部でも、自爆テロで最近五十人以上死亡したと。
 こういうところで、私はこの農業とか医療とかそういうものは、現にODAで実施できますから、これ新法を作らなくてもできると思うんですけれども、しかし、現実問題として、今直ちにアフガン復興支援のためにそういったところに、ODAでもいいです、この新法でもいいけれども、人を出すということは可能なのかどうか、外務大臣に伺いたい。

○国務大臣(高村正彦君) この法案を補給、給油、給水に絞ったのは、現実に六年間、この法律に基づいてやってきたのは、それしかなかったし、それだけやればいいんじゃないですかと、こういうことなんだろうと、私、この法案の提案責任者じゃありませんけれども、そういうふうに理解をしているわけであります。
 それで、今まで、今すぐに日本人がアフガンの中に入って、幅広く、技協、無償でODA展開していくというのは、それは全土が退避勧告になっておりますので非常に難しいと。今、NPOの人たちにもできるだけアフガンから出て遠隔操作的にやっていただきたいと、そういうことをお願いしているわけで、JICAの人たちはかなりまとまって安全対策講じながらやっている面もありますが、非常に今、日本人が入って幅広く展開していくというのは難しい状況にあるということは一般的に言えると、こういうふうに思います。

○佐藤昭郎君 もう一つ、自衛隊の派遣の形態について防衛大臣に見解を伺いたいんですけど、自衛隊の派遣のやり方というのはいろいろありますね。このような洋上補給で派遣していく、イラクの復興支援のようなサマワみたいに出ていってやる、あるいは、これは先ほど総理からも明確にちょっと無理じゃないかと、憲法上と、ISAF本隊に自衛隊を派遣する。しかし、小沢代表はこれをやりたいと、こう言ったというんですけれどもね。
 この自衛隊の派遣の形態で、ISAF本隊に派遣する、あるいはサマワのような、ちょっと問題が違うかもしれない、サマワのように自衛隊が出ていって、今、高村大臣から、しかし山本さんも触れていただきましたけれども、おっしゃったようなODAを中心とする日本の様々な復興支援活動をその中に一緒に入って自衛隊がやる、あるいは一緒に入った文民の方々を警護しながら、まあ屯田兵みたいなものですかね、やっていくという、こんなこの自衛隊の活動というのは今のアフガニスタンで考えられるでしょうかね。

○国務大臣(石破茂君) 私はそれはできないことはないのだと思います。
 ただ、どこを選ぶか。先ほどお答えしたように、サマワを選ぶときに、我々がどれだけ調査を行い議論を行い、議論の末にサマワを選んだ。まずどこを選ぶか、そして何をやるのか。そして、サマワにおいて、我々は自分の部隊は自分で守るけれど、それはもう行かれた佐藤議員が一番よく御案内ですよ。だけども、現地の治安はオランダでありイギリスでありオーストラリアであり、現地の治安は他国に任せ自分たちの部隊を守るということをやってきた。
 では、今回、仮に出すとしてその治安はどの国が守ってくれるということだって議論しなきゃいかぬことでしょう。そして、正直申し上げて、私はサマワよりもアフガニスタンの国内の方がより危険な地域が多いのではないかと思っております。そのときに、それでは日本がいろんな民生支援をなさるのでしょう。私どもがその日本の地域の安全をお守りしましょう、そういうところが本当に出るのかということもちゃんと議論しなきゃいかぬでしょう。
 更に加えて、自衛官と民間の人が出たとしますね。民間の人が例えば拉致された、殺害されそうだ、我々日本の自衛官がそこにいて何にもしないということが本当にあっていいのかと。我々の国民が拉致され誘拐されているときに、自衛官たちが何もしないで、あとは皆さん、ほかの国の皆さんお任せね、そんなことをうちの自衛官にやらせるのか。駆け付け警護というのが今認められていませんね。その点をどう考えるか。
   〔理事浅尾慶一郎君退席、委員長着席〕
 さらには、武器の使用権限をどうするのかという議論はきちんとしていただかなくてはなりません。私どもの武器使用権限は、国際的には相当に抑制的なものになっております。じゃ、任務遂行、これが妨害されたときに武器は使用できるか、武器の使用も、威嚇射撃、あるいは片や足をねらって撃つというような致命的ではない射撃、あるいは武器を構える、それと比例との原則をどう考えるのか。私は、自衛官を海外に派遣するときに、ましてや危険な地域に派遣をするときに、そこの議論をきちんとせずに派遣をすることがあってはならないと思います。そして、総理からも答弁ありましたが、ISAFではたくさん人が死んでいる、OEFもたくさん人が死んでいる、そのことを我々はきちんと認識をしなきゃいけない。
 だけども、先ほど答弁申し上げたように、自由も民主主義もすべて否定をする、そのようなものに対しては断固として戦うんだというのが、先ほど委員が我が党の機関紙をお示しになりました。あそこに、どの国が何に参加しているかという、そういうマル・バツが全部示してある。G8で、日本とロシアを除くすべての国が地上においてOEFに参加し、ISAFに参加し、PRTに参加している。地上においても海上においても一切何もしないという国が、G8の中で日本、そしてソ連時代にアフガニスタンと戦ったロシア、これだけになっている。
 本当にこの日本でいいのかという議論とともに、今申し上げましたような、どこで活動するか、どのような武器使用権限を与えるか、他国との関係はどうか、そういう御議論がなされて初めてそういうISAFとかそういう議論になるものだと私は承知をいたしております。

○佐藤昭郎君 速記止められた関係で時間がもうあと十分ぐらいしかありませんので、少し、最後の質問行きますが、一つの考え方として、今中断しております洋上補給、これを再開するときに新たな安保理決議などで国連の決議がやはり必要なんじゃないかという考え方もあるわけなんですが、この給油、補給活動の再開に当たって何がしかの国連からのお墨付きというのが必要なのかどうか。これ代表質問で伺いましたけど、今日、国民の方にちょっと説明していただきたい。

○国務大臣(高村正彦君) 海上補給活動でありますが、これは国際法によって認められた活動でありまして、安保理決議がなければ憲法違反になるというようなことはそもそも全くないわけであります。ですから、そういう必要ないわけでありますが、安保理決議が、お墨付きが必要だということであれば、一七七六で評価し、やってくださいということですから、これはある種のお墨付きはもう既にあると私は思っております。そういうふうにも考えられるのではないかと民主党の議員も投稿して言っておられた方もおられるわけであります。
 その上でさらに、国連が安保理決議で結成するようなそういう国連決議という意味であれば、そういうものをもう既に何の問題もなく六年間活動してきて高く評価されていることについて、日本の国内事情で、そのためだけにそういう安保理決議を新たに一つつくってくださいというのは甚だ困難であるし、みっともないといえばみっともないことであるし、要するにそういうことだと、こういうふうに思います。

○佐藤昭郎君 今いろいろな考え方、ずっと伺いましたけど、やはり私自身、今政府が出しておられるインド洋での海上補給活動、これは国際社会も望んでいるし六年間の実績もある、しかも我が国の自衛隊、特性をよくつかんでいる私は提案だと思います。これに代わる地上、陸自を出したりいろんなことをする提案というのが、まだ会期まで時間がありますからいずれ出てくるかもしれませんけど、今のところやはり私はこれはベストじゃないかと、こんなふうに思います。
 次に、防衛省の不祥事についての解明について山本議員も質問されたので私も述べたいと思うんですけど、この問題というのは正に常軌を逸した事案でありまして、単にこれ防衛省だけじゃないですよ。あらゆる公務員、霞が関全体にも衝撃を与えたんですね。
 私は二つあると思いますよ。人事管理と調達事案、この二つあると思うんですけれども、人事管理。普通、事務次官になるような人というのは、課長補佐、課長、局長、上がっていく段階でどの組織でも大体淘汰されていくんですよ。良い子、悪い子、普通の子というのは三ついるんです、大体。悪い子は大体上に行くときに必ず淘汰されていくんですよ。それが利かなかった。これはやはり、私も率直に、やっぱり防衛省全体の人事管理、そしてそれを許してきた政府・与党の責任はやはり大きい。これは歴代の防衛庁長官もあるし、場合によってはこれ官邸筋もあるかもしれない。これはやはり深刻に反省しなきゃいけない、これを解明していく。
 そして、一方の調達事案、これも防衛省の特殊性です。何かほかの霞が関の調達官庁と異なったやはりシステムというのが必要なのかなと。もう山本議員が何回もこれ触れられましたね。私はやはりそれだけの大きな問題である。
 ただ、申し上げたいのは、これ国内問題なんですよ。ですから、さっき冒頭、朝の質疑でも、このうみを出すのが先で、国益を懸けたこの新テロ特措法の審議がこの後だというのは私は承服しかねますけれども、並行して、私は、この問題というのはこの国会だけで終わりませんよ。三か月で例の協議会、結論出すんですけど、これでも終わらない。今、国家公務員法の改正やっていますけど、これ自衛官の早期退職制度も含めて、年金の問題も含めて大きな問題なんですよ。ですから、これは並行してじっくりやらなきゃ駄目なんです。
 そう思いますが、防衛大臣、官邸に組織つくられたということですけど、改革協議会の、防衛大臣の決意を伺います、この問題に、解明について。

○国務大臣(石破茂君) 現在、捜査当局においていろんな解明が進んでおり、私としては省内に対して全面的に協力しなさいということは申し上げておりますし、省内でも明らかになることは徹底して明らかにしなければいかぬ、山田洋行の水増し請求なぞというものではなくて、私はあれは詐欺であるというふうに思っております。告発する方向で担当当局と相談を始めておるところでございますが、そういうものはもってのほかで、きちんとした、断固とした処置はとります。
 しかし、今まで防衛装備品というのは、国家機密だから、防衛にかかわることだからということで明らかにしてこなかった部分が余りに多くないかということが一つあります。そして、冒頭、榛葉委員から御提案がありましたけれども、国会の場でそういうことをきちんと議論する、そういう仕組み、そういうものがあって、我々もきちんと情報を開示する、それがなければいかぬだろう。
 同時に、諸外国は全部そうですが、事が事でございますので、機密を守るというルールが議会においてどのようにできているかということです。防衛装備品の性能から価格から全部明らかにしているような国は世界じゅうどこにもありません。その機密保持体制が政府及び国会においてどのように担保されるかということも必要なことなのだと思っております。
 委員は農業の御専門家でいらっしゃいますが、結局、私、思いますのに、自衛隊にとってお客様というのはだれなんだという話だと思っているんです。つまり、農林水産省であれば、農業の方、漁業の方、林業の方、いらっしゃいますよね。あるいは、国土交通省であれば、道路利用者であり、鉄道利用者であり、飛行機の利用者であり、各会社である。ところが、防衛省・自衛隊の場合には、お客様というのが実はいない、評価の対象にさらされることがない。それがさらされて実は駄目だったというときは、祖国の独立と平和に大きな影響が与えることであるにもかかわらず、お客様の目にさらされることがないという現状であるならば、チェック体制をよほど厳しくしなければいかぬのだろうというふうに私は思っております。
 そして、調達の方法については、これはまた議会でも御議論いただき、省内でも、官邸でも議論いただきますが、調達にかかわるセクションに我が国の場合には六百人ぐらいしかおりません。他国の場合には何千何万という人間が調達部門におります。では、我々二十七万の組織において、それでなくても現場に人が足らないという状況は委員も政務官やっておられたからよく御承知ですが、それでは調達部門にどれだけの人を割くか。人さえ割きゃそれでいいというもんじゃなくて、この性能はどうであり、そして商慣習はどうであり、この価格は妥当であり、それが全部見抜けるだけの組織がどれぐらいつくれるか。これ私、委員御指摘のように、相当長い期間掛かるだろうと思います。
 ただ、私は、ここはまた野党の方々にもおしかりをいただくのかもしれませんが、多少のお金が掛かってでも、きちんとしたものを公正で透明なプロセスの下に取得をするということに私は配意をしてみたいと思っておるのです。人員も含めましてどのようにしたらいいか、また委員会における御議論を賜りたいと存じます。

○佐藤昭郎君 質問を終わりたいと思いますが、一万一千人のこの海自の隊員諸君、正に命懸けで任務を遂行したこの海自の隊員の諸君に本当心から敬意と感謝を申し上げ、そしてこの海上補給活動の再開が一日も早いことを、法案の成立が一日も早いことを私祈念いたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。